えっ、そんなにあったっけ?ロータス エリーゼのインスパイア系9台

25年の歴史の中で、ロータスが作った小さな軽量車は、みんなが覚えている以上の新しいクルマを生み出していたんだよ。

01ロータス 340R


時は2000年。ドットコムブームと、10世紀のデンマークの君主にちなんで名付けられたワイヤレスデバイスの接続(Bluetoothのことね。死んだ歯が青かったから「青歯王」と呼ばれてて、デンマークとノルウェーを統一したんだ。乱立する無線を統合したいということから、Bluetoothになった)が、新しいミレニアムを後押ししていた時代だ。

ロータスは、未来への準備ができていることを証明するために、4年前のエリーゼ S1を解体して、サーキット走行用の限定車のようにした。

340Rは、ドアとルーフを完全に取り去り、オープンホイール・レイアウトに変更し、700kgという軽量化を実現した。そして340台のみが製造され、すぐに裕福な愛好家やコレクターに販売される。骨格のあるスポーツカーとしては、進化し続けるアリエル アトムの影に隠れてしまっているが、あなたにはこれが本当に21年前の遺物に見えるだろうか、と、今一度考えてみてほしい。

02ボクスホール VX220


例えば、起亜自動車が、マクラーレンのアルトゥーラにバッジを付け替えて販売することを発表したとする…。ただし、7年間の保証がついていて、修理代がピカント一台が買えるのと同じくらいかかることを除いて。2000年当時のボクスホールVX220は、このように向こう見ずな存在だったのだ。

しかし、VX220が存在するのは、お互いの弱点を補強する目的があったからだと思う。ボクスホールは、退屈なラインアップにスポーティな魅力を加える必要があり、ロータスは例によって、素晴らしいが老朽化したS1エリーゼの後継車を開発する資金が不足していた。

アメリカの巨大企業であるゼネラル・モーターズは、ロータスが新世代のスポーツカーを作るための資金を提供することを申し出た。そしてゼネラル・モーターズは、すでにあるものを応用する。オペルやボクスホールのバッジを付けた新しいボディパネルを付けちゃえば、あーら不思議、「ザフィーラ VXR」と言う新しいスポーツカーが超速でできちゃった。

VX220は、ロータスが好んで搭載していたMGやトヨタのエンジンではなく、アストラのエンジンを使用していたため、エリーゼのような軽快さはなかった。しかし、トルクフルで懐が深く、装備も充実していて(まあ、快適なエアバッグは付いていたが)、何と言っても可愛かったのだ。今見ても魅力的だよね。2003年、VXターボはトップギア誌のカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたこともある。だから私たちは、このクルマを見ればすぐに勝者だとわかる。

03ロータス エキシージ


当然のことながら、ロータスはエリーゼをサーキット走行に特化させるために、まったく新しいプラットフォームを開発しようとは考えていなかった。

初期のエキシージは4気筒エンジンを搭載しており、ハードトップの帽子をかぶり、後ろにウイングをつけたエリーゼのような姿をしていた。

2011年に登場したエキシージ S3は、特注のスタイリング、トヨタ製V6にスーパーチャージャーを搭載し、ポルシェ 911をも凌駕するパフォーマンスを発揮した。今年、生産が終了しても、エキシージほど美しい操縦性を持つものは他にないんだ。嗚呼。

04テスラ ロードスター


最近では忘れがちだが、テスラの物語はサルーンのモデル Sから始まったわけじゃない。カリフォルニアの新興企業であるテスラの最初の生産モデルは、ロータス エリーゼをベースにした2シーターのスポーツカーだった。そうだよ。

イーロン マスクは、英国製の軽量ロードスターに、かつてエンジンが搭載されていた隙間にバッテリーを詰め込み、FRモーターに接続して完成させるというシンプルなアイデアが、うまくいかなかったことを苦々しく語っている。

800個を超えるラップトップセルの重量のために、ロータスのデリケートなサスペンションを再設計し、ホイールベースの長い硬いシャシーにボルトで固定しなければならなかった。また、インテリアも一新され、ボディワークも一新されている。ライトクラスターやホイールもテスラ製のものを使用した。エリーゼの部品のうち、変更されずに共有されているのはわずか6%と言われている。主にドアミラーがそうだ。

テスラの初代ロードスターは、0-97km/hを4秒以下で走り、1回の充電で320km走れる最初のEVであり、本稿執筆時点では、宇宙服を着たダミーが中にいて、デビッド ボウイが爆音のステレオで流れている、宇宙空間にある唯一のスポーツカーである。何とも実に奇妙な文章になっちまった。

05ロータス 2-イレブン


本当は、ロータス自身がミッドシップエンジンを搭載した赤ちゃんから変身したクルマだけで、このエリーゼフェスティバルを埋め尽くすことができたかもしれない。ヨーロッパ、エヴォーラ、3-イレブン、そしてこの2-イレブン。これは、ヘセルが2007年に開発したハードコアなサーキット走行用車だ。

エリーゼのヘッドライトを除けば、ドナーとなった車の面影はほとんどない。ドアもルーフもなく、標準でスーパーチャージャーを搭載し、オプションで公道走行が可能になっている2-イレブンは、ケータハム、アリエル、ラディカルのようなSMチックな要求にも答えてくれる。ピシッ!

06ダッジ サーキット


さて、皆さん、曖昧な話をさせてほしい。テスラではなく、ロータス エリーゼと血縁関係にあるアメリカの電動スポーツカーの話を聞いたことがある?ないって?…だよね?

2009年のデトロイトモーターショーで、ダッジはこのオレンジ色の不思議なクルマを公開した。そう、ダッジだ。ダッジは知っているよね。チャージャー。ヘルキャット。デーモン。800bhpのV8。ウィーリー。そう、そのダッジだ。明らかにバッテリー駆動の軽量2シーターのメンツたち。おっしゃるとおりだよ。

サーキット(いい名前だ)は、ロータスのヨーロッパの失敗作のボディを借りたもので、基本的には豪華なエリーゼに防音材をたっぷり入れて、アウディ TTのライバルのように装ったものだった。でも、これは巧妙な選択だったんだ。というのも、誰も実際に購入していないので、誰もがダッジが真新しいクルマを描いたと思ってしまったから。うーん、賢い。

268bhp、650Nmのエンジンを搭載したこのサーキットは、急速充電が可能で、1回の充電で240-320km走行できることが約束されていた。2010年には生産が開始される予定だったが、金融危機の影響でプロジェクトは中止となり、ダッジは代わりにスーパーチャージャーの開発を始めた。そうだったんだ…。

07デトロイト エレクトリック SP.01


さらに、かつてはロータスに乗っていたが、現在はアメリカで電気自動車に乗りたいと思っている人たちの物語は、まだ終わりじゃない。これがNetflixのドキュメンタリーにならないのはなぜだろう?

2016年、デトロイト エレクトリック社は、ミシガン州の停電の責任は自分たちにはないと発表し、電気自動車のエリーゼを市場に投入することを決定した。第二次世界大戦前に栄えては消えていったアメリカの電気自動車メーカーの名前を復活させたわけだが、そのレシピは、正直言って、かなり期待通りのものだった。

中央には37kWhのリチウム電池。後部には、最高出力201bhpの電子モーターが搭載されている。航続距離は?290km。充電時間は?4時間。そしてお楽しみの0-97km/h加速は3.7秒。4速マニュアルギアボックスを搭載し、価格は13万5,000ドル(1,500万円)を予定していたが…。

その後、何も起こらなかった。報道によれば、2017年にDetroit Electricを立ち上げるために、中国から約3億ポンド(460億円)の投資が行われたとのことで、(スタートアップ企業にはありがちなプランだが)その次にはファミリー向けの電気自動車SUVが計画されたいるようだ。なんて独創的なんだろう。

これまでのところ、不吉な沈黙状態が続いている。エリーゼが廃止されようとしている今、投資家たちが領収書を手元に残してあることを願うばかりだ。

08リンスピード スキューバ


泳げるロータス?どっかで聞いたようなアイデアだね。

この潜水版エリーゼは、MI6やQの仕業ではなく、スイスの狂気の巣窟であるRinspeed社の作品である。リンスピードは2008年にこの情熱的なプロジェクトを発表した。水中では2つのプロペラとブロワージェットを駆動する電気推進システムを搭載し、陸上では後輪を120km/hで回転させる。

スキューバダイビング用の酸素ボンベで呼吸し、インテリアには防塩処理が施されているって。

製作されたのは1台だけで、製作費は約150万ドル(1.7億円)。007仕様のDB5に架空のマシンガンを搭載したものよりは安いかな?

09ヘネシー ヴェノム GT


これを待ってたって?アメリカではエリーゼに電池や配線を詰めるだけでなく、良いアイデアを実現させられるという証拠である。ジョン ヘネシー氏は、古き良き時代の馬力でエリーゼをパワーで満たそうとした。

話によると、テキサス出身のチューナーである彼は、1000bhp以上のLS7エンジンを搭載するための最もバカげたクルマについてぼんやりと考えていたところ、理想的なDNA結合の対象としてロータス エキシージが頭に浮かんだという。彼が農家ではなく、クルマ好きでよかった。さもなければ、今頃ヒューストンでライオンとカモノハシのミックス肉でできたハンバーガーを食べていただろう。

ヴェノム GTは、よりカスタムされた新しいヘネシー ヴェノム F5の精神的な祖先であり、1,200bhpのツインターボ7.0リッターV8を、ストレッチしたシャシーに搭載していた。最高速度434km/hを記録したこの車は、V-max戦争におけるブガッティやケーニグセグの強さに対するアメリカ人の答えであり、その存在の一端は、軽快で小さな英国製ロードスターにあったんだ。

=海外の反応=
「5/9では、特にエヴォーラがエリーゼから「生まれた」と述べている。しかし、それは間違いです。エヴォーラは完全な新開発だから。確かに、アルミの押出材を接合して作られたシャシーだが、それは全くの新開発だった。同じ論理を通すとするなら、今日のすべてのモノコック/ユニボディの車は、最初のスチールモノコックの生産車であるシトロエン11cvから生まれたと言えるだろう」
「確かに240Rや2イレブンはサーキット走行に適したクルマだし、VX220はエリーゼがもう少し馬力があればどんなことができるかを示し、エキシージはエリーゼのよりサーキット走行に特化したクーペ型の性能を示しているし、ヘネシー ヴェノム GTはエリーゼから生まれた車の中でトップスピードが最も速いクルマだし、テスラ ロードスターは最初に販売された電気自動車の一つだ。だが、Rinspeed sQubaは、エリーゼから生まれた車の中で最もユニークで、僕の意見では最も象徴的なクルマだ。なぜなら、他のクルマにはできないことができるから。ボンド…ジェームズ・ボンド」
「S1(初代MMC)というのは、この記事に賛同するが、エヴォーラをベースにしたダッジについてはどうだろうか?」
↑「ヨーロッパにそっくりだよね」
「もうひとつ、エリーゼをベースにして製品化されたものを忘れてない?それは、メルクスのRS2000!」
↑「水を差すようで、ごめん。メルクスならRS1000のようなかっこよさはないな。ガルウィングドアとヴァルトブルクのエンジン。東欧圏の人々の心意気には頭が下がる」
↑「その通り。RS1000の方がより魅力的なクルマであることは間違いない。残念なことに、RS1000がまだ手頃な価格だった時代を逃してしまった。でも、僕はオペルのスピードスターに満足しているよ。:-)
ところで、RS2000の最初のプロトタイプは、エリーゼのシャシーではなく、スピードスターのシャシーを使って作られたんだ…」

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