書評:STI (スバルテクニカインターナショナル) スバルと歩んだ激闘の35年

書評コーナーは、STI (スバルテクニカインターナショナル) スバルと歩んだ激闘の35年を紹介。STI設立35周年記念として刊行された。スバルのモータースポーツ部門でもあるSTIの歴史を語る。

スバルのモータースポーツ部門の活動やパーツ販売だけでなく、カタログモデルもラインナップするSTI(スバルテクニカインターナショナル)。創設は1988年なので、今年で35周年を迎えた。本書はSTI全面協力のもとその軌跡を振り返ったものである。

STIは2021年、BRZでスーパーGTのGT300クラスでシリーズチャンピオンを獲得したほか、ニュルブルクリンク24時間レースなど積極的にモータースポーツに参戦。その理由を同社のステートメントでこう語られている。「激しいレースほど、人へのやさしさが問われてくる。誰が運転しても快適な走りでなくては、24時間にもわたる長時間のレースは戦い抜けない」と。マシントラブルがないのは当然としても、疲労によりドライバーの集中力が途切れたり、乗りにくさなどがあると完走が難しくなるばかりでなく、クラッシュに繋がりかねない。そこでSTIは、「どこまでも自由に操る歓びと、いつまでも疲れない心地よさを届けること。それがわたしたちSTIのミッションだ」と語っており、これは、カタログモデルにも通じる思いである。

そのSTIが今年で35年を迎えた。本書はSTIのこれまでの活動について、当時の担当者への取材や豊富な写真資料などを駆使して、その足跡をたどるものだ。

実はSTIが設立されたのはマーケティングの一環だったようだ。それ以前からスバルはモータースポーツに積極的に参戦してきており、それがイメージ戦略に繋がると考えたようだ。他メーカーにモータースポーツ部門もあったことも子会社化への後押しになった。そこから1989年にはFIA公認、“スバル レガシィ”10万km連続走行世界速度新記録223.345km/hの達成をはじめ、1993年にはWRC ニュージーランドラリーでレガシィ初の総合優勝を獲得するなど、華々しい成績を残していく。しかし、その裏には多くのエンジニアをはじめとした車両開発に携わった人たちの血のにじむような努力があってのことだ。本書はそういった人たちに取材し、現場の生の声を記した貴重な一冊だ。

尚、本書は2018年刊行の同書にその後の5年間の情報と、STIの業務・運営に従事されている方々の序文を新たに追加収録した、増補四訂版として刊行されたものである。

また、STI設立35周年記念刊行として、装丁を愛蔵版として改めた、箱入りの特別限定版も350部限定で製作。専用の外箱の表面には1997年にスバルのWRC3連覇に貢献した「SUBARU IMPREZA WRC97」の写真を収録し、さらに表紙は特別愛蔵版専用の白基調の装丁とされた。特典として、2019年のニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝を果たした「SUBARU WRX STI」の特製カード(総監督を務めた、辰己英治氏の直筆サイン入り)を添付。最終仕上げは全てハンドメイドで行ない、シリアルナンバーNo.001~No.350の検印が貼付されている。(内田俊一)

STI (スバルテクニカインターナショナル)スバルと歩んだ激闘の35年 増補四訂版
著者:モータースポーツジャーナリスト 廣本 泉著
発行:三樹書房
定価:5,280円 (特別限定版:7,480円)
ISBN978-4-89522-793-3 (特別限定版:ISBN978-4-89522-794-0)

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