フェルナンド アロンソの望んだ”エクストリームな”アストンマーティン:V12、マニュアルのみのヴァリアント

これがフェルナンド アロンソの望んだ"エクストリームな"アストンマーティン:V12、マニュアルのみのヴァリアントだ。

「フェルナンド アロンソは君より速い」その有名な言葉通り、彼の速さへの消えることのない才能と電光石火のようなコックピットでのウィットだけでなく、この巨大なブロンズのスーパーカーがその証明だ。

この堂々たるブロンズのスーパーカーこそがアストンマーティン ヴァリアント(Valiant)と呼ばれるクルマだ。昨年発表された、最高出力こそ目を見張るほどだったが、派手さとレーシングカーらしさが欠けていたV12のヴァラー(Valour)よりも、さらに過激でタフでレーシーなマシンを求めたアロンソの要望に応える形で誕生したものだ。まさに我々が思った通りのマシンと言えるだろう。

だが、アロンソを生み出した時とは異なり、アストンマーティンは明らかにこのヴァリアントを作る際に型を破らなかった。まず、見た目はヴァラーとそっくりだ。そしてその前のヴィクターにも似ている。どちらの車も「気まずくなるほどダサい」とは誰も言わないだろう。

つまり、ヴァリアントは角張った威圧的なデザインと、人を威嚇するかのような外観は、ヴァラーからほぼそのまま受け継いでいる。ただし、いくつかの重要なアップデートが施された。もちろん、この一連の車のインスピレーションは、ずっと昔の、70年代後半にル マンを走ったV8ヴァンテージをベースにしたRHAM/1「マンチャー(Muncher)」というアストンマーティンのマシンにある。

「ナンド」がもしあの時代にV8でレースをしていたら、ぜひオンボード無線での音声を聞いてみたかったものだ。この車は恐ろしいほどの速度でブレーキディスクを消耗したため、「マンチャー(むしゃむしゃ食べるもの)」というニックネームがついた。

ということで、恐ろしいニックネーム、そして恐ろしい見た目。ヴァリアントのボディ全体はカーボンファイバー製で、見事に怒り狂った、まるでサメのようなノーズが低くてワイドで堂々とした筋肉質のシルエットを引き立てている。アストンマーティンは「ヴァリアントの完璧に彫刻されたフォルムの一インチ一インチは、美しさと空力性能の機能を果たしている」と述べている。我々は彼らがデザインに全力を注ぎ、ウィングを追加して空力性能をなんとか確保したのではないかと推測している。

見逃してないだろうか?ヴァラーからの変更点の一つとして、固定式リアウイングがある。これはもちろん、新しいフロントスプリッターと連携するように設計されており、空気の流れをコントロールして性能向上に役立てることを目的としている。しかし、我々は彼らがただ見た目を超怒りっぽくするために作ったのではないか、そして最高の結果を期待しているのではないかと思う。

空力性能へのさらなる取り組みとしては、フロントエンドのプラン、カーボンセラミックブレーキを冷却するための特殊な吸入口を備えた21インチのマグネシウムホイール用のエアロディスク(カーボンセラミックブレーキを冷却するための特別な吸気口付き、つまり技術的にはもはや「マンチャー」ではない)、そして新しいリアディフューザーが挙げられる。

気の利いた点として、一体型のクラムシェル式リアには、ヒンジ付きのスクリーンパネルがあり、ヘルメットや耐火服を収納できる小さなスペースが開くようになっている。あるいは、もしブレーキの入れ過ぎで休憩が必要になったり、さらにF1関連のミームを立ち上げたりするのに便利な折りたたみ式の椅子を置くこともできるだろう。

火といえば、エンジンだ。これは確かに「GP2エンジン」には負けないだろう。というのも、そもそもGP2はもう存在しないし、何よりこれは紛れもなく重量級のマシンだからだ。ヴァリアントのカーボンファイバー製の肌の下には、アストンマーティンの5.2リッターツインターボV12エンジンの改良版が搭載されており、745ps、753Nmを発生させる。これは先代のヴァラーよりも30馬力アップしたものだが、自然吸気のV12エンジンを搭載していたヴィクターよりも100馬力ダウンしている。

しかし、その怒号のようなエンジン音は、6速マニュアルギアボックス―そう、正真正銘のマニュアルだ―を介して後輪に伝えられ、モンスターカーボンセラミックディスク (フロント410mm、リア360mm) と特別なマルチマチック「ASV」ダンパー (アダプティブスプールバルブ) によって制御される。どうやらこのピカピカの新装備は、各ダンパーを「6ミリ秒未満で32種類の離散的なダンパーカーブのうちの1つに調整することができる」らしい。どうやらアロンソはすでにダンパー調整を試したようだ。「自分で試してみる」のがダンパーにとってはいいだろう。

つまり、モータースポーツ界で最も適応力のあるドライバーの一人であるアロンソのために、非常に適応力のあるモータースポーツレベルのサスペンションが搭載されているのだ。これらのASVダンパーのおかげで、アストンマーティンはヴァリアントのドライブモードを「スポーツ」「スポーツ+」「トラック」に再調整した。「ノーマル」がないのは、このマシンにはノーマルなところがないから。

そうだ、ヴァンテージと同じ「接着アルミ製スポーツカープラットフォーム」(つまり、ヴァンテージが使用しているもの)から派生しているが、もちろん大幅に改良されており、特注部品が使用されている。例えば、3Dプリントされたリアサブフレームは3kgの軽量化を実現している。そしてマグネシウム製トルクチューブは、車の中央部の質量をさらに8.6kg削減している。ホイールはバネ下重量を14kg削減している。バッテリーでさえアロンソ仕様で、モータースポーツ用ユニットを採用しており、なんと11.5kgもの軽量化を実現している。

サーキット走行をする前に、朝食の内容には気をつけた方がいいだろう。というのも、アストンマーティンは車内にもあらゆる軽量素材を採用しているからだ。サテン仕上げのカーボンファイバー、レカロシート、なんと「軽量内装」まである。アストンマーティンの「ユーモアセンス」には感心させられる。

新しい、より細身のステアリングホイールと、6速マニュアルのむき出しのギアリンケージがある。そうだ、4点式ハーネスのためのアンカーポイント付きのロールケージがあり、先代よりも軽量化された特注のドアパネルも装備されている。

「ヴァリアントは、限界まで攻めて走るという私の情熱から生まれたものです」とアロンソは語る。「我々は、傑作を生み出したと信じています」

この「傑作」は38台しか生産されず、当然のことながらすべてがすでに割り当てられており、価格は一台およそ200万ポンド(4億円)だ。しかし、「ナンド」ほど速くなくても心配する必要はない。速く走る人を撮影するカメラマンとしてのキャリアが待っているかもしれないのだから。

ブガッティ ボリード/ケータハム プロジェクトVの真実/日本のDAMD/プリウス:トップギア・ジャパン 061






=海外の反応=
「アストンがこのスタイルで普通の市販車作らないの、マジ残念。目立つけどアメ車とは全然違うじゃん。なんか、仕立てのスーツに特注の革手袋つけたヤクザみたい。変な訛りだけど育ちがいい。必要なら殴るけど、99%の問題は厳しい口調で解決するタイプ」
「ヴァリアント、ヴィクター、ヴァルカン。アストンマーティンがRAF冷戦時代のVボンバー3機全部作っちゃったな」
↑「マジで高すぎ。これが唯一の障害だわ。欲しい奴ほとんどが買えねーよ。いつもの事だけど、ガチのコレクターと金持ちに「完売」だしな」
「自動車版のエ◯スの極みだわ。最高」
「ヤバいくらい美しい車」
「ホイールがマジで最高」
↑「9枚目の写真よく見ろよ。リムに被せた平らなカーボンカバーだけだぞ。本当のリムはよく見えねーから、どんなタイプやスタイルかわかんねーよ」
「端的に言うと…ダサい」
「ノーマルのヴァラーよりずっとカッコいいな。ヴィクターみたいにサイドマウントのマフラーつけりゃよかったのに」
「AIが生成したCGみたいだな」

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