06ロータス カールトン
1990年、ボクスホールはBMW M5に対抗するためのスーパーサルーンが必要だと考えた。だが、それはちょっとやりすぎだったのである。
このクルマは基本的にはカールトン/オメガ GSiを完全にバラしてロータスがビルドし直し、世界一速いサルーンカーに仕上げたもの。ロータスは、直6エンジンを3.0リッターから3.6リッターにアップし、巨大なギャレット・ターボを1基ではなく2基搭載。その結果、最高出力は377bhpとなり、4ドアのサルーンカーは、重いマニュアルギアボックスとトラクションコントロールがないにもかかわらず、0-97km/hまでわずか5.2秒で到達することができた。
不幸な警察官が、カールトンを盗んだ犯罪者たちを追いかけていたが、高速道路で乗っていたのは、パンダのような惨めなクルマだった。巨大なボクスホールがかっ飛んでいって、あきらめざるを得なかったという話がよく聞かれる。これじゃ、何もできない。
これは世界最速のサルーンカーであり、その合法性は英国議会でも議論されたほどだった。ロータスとボクスホールは、自分たちの作ったクルマの速さに対して訴訟を起こされることを恐れて、カールトンの最高速度はたったの280km/hに過ぎないと公式に発表していたである。しかし、社内では、実際にリミットになるのは305km/h近くになってからだと認識されていた。