時間がない人のための5時間東京モーターショーめぐり
うわわわわ、行こうと思っていた東京モーターショーが11/4で終わっちゃう。2,000円(前売りは1,800円)払って、ゆっくり家族と楽しみたかったのは気持ちはあっても、行けなかったのだという人もいることだろう。ここでは、ワールドプレミアを中心に5時間でまわれる東京モーターショー案内をお届けしたい。速報やインタビューなど、各メーカーにういての詳しくて深く切り込んだ記事は、他のサイトにたくさんあるので、そちらをどうぞ。
まず、チケットの買い方だが、いま改めて確認してみたところ、いろんな買い方があるのだな。利便性の高い方法でチケットを手に入れよう。面倒ならば、窓口で。
チケット販売情報:https://www.tokyo-motorshow.com/ticket/
最初、この記事を書こうとしたときに、今年は輸入車がほとんど参加していないし、3時間でめぐれる、というのでもできそうだと考えたのだが、行ってみてから、そりゃ無理だ、ということが判明。なぜなら、メイン会場と青海展示棟が離れているため。無料のシャトルバスは、そんなに利便性が高いとは言えず、何度も気軽に行き来できるというわけではない。電車の方が速い、と言っていた仲間もいた。当記事では、東京ビッグサイトから青海展示棟に一度移動するルートとし、メガウェブやオープンロードには足を運ばない。
まずは、有明の西ホールから。スズキのブースではパーソナルコンパクトPHEV「WAKUスポ」、モバイルルーム自動運転車「HANARE(ハナレ)」、軽クロスオーバーワゴン「ハスラー コンセプト」に注目。
ホンダでは、ワールドプレミアとなる新型「FIT(フィット)」のほか、ジャパンプレミアとして、2020年はじめに発売を予定している新型「ACCORD(アコード)」、そしてEV専用車の「Honda e(ホンダ イー)」を公開している。
ルノーでは新型ルーテシア、お隣のアルピーヌブースではA110 Sが初公開だ。
日産では、ニッサン アリア コンセプトと小型シティコミューターのニッサン IMkと、どちらもEVで勝負。
三菱ではMI-TECH CONCEPT(マイテック コンセプト)、SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT(スーパーハイト軽ワゴンコンセプト)をワールドプレミア。とくに後者は、激戦区であるスーパーハイトワゴン市場に、新世代軽自動車の第 2 弾の位置付けとして、本年度内の発売を計画しているとのこと。
南ホールに移動し、メルセデス・ベンツ。Mercedes-Benz VISION EQS、smart EQ fortwoがアジアプレミアで、Mercedes-Benz E 350 de、Mercedes-Benz V 220 d AVANTGARDE long、Mercedes-AMG A 45 S 4MATIC+ Edition 1、Mercedes-AMG A 35 4MATIC Sedanがジャパンプレミアとなった。トップギア・ジャパン027号でも特集されたA 45だったが、790万円とEdition 1が919万円ということで、11月から納車が開始されるとのこと。
マツダからは初の量産EV「MAZDA MX-30(エムエックス サーティー)」がワールドプレミアされた。
レクサスからは、電動化ビジョンを象徴するEVのコンセプトカー「LF-30 Electrified」。
アルピナは、ワールドプレミアのBMW ALPINA B3 Limousine Allrad (AWD)とジャパンプレミアのSUVクーペ、BMW ALPINA XD4 Allrad (AWD)も展示。アルピナは1987年以来、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災などもあったが、一貫して東京モーターショーに出展を続けている。同じくジャパンプレミアとなった新型B7 リムジンについて、0-100km/hが3.6秒と911 カレラよりも速く、さらに最高速度330km/hはマクラーレン 570Sより速い、と、パワー厨なところを強調し、プレスブリーフィング会場の笑いを誘っていた。とても魅力的なプレゼンで、クルマもキラキラ輝いて見えた。ということで、トップギア・ジャパンが勝手に選んだ「東モ2019 プレゼン大賞」は、アルピナブースだ。
さて、ここからは青海展示棟に移動だ。バスに乗って10分程度で、青海展示棟に到着する。いよいよトヨタブースに。事前情報など一切なく、もっとも期待して、トヨタのブースを見に行ったのだが、個人的にはがっかりした。トヨタが考えるミライのモビリティ生活が表現されているのだが、新型車などは一切ない。今回のトヨタブースは、抽象と具体のベクトルがあるとしたら、抽象方向に振り切った展示だと感じた。たいへん挑戦的であり、モーターショーなるものの既成概念を打ち砕くというような意志も感じられたが、昭和生まれのクルマ好きの中には、近い将来タッチできる具体性も必要だという人もいるのではないだろうか。ただ、斬新ではあるし、見方を変えれば、昭和の価値観に凝り固まった自動車メディアを含む人たちへの挑発とも感じ取れた。ブースの中にはコンビニなども設置され、子どもとゆっくり来ると楽しめそうだ。
青海展示棟には、三菱ふそう、日野自動車、いすゞ、UDトラックスなど商用車ブランドもまとまっており、スケールの大きな展示が楽しめる。
ダイハツブースでは、サプライズで市販予定の小型SUVが出品された。その他、「IcoIco」「TsumuTsumu」「WaiWai」「WakuWaku」の4台のコンセプトカーがユニークだ。
ラストはスバル。筋肉質な新型レヴォーグのプロトタイプが燦然と輝いている。市販モデルは2020年後半に日本で発売予定だ。そのほか、今年度内に生産終了となるEJ20水平対向エンジンを積んだWRX STI EJ20 ファイナルエディション、XVなど、スバル好きには見逃せない内容となっている。
以上、駆け足ガイドとなったが、輸入車の出展が少ない分、一つのブースをじっくり見られるという良さもある。時間があれば、自動車メーカー以外の展示も見たいところだ。日本だけではないが、モーターショーの意義が変わりつつある時代であることは確かで、次回の東京モーターショーがどういう形で行われるのかを予想するという意味でも、可能であれば、今回も足を運んだ方が良いだろう。
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