日本では、ガソリンモデルのみの導入で、ようやく試乗が始まったという段階のランドローバー ディフェンダーだが、英国からは、早くもプラグインハイブリッドバージョンの情報が入ってきた。これはロングホイールベースのディフェンダー 110にのみ搭載され、2.0リッターガソリンエンジンと105kWの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドだ。P400eと呼ばれるこのモデルは、最速のディフェンダーとなっている。0-100km/hの時間はマイルドハイブリッド6気筒P400の6.1秒よりも0.5秒速い、5.6秒を達成している。
さらにすごいのは、P400eが内燃機関を使わずに43kmの走行が可能で、30.2km/Lという燃費、74g/kmのCO2排出量を実現していることだ。19.2kWhのバッテリーは、50kWの急速充電器を使えば、わずか30分で容量の80%まで充電できる。7kWのウォールボックスでも2時間で同じ容量の充電が可能だ。
だが、PHEVは7人乗りにはできないし、通常のディフェンダーほどの牽引力はないし(標準車の3,500kgに対してPHEVは3,000kg)、トランクスペースは約150リットル少ないし(標準車は最大2,277リットルに対してPHEVは2,127リットル)、もちろんかなり重いが、オフロードでも同じように使えることは約束されている。グラウンドクリアランスは相変わらず良好で、900mmまでの水をかき分けることができる。
他には何か新しいことはある?4気筒ディーゼルエンジン(これまでディフェンダーの大部分を占めていた)は、ご臨終。それに代わるのは、マイルドハイブリッド技術を搭載した6気筒ディーゼルだ。D200は197hpで500Nm、D250は246hpで600Nm、レンジトップのD300は296hpで650Nm。これらのディーゼルエンジンには「インテリジェント」な全輪駆動が搭載されており、トラクションと同様に効率性を高めることを目的としている。すべてのディーゼルエンジンは、約11km/Lの燃費と230g/kmのCO2が主張されている。
2.0リッターガソリン車の P300 と 6気筒の P400は、PHEV の P400e同様ラインナップに残されている。ディフェンダー 90 には PHEV 以外のすべてのエンジンが搭載され、ディフェンダー ハードトップ(事実上のディフェンダー バン) にはディーゼルエンジンのみが搭載される。
また、ブラック/ダークグレーのトリムと「ロブステック」の張り地(極限のアウトドアシーンで使用されるテキスタイルから着想を得た、非常に堅牢で保護性の高い素材)を採用した「X-DYNAMIC」仕様も新たに追加された。全モデルにホワイト、シルバー、グレーの新色が用意されており、かつてはパックの一部としてしか利用できなかったオプションを個別に設定することができる。
英国ではこのMY21のディフェンダーは、今年の終わりか来年の初めにオーナーの元に到着するはず。日本では、導入されるかどうかも未定だが、その間に、ディフェンダーのインプレッションでも読んで待っていよう。