いいや、この「アルペングロー」レーサーのような見た目ではない。だが、これは鬼のように速いという。さらに、ルノーグループCEOのルカ・デ・メオがトップギアに語った、アルピーヌのF1の未来とは…
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アルピーヌのスーパーカー計画が本格的に始動した。登場は2028年、高出力のガソリン・ハイブリッドV6を搭載するという。その頃には、急成長を遂げるアルピーヌのラインナップのほぼ全て、あるいは全てが電気自動車になっているにもかかわらずだ。
アルピーヌのボスであるフィリップ・クリーフ氏は、昨年Top Gearのいくつかのインタビューで、このアイデアを温めていることを示唆していた。そして昨日、フランス・ディエップの本社で行われた新型「アルピーヌ A390」の発表イベントで、彼の上司にあたるルノーグループCEOのルカ・デ・メオ氏がこれを正式に発表した。
さらにクリーフ氏は、思わず期待してしまう詳細をいくつか明らかにした。彼によれば、合計出力は約1,000bhp(1,014ps)になるとのことだ。もし定義を気にするなら、今日の馬力インフレの時代においても、これはほぼハイパーカーの領域に足を踏み入れるレベルだ。
クリーフ氏は、このスーパーカーは後輪を駆動するV6ターボエンジンに加え、フロントに2基の電気モーターを搭載すると説明した。これらのモーターは、A390の後輪に2基のモーターが備えるのと同様に、フロントのトルクベクタリング機能を提供する。車体構造にはアルミニウムとカーボンファイバーの両方が使われるという。
パワートレインは、パリ南郊外のヴィリー=シャティヨンにある世界耐久選手権(WEC)の技術拠点に新設されたルノーの部門「ハイパーテック」によって開発されている。ルノーグループ全体の研究開発責任者でもあるクリーフ氏によれば、このスーパーカーのパワートレイン開発には、レースカー開発に携わるのと同じエンジニアチームが従事するという。
では、このスーパーカーは、「アルピーヌ アルペングロー」コンセプト(上写真)と似たような見た目になるのだろうか?クリーフ氏は「いいや」と答える。アルペングローはル マンを戦うためのマシンに近いコンセプトだった。「これは公道仕様車であり、まったく異なる」とのことだ。そして、車名もまだ決まっていない。「それは私の仕事じゃない」と彼は笑った。
「このクルマには3つの目的がある」とクリーフ氏は語った。「ひとつは、アルピーヌのブランドイメージを引き上げること。こうしたクルマは、他のすべてのモデルラインナップを牽引する存在として必要だ。二つ目は、技術革新の実験場となること。まずスーパーカーのため、そしてアルピーヌ、さらにはグループ全体のためだ。三つ目は、ビジネスとしても成功させることだ」
クリーフ氏がこの分野で豊富な経験を持っていることも忘れてはならない。彼はフェラーリ「458」を開発し、その後アルファロメオに移籍して「ジュリア」や「ステルヴィオ」のエンジニアリングボスを務めた。そして再びフェラーリに戻り、研究開発部門を率いていた人物だ。彼がアルピーヌスーパーカーの立ち位置を語る上で、フェラーリ「SF90」を引き合いに出すのも当然と言えるだろう。
発表は2028年が予定されている、とクリーフ氏は述べた。A290とA390に続く、2030年までにアルピーヌが投入する5車種以上のEVに加えて、このスーパーカーの開発があるため、やるべきことは山積している、と彼は強調する。
アルピーヌがハイパーカー分野に進出するのは大胆な一歩のように見えるかもしれないが、クリーフ氏はTopGear.comに対し、親会社であるルノーが、約15万ポンド(3000万円超)の電動コンセプトカー「R5ターボ3E」を1980台近く販売した際、わずか数日間で完売させた例を挙げた。
ルノーグループCEOのルカ・デ・メオ氏はトップギアに、アルピーヌは正しい方向へ進んでいると語った。モデル末期を迎えているA110の販売が大きく伸びているという。「こうした取り組みには忍耐が必要だ。3世代が必要になる。現代はもはや忍耐が失われているがね。残価、販売網、そして文化をマネージしなければならない」
彼はF1にも忍耐強く臨むのだろうか? アルピーヌが中団を走っている現状で満足なのか? 参戦を続けることには確固たる財政的な正当性があるのか? それとも単に日曜日の午後にグリッドを歩き、映画スターと話すのが好きなだけなのか?
「特にアルピーヌのようなチームにとっては、情熱的な人々、つまりF1マニアからの信頼を築く必要がある」とデ・メオ氏は語る。「参戦できるのはわずか10チームだ。そこにいること自体が偉業だよ。私にとって重要なのは、この冒険を終わらせないことだ。それはアルピーヌプロジェクトの礎だ。我々にはそれができる経済力がある。私の仕事は、収益を上げ、投資し、社員に給与を支払うことだ」
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=海外の反応=
「今、私たちに必要なのは、新しい(完全な電気自動車ではない)A110だけ」
「このクルマ、すごく期待してたんだけど、フタを開けてみたらただV6に電気モーターを組み合わせるだけだって知って、元々のコンセプトだった左右に燃料タンクを備えた水素動力っていうのが完全に台無しになったよ。デザイン以外は別に目新しい点がない、単なるハイブリッドじゃないか。思うに、彼らは水素を製品スケールで実現できなかったんだろうね。本当に残念だ」
↑ Paul Horrell (※記事の著者)
「彼らは水素エンジン自体は実現できたんだと思うよ。問題は、燃料補給ステーションがないことなんだ。ヨーロッパでは高速道路に整備する計画はあるけれど、ハイパーカーを高速道路ばかりで走らせたい人がどれだけいるだろうか? アルペングローに水素エンジンを搭載した本当の理由は、レースでのテストだったんだよ。サーキットなら、高圧水素ボンベを満載したトラックを持ち込むのだって簡単だからね」