書評:富士重工業 技術人間史 スバルを生んだ技術者たち スバルが誇る“独創の技術”の源流

書評コーナーは、富士重工業 技術人間史 スバルを生んだ技術者たち。スバル創立70周年記念、スバルが誇る“独創の技術”の源流がここにある。

当時の富士重工業が、社内記録と従業員教育などの目的のために非売品として製作した“幻の本”があった。それを底本として“独創の技術”の源流を築きあげた当時の技術者たちの軌跡を詳細にまとめたドキュメントだ。

国民車的な存在としてモータリゼーションに貢献したスバル360や水平対向エンジンを搭載したスバル1000などの開発の経緯や過程が掲載されており、具体的に何を考え、何を重視し、どう対応していったのかが克明に記されているのは貴重だ。さらに、それぞれのエンジニアの苦悩なども行間からにじんでくるので、読み応えのある1冊である。

底本となった本は、前述したとおり富士重工業の社員教育用として作られた『富士重工業技術人間史』だ。本来であれば一般公表できるはずもないのだが、編集者の熱意と様々な“縁”によって実現した。更に写真に関しても国立科学博物館持つ公共化された写真データを借りることができ、本文に収録しているクレイモデルや試作車などの写真を収めることができたという。

本書は、2005年刊行の同書の本文の再確認を施し、史料として当時の車両カタログを使用した口絵を追加して、装丁を一新したものである。(内田俊一)

富士重工業 技術人間史 スバルを生んだ技術者たち
編者:富士重工業株式会社 編集委員会
発行:三樹書房
定価:3,850円
ISBN978-4-89522-808-4

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