トップギアがマツダ ロードスターで指南する、誰でもより上手なサーキットドライバーになる方法

冬の休暇中にサーキット走行を予約した方もいるだろう。サーキットを走るクルマを見ても、そこでどう走ればいいのかはわかりにくい。だから、もしあなたが自分のクルマでサーキットに行くなら、コーチングを受けると速く走れるようになり、より楽しめるようになり、クラッシュすることも少なくなるはずだ。

でも、一口にコーチングって言ったって、いろいろなものがある。私はこれまで、レースドライバーを助手席に乗せて、サーキットでのセッションを何度も行ってきた。彼らは、特定のサーキットで、特定の天候で、特定のクルマを走らせる手助けをする。しかし、そのようなコーチングでは、応用力を身につけることはできないんだ。

マーク ヘイルズは違う。彼は何十年にもわたってレースをしており、最近では素晴らしいヒストリックカーで成功を収めている。彼は、車の物理学とドライバーの心理学を融合させたコーチングシステムを開発した。つまり、あなたはどこでもうまくやれるということだ。私は今、彼と一緒に一日を過ごしているが、きっとそうなるという確信がある。

それも、マツダ ロードスターに乗っているんだよ。理想的じゃない?指示した通りに動いてくれるし、何をやっているのかも教えてくれる。もし間違っていても、それをカバーすることはできないが、正しくやれば大きなリターンを得ることができる。軽量なので、ブレーキやタイヤにも負担がかからない。1日走り終わっても、どちらも問題ない。コースはブライトンパークで、驚くほど騙されたようななコーナーがいくつもあるが、失敗するってこともそれほど多くはない。

マークが助手席から静かに見守る中、私も何周かする。雑な感じがするが、その理由はまだわからない(ちなみに私、ポール ホレルはレーサーではなく、テスターなんだ。長年にわたってサーキットに通ってきたのは、車について知るためであって、速く周回するためじゃない)。

教室に戻ると、マークが丁寧に、そして建設的に、そのすべてを解説してくれた。 以下は、彼の金言の数々である。

序盤はゆっくり走ること。私はゲートに向かう牛のように、最初から猛スピードだった。だから、コーナーでブレーキをかけすぎて、どうしたらいいかわからなくなったんだ。次のコーナーの計画を立てるべき時に、前のコーナーで何が悪かったのか、まだ考えているような状態だった。

計画性が不可欠で、その肝は、彼が言うところの「メンタルムービー」である。各コーナーやシークエンスの前に再生し、必要であれば次のラップの前に編集することができるムービーだ。また、他のサーキットで走ったときに同じようなコーナーがあれば、そのムービーを自分のメンタルアーカイブから引っ張り出すこともできるという。

「どこを見るかが最も重要なことです。あなたが見る場所は、あなたが行くことになる場所です」 肩や腕は目線に従う。クリッピングポイントを見ればそこに車が行くが、そこに車を向けたらすぐに遠くの出口を見よう。そして、障害物に執着しないこと。ぶつかるだけだ。

クリッピングポイントや出口がまだ見えていない場合は、自分の動きを頼りに場所を確認する。ただ、言うは易し、行うは難し、だね。「速く走れば走るほど、より遠くを見なければならないんです。今いる場所はどうにもならない、これから行くところだけを考えるのです」

マークはペンと紙を手に取り、コーナーをいくつか描いていく。ほとんどの人は、早く曲がりすぎていると彼は言う。最も鋭い旋回半径と最も遅いスピードの最適解は、ターンインとクリッピングポイントの間にある。それ以降はロックの巻き戻しになる。ターンインが早いとクリッピングポイントが早くなりすぎて、どうしても出口でコースアウトしてしまうんだ。

最初のうちは低速で周回を重ねながら、ターンインとクリッピングポイントを変えてみて、その効果を確認する。それがあなたのメンタルムービーの編集だ。クルマが一番気持ちいいと感じたときが、ペースを上げたときの最速ラインを見つけたということだ。小さなフロントドライブのクルマは、パワフルなリヤドライブよりもターンインが早くても大丈夫である。

タイヤの性能を最大限に引き出すには、横Gが最大となるクリッピングポイントを過ぎたあたりから、徐々にスロットルを開けていき、ロックを解除していくしかない。これが摩擦円である。タイヤに加速を求めれば求めるほど(あるいはブレーキをかければかけるほど)、タイヤが発生できる横方向の力は小さくなる。その逆もしかり。そして、ロックしたタイヤやスピンしたタイヤは、グリップを失う。ドリフトビデオでも制作するには最適だが、ラップタイムには不利となる。

私は、ドライビングとフィードバックセッションをできるだけ短くしている。そうすることで、より良いフィーリングを得ることができるのだ。おっと、今は体重移動の話をしてる。マークは、ブレーキングを微妙に変えながら、他のインプットはまったく同じにしたまま、ドライビングでデモンストレーションを行った。1周目、彼はトレールブレーキでコーナーに進入。次のラップでは、早めにブレーキをリリース。ノーズが上がってアンダーステアになり、クリッピングポイントをミスして出口で車体が余ってしまう。正直なところ、私ならこうはいかないだろう。

彼は、常に、ホントにいつでも、分析という精神的なプロセスを強調する。「80%か90%で走るんです。練習するときは速度を落として、徐々に速度を上げていく。そうすれば、どの部分を変えればいいのかがわかるようになるはず」

必死さがなくなると、スムーズになり、そのスムーズさはスピードが上がっても維持されるはずだ。ステアリング、ブレーキ、スロットル、それぞれがきちんと統合され、可能な限り滑らかかつ流動的でなければならない。

クルマは落ち着いていてこそ速くなる。ドライバーも同じだ。それは逆説的なことで、必死でない方がスピードが出せるのだ。あなたは物事の先頭にいる。いいラップを刻むときは、魔法のように時間が遅くなるのである。

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2021/12/43276/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ