【トップギア試乗】電気自動車に生まれ変わった新型フィアット 500

<ドライビング>

道路ではどんな感触?

パワートレインは117hpと221 Nmを発揮するモーターで、車重1,330 kgなので重すぎることはない。そして、9.0秒で100 km/hに達し、EVらしい領域の中で、スロットルは即座に反応する。でも、頭がシートにめり込むような、タイヤが交差点に置かれてしまうような、そしてみんなに見せびらかしたい衝動に駆られる、これ見よがしで前のめりな加速ではない。堅実に運転できるクルマだ。
時速100キロ前後で性能は鈍るので、無理な追い越しは禁物。それでも、海外でテストしたところ、150 km/hのリミッターを打っても実質的な問題はなかった。
高速道路を走るときの安定感は抜群で、洗練された走りに仕上がっている。田舎道では、ゴツゴツしたヘアピンでも、十分なトラクションとアンダーステアに対する広い領域での抵抗が感じられる。

街乗りするなら楽しい。ステアリングはとても軽いので、走り出しの数キロで手首の筋肉を調整する必要があった。そのステアリングはやや鈍いが、機敏には反応してくれる。
全部で3つのドライビングモードがある。「シェルパ」モードは空調を切り最高速度を抑え、節約して確実に目的地に到達させる。最高速度を 80km/h に抑え、アクセルレスポンスを調整し、空調コントロールシステムやシートヒーターなどもオフにして(いつでもオンに戻すことができる)エネルギー消費量を抑制する。ヒマラヤのガイド役「シェルパ」が、責任を持って登山隊を頂上へと案内することから「シェルパ」という名前なんだ。「レンジ」モードでは、アクセルペダルから足を離すと、通常の内燃エンジンが生み出すエンジンブレーキよりもはるかに強力な制動力が発生するので、容易にワンペダル走行ができる。このモードだと、駐車速度でのブレーキが、がっつくような感じになる。今回運転したのは後期段階のプロトタイプだったのだが。
とにかく自分は、ノーマルモードで運転していた。ブレーキとスロットル開閉の挙動は進歩的で、ブレーキペダルの踏み始めで回生ブレーキが効き始める。

運転支援機能は、このセグメントで初めて、レベル 2が備わっている。フロントフェイシング・カメラ・モニタリング・テクノロジーが、車両の全周を監視しているほか、インテリジェント・アダプティブクルーズコントロール(iACC)は、検出されたクルマ、自転車、歩行者などに対応して、アクセルやブレーキを操作する。また、レーンセンタリングは、道路の車線を検出できる場合、クルマの位置をレーンの中央に維持してくれる。
乗り心地はかなりしっかりしており、路面の情報がよりたくさんドライバーに伝わってくる。繰り返しになるが、これはフィアットの小型車のいつもの設計方法だが、このパターンは多くないので、クラスでは競争力がある。その他の点では、しっかりとしていて洗練された小さなクルマのように感じる。

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