エンライトンを採用した新製品、ブリヂストン レグノGR-XIII タイプRVでクラウン クロスオーバー、アルファード、レクサス LBXを試乗した。
「エンライトン」を採用してRVにも「レグノ フィーリング」を
ブリヂストン独自の商品設計基盤技術が「エンライトン(ENLITEN)」だ。これは、「薄く・軽く・円く」というタイヤの基本性能を徹底的に鍛え磨き、全方位で性能を大きく革新的に進化させ、さらに個々のタイヤの特性に合わせてエッジを効かせた「究極のカスタマイズ」技術だ。
このエンライトンを最初に採用して昨年初めに発表されたのが、プレミアムコンフォートタイヤの「レグノ GR-XIII(クロススリー、以下GR-XIII)」だ。レグノらしい、深みを増した空間品質と磨き抜かれた走行性能にエッジを効かせ、低燃費性能や省資源化といったサステナブル性能を両立した。
そして今回の「レグノ GR-XIII タイプRV(以下タイプRV)」は、GR-XIIIの特性を引き継ぎながら、ミニバンやコンパクトSUVといったRVのユーザーニーズと車両特徴に合わせたカスタマイズを「エンライトン」により実現した。
まず、RV専用のトレッドパターンを採用して車高の高いRV車両特有の走行時のふらつきを抑制し、後部座席での「乗り心地」、安定感のある走りを実現する「ハンドリング性能」、さらに重量車に対応した「耐摩耗性」にエッジを効かせた。従来のミニバンユーザーだけでなく、コンパクトSUVユーザーにも深みを増した空間品質や磨き抜かれた走行性能といった新たな「レグノ フィーリング」の価値を提供する。
具体的には、タイヤの内側にはショルダー部の剛性を高める「ダイヤモンドスロット」を採用。またショルダーブロックを大きくすることでブロック剛性を高めてふらつきを低減し、安定感のある走りを実現。さらに、高いブロック剛性を実現しつつ路面からの振動を吸収し、乗り心地の向上とロードノイズの低減、偏摩耗の抑制を実現している。同社のテストによれば、RV車両装着時における摩耗寿命は、GR-XIIIより19%も向上したという。
テストコースで従来品と比較テスト
今回、このタイプRVをテストコースと公道で試乗する機会を得た。
まずは、テストコースで従来品のレグノ GRVII(ジーアールブイツー、以下GRVII)とタイプRVとの相対比較。クリープ走行から20〜40〜60km/hでのスラロームやレーンチェンジ、低速走行での突起物乗り越えやロープを並べて作った不整路面の通過などを試す。
最初の試乗車はアルファードで、タイヤサイズは235/50R18。はじめはリアシートで同乗者として違いを体感。GRVIIからタイプRVに乗り換えると、まず低速走行でのノイズが低いのが分かる。スラロームやレーンチェンジでの身体のふらつきや不整路面での突き上げは、明らかに少なくなっている。
次に自分で運転してみると、タイヤ自体も軽量化されているせいか、発進などの出足も少し良くなっている感じだ。スラロームやレーンチェンジでは、GRVIIより操舵量が少なく、しかも収まりが良くなっている。とくに違いを感じられたのは並べられたロープの通過時だ。室内で感じる音は明らかに静かで、連続する入力をうまく収めて次の入力に対応している。
続いて、クラウン クロスオーバー(タイヤサイズは、225/55R19)でGRVIIとタイプRVを乗り比べ。やはりタイプRVは出足が軽い。スラロームでは少し急な転舵を行うと、GRVIIよりもタイプRVの収束性の良さが分かる。そもそもハイブリッド車はモーター走行状態とエンジンがかかった状態で音の違いは分かりにくいのだが、それでもタイプRVのロードノイズはGRVIIより低くなっており、またクラウンでも並べられたロープ通過時の収まりや静かさは好感が持てた。
西湘バイパスの連続した路面の継ぎ目を見事にいなす
テストコースでの好印象から、今度はタイプRV装着車で一般公道を試乗する。最初はコンパクトSUVのレクサス LBX。タイヤサイズは、225/55R18。公道試乗は相対比較ではないため、標準状態との違いは分かりにくいのだが、以前に乗ったLBXのフィーリングを思い出しながら走り出す。
西湘バイパスや小田原厚木道路などの自動車専用道を中心とした試乗だったが、西湘バイパスには独特の路面継ぎ目が連続する場所がある。ここはクルマの乗り心地をチェックするポイントなのだが、継ぎ目を乗り越えると一発で収束して収まりが良い。乗り越え1回ごとの突き上げショックも少なめだ。
高速走行時のノイズも抑えられており、かなり快適なレベルで後席の乗員とも問題なく会話できるだろう。全体的に乗り味は好印象だ。路面の突き上げや段差の収束はきれいにいなすし、ハンドリングはニュートラルがちょっとダルなところなど、いかにもレグノらしいフィーリングだった。
続いてアルファード。タイヤサイズは225/55R19。こちらもロードノイズはかなり抑えられており、また乗り心地も悪くない。レクサスLBXでは試せなかったハンドリングは、大きく重いミニバンゆえタイトなターンではそれなりにロールするのだが、収束が良いのでスッと姿勢を戻す。
西湘バイパスの路面継ぎ目が連続する場所でも「いなし」が良く、一発で収束する。高速時の直進安定性や乗り心地も良く、また低偏平のタイヤとしては硬さも感じさせない。
タイプRVは、いかにもレグノらしい上質な乗り味をミニバンやコンパクトSUVといったRVでも味わわせてくれる。こうしたRVにも電気自動車(BEV)が増えており、より重く、静かになっている。そうしたクルマにも十分対応できるだろう。
タイプRVはRV用タイヤとして一つの完成形と思え「次のタイヤを作るのは難しそうですね?」と技術者たちに投げかけると、「いえ、まだまだ進化はできますよ!」という答えが返ってきた。そう、クルマもタイヤも技術の進化に終着点はないのだ。(文:篠原政明/写真:ブリヂストン)
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=海外の反応=
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