なんと、17歳の若き活動家が、ラグジュアリー・スーパーカーメーカーのマクラーレン・オートモーティブの最高経営責任者となった…。じつは、これ、国際ガールズ・デーを記念したもの。この活動の目的は、少女、少年に対して、科学や工学分野でのキャリアを奨励することにある。
マクラーレン・オートモーティブCEOの座をマイク・フルーウィットから引き継いだのは、ウェールズ出身のメイジー。これは、子どもの権利を守る活動を行う国際NGOプラン・インターナショナルと、マクラーレン・オートモーティブとの長期的なパートナーシップの一環として行われた。
プラン・インターナショナルが公開した新しい調査の中で、マクラーレンが着目するデータがある。イギリスの11-18歳の少女の4人に1人(25%)は、科学・技術・工学・数学(STEM)分野での進学や就職に挑戦したいと考えたことがあるものの、男の子の分野だと言われたり、否定的に見られることを不安に思ったり、メディアでは少年がやっているところしか目にしないので確信が持てなかったりした、と答えていることである。
また、メディアや友人、家族を通じて、「少女はSTEM分野が得意ではない」と聞いたことがある少女が半数近く(47%)に上ることも、この調査は示している。
「マクラーレン・オートモーティブのCEOとしての私の1日は、信じられない瞬間の連続でした。スーパーカーを作り上げる一員となれるのは感動的でした。多くの人が味わえることではありません」
「プラン・インターナショナルは、先入観を打ち破り、態度の変容を迫り、過去の教えを忘れ去るよう活動しています。というのも、多くの少女が、車ではなく人形で遊ばなければならないと考えていますが、そんなことはないからです」
「マクラーレン・オートモーティブとプラン・インターナショナルのこのパートナーシップは、少女にとって、STEM分野のキャリアを考慮に入れ、可能性をフルに実現しようというインスピレーションになります」
マクラーレン・オートモーティブ1日CEO、メイジー
メイジーの1日は、まずマイク・フルーウィットCEOからの引き継ぎで始まる。そこで、CEOの名刺とマクラーレンCEOのアクセスパスがメイジーに手渡された。
続いて、経営陣との戦略決定会議を率いたほか、マクラーレンに所属する多くの女性ビジネスリーダー、エンジニア、科学者、デザイナーと共同作業を行った。
その中でメイジーCEOは、スーパーカーのデザイン、エンジニアリング、製造、マーケティングといった工程のあらゆる側面について理解を深めた。また、マクラーレン・スーパーカーのハンドビルドを手伝い、最新ハイブリッド・スーパーカーであるマクラーレン アルトゥーラに、非常に重要なマクラーレンのバッジを仕上げとして装着した。
さらに、創業者ブルース・マクラーレンの娘でブランド・アンバサダーのアマンダ・マクラーレンとも会談。場所は、新しい企画展「マクラーレン:ドリブン・バイ・デザイン」を開催中のブルックランズ・ミュージアムで、スーパーカー720Sの実物大レゴモデルなどを見学。その後、トップシークレットである将来のスーパーカーのデザイン数点をCEOとしてプレビューし、マクラーレン GTの助手席でテスト走行も体験した。
「国際ガールズ・デーを記念して、マクラーレンの1日CEOとしてメイジーを迎えられたことは、私とマクラーレンのチーム全員にとって、楽しいと同時に価値ある経験となりました。彼女のアイデアや洞察、知性、そして紛れもない情熱は、ダイバーシティとインクルージョンのいっそうの充実を目指す私たちの努力を、さらに力強く加速させる後押しとなるでしょう」
「また、メイジーは、私たちが生み出すスーパーカーを支えている極めて刺激的で多彩な才能あふれる人々と出会いました。こうした彼女の活動が、自動車産業にまつわるジェンダーやスキルについての先入観を一掃する助けとなることを願っています」
「私たちとプラン・インターナショナルの取り組みは長期的なものです。嬉しいことに、メイジーがCEOとして主導した重要な決定事項の中に、マクラーレンがプラン・インターナショナルと共に取り組むと約束した活動がありました。STEM分野のキャリアを奨励するためにワークショップを開催し、少女の参加者を今後12カ月で100人に、2025年までに世界で1000人に拡大するというものです。これは、メイジーとマクラーレンの全員が心から誇ることのできるレガシーです」
マクラーレン・オートモーティブCEO、マイク・フルーウィット