【モータースポーツ史での一コマ】セナのポールラップ/モナコ 1988

2018年のシンガポールGPで、レッドブルとフェラーリのポールポジションに挑戦するほど速くないはずのマシンで見せた彼の勇姿は、モータースポーツ界に衝撃と畏敬の念を与えた。ルイス ハミルトンは、マリーナ・ベイで絶対的なマスタークラスを演出し、メルセデスをやすやすとトップに立たせた。

このレースは、F1史上最高の予選ラップのひとつに数えられているが、おそらく史上最高のものは、ルイスのアイドルでありヒーローであるアイルトン セナのものだろう。1988年、セナはトレルマンやロータスでその才能を発揮した後、マクラーレンに加入し、史上最も美しく、圧倒的なF1マシンを手にした。ゴードン マレーが設計したMP4/4である。

この年、セナのチームメイトはアラン プロストで、モータースポーツ界の2大巨頭の間で素晴らしい戦いが繰り広げられた。この年、セナは8勝を挙げ、プロストの7勝を上回り、自身初のF1ワールドチャンピオンを獲得した。

さらに信じられないことに、セナは13回のポールポジションを記録し(プロストは2回)、そのうちの3回目のポールポジションは今でも脳裏に焼き付いているほど素晴らしいものだ。

マクラーレンのチームマネージャーだったジョー・ラミレスは、「彼は、予選を宗教的な体験のようにとらえていた」と語っている。アイルトンは、ポールポジションを獲得したときのことを、まったく別の次元で行動していたと表現している。

「私にとってサーキットはトンネルのようなもので、ただひたすら走っていた…。自分の意識的な理解をはるかに超えていることに気づいたんだ」

結局、セナは1分23秒998のタイムを記録した。プロストは同じマシンで1分25秒425を記録しており、公国周辺ではセナが最大のライバルに1.427秒差をつけていたことになる。

セナは、「限界を超えていたが、まだまだいけると思った」と語った。「でも、それが私にとっての限界で、それ以上の余地はなかった」

翌日のレースでは、67周目にバリアに衝突して最後まで走りきることはできなかったが、この1分23秒は、F1史上最高のドライビングデモンストレーションのひとつとして語り継がれている。

=海外の反応=
「モナコで最も印象的だったのは、ステファン ベロフがティレルでグリッドに煙を上げたことだと今でも思っている」
「ルイスのポールラップがこのように語られたのは初めてだよ。誤解のないように言えば、あれは素晴らしいラップだったが、「史上最高のラップのひとつ」とは言えないだろう。グリッド上で最高のマシンでポールポジションを獲得することは、単にコースがマシンに合わないというだけで、時代を超えた偉業とは言えない。
昨年のオーストリアでの雨の中でのポールラップの方がはるかに印象的だったと思う」
↑「何千人もの人がそう思っている。もし、彼のポールラップがこのように語られたのを聞いたことがないのであれば、単にその日の予選やレース前の放送を見ていないだけだと思うけど点。ただ、そのラップを見ればいいんじゃない?無駄な動きがなく、オーバーステアもアンダーステアもない。ステアリングの修正やスロットルの遅れも1mmもなく、今まで見たこともないような滑らかなステアリングの動き。ポールだったから感動したとは誰も言わないし、マシンの速さとは関係ない。彼がどれだけきれいにあのラップをこなしたかということだ」
↑「人々があのラップに感銘を受けたことは知っているし、私もそのひとりだが、F1史上最も素晴らしい予選ラップのひとつと評されたのを聞いたことがないのだ。それは私自身が不勉強のせいかもしれない」
「誰もルイスのあのラップを評価してなどいやしない。一方、セナのラップは、同じマシンで実際に優れたドライバーを相手に、F1で最も過酷なコースをマニュアルギアで走って…」
↑「そこには丁寧に同意しないといけない。セナのラップがより印象的だったことは同意するが、ここで重要なのは「より」という言葉だ。ハミルトンのシンガポールの予選は、やはり素晴らしいラップではあった。「史上最高のラップのひとつ」というのは、ちょっと言い過ぎだとは思うけど」

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