アストンマーティンから、88台限定のV12 スピードスターが登場した。こちらは、アストンマーティンのパーソナライゼーション・サービス部門、「Q by アストンマーティン」が手掛けたもの。アストンマーティンの豊かなレーシング・ヒストリーだけでなく、航空機デザインからもヒントを得ており、「Q by アストンマーティン」が推奨するF/A-18コンセプトカラーを纏っている。
価格は765,000ポンド(1億円)から、オーダーは現在受け付け中で、納車は2021年第1四半期から開始される。
V12 スピードスターは、伝説の名車、F/A-18に触発されたコンセプト・スペックで仕上げられており、この仕様をそのままオーダーすることも可能だ。V12 スピードスターは、ボーイングとのエキサイティングなコラボレーションの下、アストンマーティン・パーソナライゼーション・サービス部門の「Q by アストンマーティン」の手によって生み出された。印象的なカラーリングは、伝説のジェット戦闘機をモチーフとして、スカイフォール・シルバーで仕上げられている。エキゾースト・チップやベントグリル、ベーンにはマットブラックが採用され、全体として引き締まった印象を演出している。暗色系のテーマは、インテリアにも反映され、サテン・ダーククローム、マシンド・アルミニウム、ブラックレザー、ブラック・テクニカルテキスタイル、ブラック・カーペット、アストンマーティン・ロゴが刻印されたビビッドレッドのドアシルなどを配置して、明確なコンセプトを感じさせるスタイリングが創出されている。
V12 スピードスターは、アストンマーティン最新の接着アルミニウム構造を採用するとともに、DBSスーパーレッジェーラやヴァンテージのエレメントを流用した結果、ユニークなプラットフォームとなった。フロント・ダブルウィッシュボーン、リア・マルチリンク・サスペンションには、コイルスプリングとアダプティブ・ダンピング(スポーツ、スポーツ+、トラックの3モード)が組み合わされ、標準装備される21インチ鍛造アロイホイールには、セントラルロック・メカニズムが採用されている。標準装備されるカーボンセラミック・ブレーキは、フロントに410mm径、リアには360mm径のディスクが装着された。
ユニークなシャシー上には、ほとんどがカーボンファイバーで製作されたビスポーク・ボディが搭載されている。アストンマーティン・デザイン・ディレクターのマイルス・ナーンバーガーは、V12 スピードスターについて、以下のようにコメントした。「敢えて一歩退いて、自分達の過去にインスピレーションを求めました。私たちは、DB11以来、常に未来に目を向けてきました。そこで今回は、少し違った観点を採用してみよう、と思ったのです。このモデルには、1959年にル・マン24時間を制したDBR1からアストンマーティン100周年記念の2013年型CC100 スピードスターに至る一連のモデルとの関連性を見て取ることができます。また、ミッドセクションは、1953年型DB3Sの趣を感じさせます。V12 スピードスターは、アストンマーティン・スピードスター・コンセプトの最新バージョンです。弊社の歴史だけでなく、最新鋭のジェット戦闘機にもインスピレーションを求めて、直感的なエクスペリエンスを体験していただくことを目指して開発・製作しました。だからこそ、V8ではなく、V12を選択しました。V12 スピードスターは、ドライバーの感性に最大限に訴えかけるモデルです」
ナーンバーガーは、次のように続けている。「ルーフもスクリーンもなく、巨大なエンジンと、低く、幅広いショルダー、2個のハンプ、ドライバーとパッセンジャーを分離する背骨のような形状を持つ圧倒的にエモーショナルなスタイリングに仕上げられています。低く、しかし軽快なリアエンド、大胆な印象のフロントグリル、特徴的なヘッドライト、“ノストリル”と呼ばれるボンネットのデザインエレメントが、見事なコントラストを描き出しています。ノストリルは、かなり長期間にわって封印されてきたデザインですが、今回のモデルで復活を果たしました。これは、V12を搭載するスペースがあることを視覚的にアピールし、象徴的なベントが創出されています」
V12 スピードスターの心臓部には、アストンマーティンの5.2リッター V12ツインターボ・エンジンが搭載される。最高出力は700hp、最大トルクは753Nm(いずれも推定値)。フロントにミドマウントされるオールアロイ、DOHC 48バルブ・ユニットには、ZF製8速オートマチック・トランスミッションとリア・リミテッドスリップ・ディファレンシャルが組み合わされる。0-100km/hを3.5秒で加速し、最高速度は300km/h(推定値)に達する。
V12エンジンは、その驚異的なパフォーマンスはもとより、爽快なエキゾースト・ノートを奏でてくれる。アストンマーティン・エンジニアは、V12ユニットをこのリミテッド・エディションに搭載するに当たって、専用のステンレス製エグゾースト・システムを開発した。リアエンド中央、ディフューザーの上に取り回されたエグゾーストは、野太く、キャラクター溢れるサウンドを生み出す。
アストンマーティン・チーフエンジニアのマット・ベッカーは、次のように語っている。「V12 スピードスターが提供するスリリングな体験は、他では感じることはできないでしょう。フルオープン・エレメントが、新たなエクスペリエンスを切り拓きます。このクルマは、あらゆるレベルでクルマとドライバーが一体化した、緊張感のある走りの世界を実現しています。また、アストンマーティンが誇る5.2リッターV12ツインターボの圧倒的なパワーに裏打ちされたパフォーマンスと俊敏性は、他に類を見ない純粋なドライブ体験を提供します」
アストンマーティン・ラゴンダ社長兼グループCEOのDr. アンディ・パーマーは、次のように述べた。「アストンマーティンは、ユニークで特別なモデルをお届けすることに全力を注いでいます。V12 スピードスターは、このコミットメントを完璧に表現しています。88台のハンドビルト・カーは、全世界のエンスージアストやコレクター垂涎の的となるでしょう。個人的には、V12 スピードスターがドライバーに提供するもの以上に、その象徴的な存在感に興奮を覚えます。このクルマは、弊社のエンジニアリングの可能性と野心を具現化しているだけでなく、アストンマーティンの栄光の歴史を表現しています」
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