ホンダが次世代EV「0シリーズ」のローンチを突如として白紙撤回し、業界に衝撃が走る中、さらなる悲報が飛び込んできた。ソニーとホンダの合弁会社によるEV「アフィーラ(Afeela)」までもが、発売直前で開発中止に追い込まれたのだ。英トップギアが、ホンダの苦境とEV戦略の迷走を、イギリス特有の皮肉とユーモアを交えて鋭く切り込む。

数週間前、ホンダは発売まで数ヶ月に迫っていた「0シリーズ」(※2)の電気自動車のローンチを完全に白紙撤回すると発表した。当時、彼らは今後数年間の会計年度で最大2.5兆円の損失が見込まれると極めて正直に認めていた。なんてこった。
そして今回、また別のホンダ製EVが塵と消えた。合弁会社であるソニー ホンダモビリティ(SHM)が、「アフィーラ1(Afeela 1)」(※3)の開発中止を発表したのだ。
もちろん、アフィーラは2025年1月にカリフォルニアの顧客向けにプレオーダーが開始され、実際に販売はされていた。これらアーリーアダプター(早期購入者)たちは、彼らのソニー仕様サルーン(セダン)の全額返金を受けることになり、後続のSUVプロジェクトもお蔵入りとなった。
「2022年9月の設立以来、SHMはソニーとホンダの技術、専門知識、開発力を結集し、高付加価値のモビリティ製品の開発 販売、およびモビリティ関連サービスの提供を目指してきました」と、発表されたばかりの少し悲しい声明には記されている。
「しかしながら、2026年3月12日に発表されたホンダの自動車電動化戦略の見直しにより、SHMは設立当初の事業計画時にホンダから提供される予定だった一部の技術および資産を活用できなくなります」
「この変更を鑑み、SHMは当初の計画通りにモデルを市場に投入するための実行可能な道筋がないと判断しました」
ということである。ただし、声明ではソニー ホンダモビリティが今後の事業計画について「協議を継続する」と続いていく予定のため、もしかすると公道を走るプレイステーションが結局のところ手に入るのかもしれない…。
※2 ホンダ 0シリーズ(ゼロシリーズ):ホンダがグローバル展開を予定していた次世代EVのシリーズ。
※3 アフィーラ(Afeela):ソニー ホンダモビリティが開発していたEVブランド。最初のモデルのプロトタイプはつるんとした近未来的なデザインだった。
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ホンダが気になった方へ
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=海外の反応=
「驚いたよ。まあ、嘘だけど。このAppleのマウスみたいな代物に手付金を払った人が実際にいたってことは、もう人類に希望はないってことだな…」
「アフィーラ(Afeela)の熱意(Afeelings)も凍りついた(Afreezing)に違いない。
ホンダはフォード路線で行って、まともなEVを作るために他社のプラットフォームを使う羽目になるのか? すでにホンダ プロローグ(※4)でやってるけどな。
へえ、面白いね。ホンダ プロローグ、0シリーズへのプロローグ(序章)か。それをマイナーチェンジしてホンダ エピローグ(終章)って呼べばいいんだ。それは笑えると思うな」
「今後のホンダにとって、また一つ堅実な決断だな。終わりのない痛みを味わうより、涙で終わらせた方がマシだよ」
↑「堅実だって言い張るけど、EVプログラムを打ち切ってるメーカーはホンダだけだぞ」
↑「『今のところ』やってる唯一のメーカー、だろ」
↑「『これから先も』唯一のメーカーだよ。他も続くみたいな『今のところ』なんてあり得ない」
↑「前にも言ったけど、まあ見てみようじゃないか」
↑「前にも言った通り、事実がこの決定の異常さを明確に示してる。自分を騙し続けたいなら、どうぞご自由に」
↑「確かに不評な決定だね。でも、実際のところどうなるか待って、この決定の結果としての財政的損失をホンダがどう補填するかを観察する必要があるよ。君が異常だと呼ぶのは、そこに至ったすべての要因を知らずに結論に飛びついているだけだ。私が言いたいのは、ホンダがおそらく確固たる理由があってやったことであり、自動車業界の他の企業が今後数ヶ月間、彼らを注意深く観察することは間違いないってこと。ホンダがどんな代替案を持っていようと、それで成功すれば、他のメーカーも追随するんじゃないかな」
↑「120億ポンド(2兆5560億円)近く費やして、プロトタイプを作り、工場を建て、製造用のロボットやバッテリー技術を獲得し、従業員を訓練したのに異常だよ。結果は明らかで、そこまでプロジェクトが進んでいた時点でキャンセルするなんて、あらゆる意味で大恥だ。次のホンダの株主総会で、経営陣はこんな巨額の投資を帳消しにしたことで株主からボロカスにされるだろうな。
自動車業界の他の企業はEVを作り続けていて、ホンダのようにEVプログラムを廃棄するなんて言っているところは一つもない。ポルシェのようなメーカーは、低迷する市場を補うために、今のところICE(内燃機関)モデルの開発も続けて多様性を維持するかもしれないけど、EVを止めるわけじゃない。ルノーやBMWは、今後数年間にそれぞれ30以上の新しいEVモデルを作ると発表しているし、中国勢はEVに全力投球している。
ホンダは異端児だ。それに、ここからホンダはどうなると思う? 中国やヨーロッパのような主要市場は、PHEV(プラグインハイブリッド車)であってもICEの販売を完全に停止する時期について、法律で明確な一線を引いているんだぞ。ホンダは将来、EVを持っていなければ中国やヨーロッパのような市場で車を売れなくなるという問題に直面しているんだ。
確かに現在の市場は低迷しているけど、ホンダと同じレガシーメーカーであるルノーやBMWが示しているように、ホンダのような真似をしている企業は他にない。彼らはEVを減らすどころか増やしているし、EVのラインナップを強化しているんであって、打ち切ったりはしていない。『もし成功したら』なんて言えないよ。だって彼らは120億ポンド(2兆5560億円)を帳消しにしたんだから。それは成功じゃない。誰もホンダに追随しないのは紛れもない事実だ」
↑「君は現時点から見ている。私は約1年後という視点から見て、この先何が起こるか思案しているんだ。ホンダがこれを思いつきでやったなんて信じられないよ!
それに、ICEの締め切りに関する法規制は現時点でほぼ確定しているしね」
↑「いや、私は現時点から未来を見据え、他メーカーの動きや法規制を考慮して見ているんだ。ホンダが思いつきでやったわけじゃないからといって、それが悪い決定じゃないとは限らない。思いつきじゃなくても悪い決定が下されることはある。
法規制については、締め切りが存在して確定していることを君も認めているわけだが、そのシナリオでホンダはどうするつもりなんだ? その期日以降、ヨーロッパのような重要な市場ではもうICEは売れない。もしヨーロッパなどの市場で少しでも存在感を示したいなら、将来的にはEVのラインナップが必要だ。そうでなければ売ることができないんだから。
もしホンダが『将来的にはヨーロッパや中国での存在感は不要だ』と認めているなら別だけど、そんなわけはないと思う。だからこの決定は筋が通らないんだ。なぜなら、好むと好まざるとにかかわらずEVを再検討しなければならないか、あるいは市場へのアクセスを失うかのどちらかだからだ。ただそれだけの簡単な話さ」
「避けられないことだったな。今回の件では、難を逃れたのはソニーの方かもしれない。これらの車がEVだったからじゃなく、想像力もセンスも全く感じられない信じられないほど退屈なデザインだったからね。
ホンダに関しては…本当にアナス ホリビリス(※5)になりつつあるな」
「これって走るPlayStation 5のことか?」
「115億ポンド(2兆4495億円)が投資され、プロトタイプが作られ、ロボットを備えた工場が建てられ、バッテリー技術が獲得され、スタッフが訓練された。そのすべてをキャンセルするなんて、堅実な決断なんかじゃない。これは歴史的な大失態であり、ホンダがEV市場で存在感を示せなくなるってことだ。
ヨーロッパや中国の将来の法規制は、メーカーがEVを作り続け、ICE車を段階的に廃止する道を進ませるだけだ。EVプログラムを持たないホンダに対応する能力はない。これがホンダの完全な大失態じゃないと思うやつは、自分を騙してるだけだ」
「ホンダがF1、MotoGP、電気自動車…と至る所で失敗するのを見るのが大好きだよ」
※4 ホンダ プロローグ:ホンダがGM(ゼネラルモーターズ)のプラットフォームを利用して北米向けに開発した大型EV。
※5 アナス ホリビリス(annus horribilis):ラテン語で「悲惨な年」の意味。1992年に英国のエリザベス女王がスキャンダル続きの王室を嘆いて使ったことで非常に有名な表現。





