マセラティ横浜港北がオープンし、3台の限定車がお披露目された。奥山清行氏デザインのグレカーレと同仕様も注文可能だ。
マセラティは、新しいグローバルコンセプトを採用した国内最大級のショールーム「マセラティ横浜港北」を2025年2月14日(金)にオープンした。このショールームは、双日オートグループジャパン株式会社が運営し、最新の設備とブランドの世界観を体験できる新たな拠点となる。
マセラティ横浜港北は、国内最大級の敷地面積を誇る大型店舗で、イタリアンラグジュアリーとクラフトマンシップを革新的に表現した、新グローバルコンセプトが採用された空間だ。洗練されたサルトリア(’Sartoria’:仕立て屋)とオフィチーナ (’Officina’:工房)を融合させた空間を演出し、顧客は究極のグラントゥーリズモやスポーツカーをオーダーメイドできる環境に仕上がっている。最新の設備を備えたワークショップを併設し、EV車にも対応可能となっており、太陽光パネルを備えたカーポートを設置し、環境に配慮している。
この発表会では3台の特別な車両展示もあった。MC20 Cielo ロッソ ヴィンチェンテは、レースの歴史にオマージュを捧げる日本の顧客のためにチェントロスティーレが特別にデザインしたもの。1950年代に活躍した350Sからインスピレーションを受け、イタリア勝利の赤を基調としたデザインが特徴となっている。日本専用限定2台で、価格は48,860,000円。そして、MC20 レッジェンダは、世界で20台限定、日本に1台のみ導入で41,500,000円。かつてのレーシングカーMC12 GT1ビタフォンからインスピレーションを受けた特別仕様だ。グレカーレ Pureness of Asiaは奥山清行氏監修のもとFuoriserieとのコラボレーションで制作された世界限定1台の特別モデルだ。昨年9月に韓国で初めて披露され、今回が日本初公開となった。価格は25,500,000円。
マセラティ ジャパン株式会社 代表取締役 兼 日本・韓国統括責任者 木村隆之氏は次のように述べた。「マセラティがグローバルで展開する新しいコーポレートCIを採用した横浜港北は、目黒、新西橋に続く国内3点目のCIで、国内最大級の敷地面積を誇り、最新の設備を備えた新しい拠点です。ショールームとワークショップが一体となった大型店舗は、神奈川県全体からの集客を図る上で非常に大きなポイントとなります。最新の設備とサービスを通じて、イタリアンラグジュアリーを体験できる特別な価値を提供いたします。検査ライン1基と、最大3.7tまで対応可能な最新リフト3基が完備されており、重量のある電気自動車にも対応できます。環境への配慮として、太陽光パネルを備えたカーポートがあり、持続可能なエネルギーの利用を推進し、環境に優しいサービスの提供を目指しています」
双日オートグループジャパン株式会社 代表取締役社長 髙橋達雄氏は「マセラティブランドが最上級のラグジュアリーブランドであるという認識を新たにしました。高品質なサービスを提供するための設備、太陽光パネルを備えた環境への配慮をしています。グローバルコンセプトと最大級の設備を持つ店舗で、マセラティの新たな魅力を伝えたいです」という意気込みを語った。
そして、奥山清行氏によるグレカーレ "Pureness of Asia" のデザインコンセプトの説明が続いた。奥山氏は20数年来マセラティとのコラボレーションを続けており、過去にはピニンファリーナ時代にクアトロポルテやグランツーリズモのデザインを手がけた。奥山氏は自身を「常にマセラティファミリーの一部」と考えており、顧客目線でマセラティを見ているということで、マセラティに対する熱量が感じられた。この車は、マセラティのフォーリセリエプログラムを通じてオーダーできる1つのサンプルとしてデザインされた。つまり、顧客はショールームでこの車を見て、同様の仕様でオーダーすることが可能だということである。デザインのコンセプトとしては、よくある自動車のコンセプトカーのような派手なグラフィックではなく、街中でセダンとして乗りやすい、エレガントで洗練されたデザインを目指し、マセラティが持つグランドツーリングの価値を的確に表現することを課題とした。エクステリアでは、ボディサイドにはマセラティのロゴを配し、グラフィックはアパレルやファッション的なアプローチで設計されている。塗装にはデカールの技術を使い、グラデーションを表現している。ステッカーではなく塗装で表現することで、質感を高めている。ボディカラーには、MC20にも使用されているビアンコパウダーチェアという特別な色が採用されている。インテリアはMC20 チェロに使用されているアルカンターラを使用し、白とグレーのV字グラフィックをモチーフにしている。後部座席の作りや、フロントシート後部の革の扱いなど、細部にまでこだわってデザインされていまる。また、特徴的なのが、アジアの文化への配慮だ。「ピュアネス オブ エイジア」という名前には、アジア圏の陶器のような質感や肌触りを重視する文化への配慮が込められている。塗装で陶器のような質感を表現することで、マセラティの塗装技術と職人技をアピールしている。
ワークショップでは今後導入されていくであろうEV対応も万全。木村氏によると、この商圏は医師や弁護士も多く、マセラティの客層とマッチしているという。マセラティの新たな魅力を発信できるショールームができ上がった。