日本の職人技をかけ合わせたスバル360
現在、伝統工芸 青山スクエアで開かれている第53回全国漆器展は、クルマ好きにもぜひ足を運んでもらいたいイベントだ。クルマ好きになぜ漆器?と疑問に思う方も多いと思うが、なんと、今回は東京初披露で、漆塗りのスバル360が展示されているのだ。
塩尻市出身の百瀬晋六氏が開発を主導した「スバル360」を、てんとう虫工芸士が木曽漆器でリメイクした作品で、自動車と木曽漆器という日本の職人技をかけ合わせた、世界に1台の逸品だ。
外装だけでなく、ハンドルやダッシュボード、レザー、天井などの内装にも木曽漆器の全ての技法が施されている。漆塗りと一口に言っても場所によって塗り方が変わっているので、作業時間を考えると気が遠くなりそうだ。
この漆塗りのスバル360は実際に公道も走ることもでき、イベントにも引っ張りだこだというが、どこでも人が集まってきて常に大人気だそうだ。
漆の特性として、水には強いけれども紫外線には弱いということだったので、こういった室内での展示の方がクルマのためには良いのだろう。
なお会場である伝統工芸青山スクエアは、全国から伝統的工芸品を集めて、作品の販売もしている。そのため海外からのお客さんが大変多く集まる場所でもある。
会場に来ていたイタリア人のお客さんは、「イタリアではフェラーリレッドが人気なので、こういった朱色は珍しいけれど、クルマの色としては難しいかもしれない」と感想を言っていたという。
そして、やっぱり、下衆な質問を、展示会の担当の方にしてみた。「このスバル360、売るとしたらおいくらくらい…?」
「所有者に聞きましたが、売ることは考えたことがないそうで、値段もつけられていません」とのこと。
仮定の話しで売られることがあるとすれば、まあ、最低でもウン百万円にはなるだろう。
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