Hyundaiの高性能ブランド、Nは東京オートサロン2025にて、2つの発表を行った。1つ目は、MINI GTとのコラボレーションだ。2つ目は、IONIQ 5 N専用のハイパフォーマンスパーツパッケージ、DK Edition。日本と韓国で発売予定のこのパッケージで、ドリキンこと土屋圭市氏が最も苦労したところとは?
Hyundaiの高性能ブランド、Nは東京オートサロン2025にて、2つの発表を行った。1つ目は、MINI GTとのコラボレーションだ。2つ目は、IONIQ 5 N専用のハイパフォーマンスパーツパッケージ、DK Edition。この「DK Edition」は、レーシングドライバーのドリキンこと土屋圭市氏が監修し、Hyundaiの高性能ブランド「N」とオートバックスセブンとのコラボレーションにより開発された。
HyundaiN Management Groupのパク ジュン(JooN Park)常務が、TAS 2024での活動を紹介した。アイオニック 5Nや5N NPX1の展示、電動ドリフトのデモンストレーション、そして2024年は、Ioniq 5Nの販売が好調であったことなどが語られた。また、MINI GTとのコラボレーションについても触れられた。
次に、MINI GTのディレクターであるグレン チュー(Glen Cho)氏が、Hyundai Nとの協力について「Ioniq 5 NがEVの高性能に関する新しい基準を打ち立てるというミッションに感銘を受け、プロジェクトを開始しました」と語った。会場に展示されていたのは、アイオニック 5 N MINI GT RS-01T。アイオニック 5 Nをベースとした最初の電気プロジェクトモデルである。RS-01Tは、Mini GT runs sport car 01 truck conceptの略だ。主な特徴として、Hyundai NのワンメイクシリーズでレースをするIoniq TC1カーをベースにしたウルトラワイドボディキット、拡張された幅、新しいダブルエレメントリアウィングとディフューザーなどが挙げられる。アイオニック 5がトラックカーのコンセプトに発展し、高性能EVの新しいチューニングの可能性を探求する。1分の1スケールのRS01Tは、アジア、アメリカでワールドツアーを開始し、64分の1スケールモデルも追って登場予定。アイオニック 5 Nのモデルカーは、実車を調整すると同時にモデルカーも調整する必要があるため、最終的な仕様が決定した後、モデリングプロセスを開始する。発売時期は2025年の夏頃を予定だ。MINI GTは2022年からHyundaiと協力しており、Ioniq 5、Elantra N、Ioniq WC(TCR)、RM19、RM20もMINI GTストアでミニチュアモデルが販売されている。
続いて、IONIQ 5 Nの専用ハイパフォーマンスパーツパッケージ「DK Edition(ディーケーエディション)」について説明が行われた。監修の土屋圭市氏が登場すると、会場は大いに沸く。ジュン氏はとくに土屋氏をリスペクトしているようで、感激もひとしおといった形だ。レーシングドライバーである土屋圭市氏の情熱とフィードバックが反映されている。Hyundai Nとオートバックスセブンとのコラボレーションで、IONIQ 5 N専用のハイパフォーマンスパーツパッケージとなっており、2025年末までに韓国および⽇本市場で発売予定だ。特別なパフォーマンスパーツとして、ホイール、ブレーキ、サスペンションパーツが含まれており、6ピストンモノブロックブレーキシステム、21インチ軽量鍛造ホイール、ローダウンスプリング、専⽤エアロパーツなどが装備されている。日本のトップパフォーマンスパーツメーカーを選定し、富士スピードウェイや峠でテストを実施し、コーナリング性能、⾛⾏安定性、制動⼒、ハンドリング性能を⼤幅に向上させた。土屋圭市氏が鈴木亜久里氏からHyundaiの電気自動車を勧められたことが開発のきっかけで、サスペンションからブレーキまで、1年間開発部隊と共に取り組んだ。ノーマルの完成度が高いにもかかわらず、さらに良いものを作るという目標で開発がスタートしたという。
質疑応答が行われた。
―今後2025年以降、MINI GTをどのように活用していくのか、またMINI GTを⾝近に⾒られる機会はあるのか
Mini GT RS01Tはワールドツアーを実施し、その後アメリカに輸送して初期テストとコンセプトワーク、デザインの修正を行う予定です。Mini GTとのコラボレーションは、⾞好きのためのものであり、Mini GTの⾞のモデルを⽣み出すだけでなく、アルミプロトタイプ段階で実際の1/64スケールモデルも製作する予定となっています。
―土屋氏が監修する上で最も難しかった部分はどこか、また、どのような人にどのように楽しんでもらいたいか
最も難しかったのはサスペンションです。日本のトップメーカーに開発を依頼したのですが、ノーマルのレベルが非常に高いため、ノーマル路線でいくことにしました。ノーマルの電子制御の精度が高く、それを超えることができなかったです。
こだわったのは見た目。若い人から年配の人まで、「若い人から我々おっさんまで乗って恥ずかしくないエアロ」や「社交も下品でない車高」など上品なエアロパーツを⽬指しました。
ブレーキに関しては、ブレーキに関しては、ノーマルでもニュルブルクリンクでテストしているので問題ないが、「我々みたいなちょっと頭のおかしい人間が乗る」との、もう少し性能を求める人のために、キャリパーの大きいブレーキを依頼したのです。
―電気自動車でありながら仮想サウンドシステムがあるなどギミックが多いが、どの点が新鮮だったか。また、高性能⾞でありながら⾞⾼が⾼めだが、開発する際にどのようなアドバイスをしたか、また、まだ惜しい点はあるか
SUVの中で最も気に入っているのはポルシェで、そのハンドリングやストロークの使い方、2トン以上の⾞重をどのくらいのストロークで抑えるか、ストロークスピードはどのくらいが良いかなどを伝えました。4輪のモーターをすべて制御できる点が強みで、ポルシェと似ているんです。「5mmダウンのサスペンションでポルシェに近いものが出来上がったんですよね。DKエディションはドリフトだけでなく、「トラック走行にも重点」を置いて開発されています。
DKエディションの開発において、OEMサスペンションと電子制御を維持しつつ、⾞⾼を下げることに注⼒しました。DKエディションは、単なるカスタムメイドのデザインパーツではなく、CFD(数値流体解析)や実際のトラックでのテストによって性能が計算されています。
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