【トップギア試乗】ルノー アルカナ:F1テクノロジーを応用したフルハイブリッドSUV

4,290,000円

ルノー アルカナとは?
日本の輸入車CセグメントSUVマーケットは2017年頃から伸び始め、モデルチェンジや最近ではVWのTロックの登場などで38,000台規模にまで拡大してきている。ディーゼルに加えてマイルドハイブリッドが年々増加しているのが特徴だ。そんな中、日本に導入されたのがフルハイブリッドのルノー アルカナである。アルカナは欧州で発売後9カ月で受注6万台を超えた人気のCセグメントSUVである。欧州では1.3Lのガソリンやマイルドハイブリッドの選択肢もあるが、日本には1.6L フルハイブリッドであるE-TECH HYBRIDのみの設定となった。このユニークなCセグメントSUVである、アルカナに試乗をしてきた。

走りはスポーティ?

走り出しは100%EVモードだ。40km/hを超えたくらいでモーターとエンジンを併用し、合わせて充電も行なっている。エネルギーフローのインジケーターが、バッテリー/エンジン/駆動輪と、刻々と変わっていくのが興味深い。走行中はあまり気を取られてはいけないが、走りに慣れてくると今クルマがどのエネルギーフローにあるのかは感覚で掴めるようになってくる。そして80km/hを超えるとエンジンのみで走行し、この際にも合わせてバッテリー充電を行う。ブレーキを踏むとモーターのみとなり、ブレーキエネルギーの回収を行い、モーターがバッテリーを充電していく。ハイブリッドに乗りなれないと、ついつい気になるのが、バッテリー残量だが、減速するとすぐに回生するので、普通に運転している分にはあまり心配はない。なお、このゲージが1/2以上あれば、スクリーン下にあるEVボタンで、EVモードに固定することも可能だ。

走りの印象は、快適性よりもスポーティさが前面に出てくる。シャープなハンドリングに、やや硬めの乗り心地だ。フロントエンドは鋭く、コーナリング中はフラットなままだが、その分、車体が固い。だが、従来のハイブリッドSUVに物足りなさを感じている人なら、このスポーティさは、おすすめしたいものを感じる。このスポーティさの秘密は、F1をはじめモータースポーツに使用されるメカニカルロスを排除したトランスミッションドッグクラッチマルチモードATの採用だ。高回転まで加速Gが持続し、この上ないドライビングプレジャーを感じさせる。いい意味でSUVらしからぬ走りの感覚だ。

内装は?

センターコンソールのプラスチックは少し安っぽく、硬いので、足が当たると痛い。シートはそれなりにサポート力があるが、正しい着座位置を見つけるのに少し時間がかかる。スポーティな角度にするか、それとも高くなった車高を生かすか?

ルノーの巧妙なパッケージング・トリックであるクーペスタイルの傾斜したルーフラインによって、後席のスペースが損なわれているとは感じないだろう。とはいえ、大人2人、子供3人程度の後部座席だ。肩まであるリヤドアの窓のおかげで風通しもよく、Cピラーには小さなクォーターライトがあり、さらに明るさを増している。クーペスタイルなので、背の高いボディと低いルーフのおかげで、移動中に外を見るための窓があまりないように感じられる。

運転・駐車支援システム「ルノー イージードライブ」を搭載。高速走行時にドライバーの疲労軽減、安全運転を支援するハイウェイ&トラフィックジャムアシスト、駐車時の周囲状況の把握をサポートする360°カメラなど、より高い信頼と安心をドライバーにもたらしてくれる。また万一の衝突の際に、乗員の被害を軽減するための装備も充実しており、自動車の安全性能を評価するユーロNCAPにおいて5スターを獲得している。

トランクは広くフラットで奥行きもあるが、ハイブリッドバッテリーをどこかに収納しなければならないため、そこはどうしても限界がでて。それでも、アルカナの480リットルのトランクルームは、クプラ フォーメンターの420リッター、トヨタ C-HRの377リットル、シトロエン C4の380リットルより収納力はある。

価格はいくら?
429万円の一択。多くの家族が射程内になるのではないだろうか。高容量バッテリーを含めた総重量増加は、EDCの1.3Lガソリン車比+110kgに抑えており、軽量コンパクトな設計も魅力だ。Bセグメントへの搭載も可能だということで、今後の展開にも期待ができる。

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