新型メルセデス・ベンツ EQE SUV:2030年までに100%電動化を推進

メルセデス・ベンツから新型EQE SUVが発表され、今後の電動化戦略について説明がなされた。

メルセデス・ベンツから新型EQE SUVが発表され、代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏、営業企画部部長の上野麻海氏、メルセデス・ベンツ グループ社取締役会会長のオラ ケレニウス氏によるプレゼンテーションが行われた。とくに、ケレニウス氏からは、メルセデス・ベンツのグローバルな電動化戦略について俯瞰した説明を聞くことができた。

まず、新型EQE SUVから。2モデルあり、EQE 350 4MATIC SUV ローンチエディションが13,697,000円、EQE 53 4MATIC SUV ローンチエディションが17,070,000円となる。航続距離は最長で528km。今回特筆すべきは、その小回りの良さ。ホイールベースが3,030mmとセダンに比べて90mm短くなり、最大10度のリアアクスルステアリングが標準装備となっている。その結果、最小回転半径は、コンパクトカー並の4.8mだ。

インテリアはメルセデスらしく、豪華仕様だ。MBUXハイパースクリーンは、左右のAピラーの間に設置されたダッシュボードをほぼ埋め尽くす、大型で曲線的なスクリーンユニットだ。1枚のカバーガラスの奥には3つのディスプレイが配置され、まるで一つのスクリーンに統合されたように見える。このほか、ゼロレイヤーデザインを採用し、触覚フィードバックや力覚フィードバックといった直感的なタッチ操作が可能だ。ガラスは耐傷性に優れた素材を使用し、さらに簡単な清掃ができるようにコーティングが施されている。MBUXハイパースクリーンは、コックピットディスプレイ(画面対角サイズ:12.3インチ)、有機ELメディアディスプレイ(17.7インチ)、有機ELフロントディスプレイ[助手席](12.3インチ)の3つのディスプレイを1枚のガラスで覆い、大きなスクリーンとして実現している。

さて、メルセデス・ベンツの日本に導入済みの電気自動車を言えるだろうか。都市型SUVのEQA、多様なライフスタイルに対応するEQB、オールマイティなEQC、ビジネスセダンのEQE、フラッグシップモデルのEQS、そして7人乗りのラグジュアリーSUVのEQS SUVと、計6車種の電気自動車を日本に導入している。そこに今回のEQE SUVが加わり、7車種、12モデルで、これは国内最多モデル数だ。さらに、昨年12月にはメルセデス・ベンツとして、世界初の電気自動車専用ショールームを横浜にオープン、今秋には東京・青山にオープン予定だ。2023年第2四半期におけるメルセデス・ベンツ グローバルの電気自動車販売は、前年の実績に比べて123%増加し、つまり約2倍以上の成長を遂げた。日本においても、2021年には約1,000台だった電気自動車販売台数は、2022年には2倍の2,000台を達成。2023年についても、7月の時点で既にこの数字を上回る成長が見られ、持続的な成長が期待されている。

ブランドポジショニング、製品ポートフォリオ、成長戦略、技術戦略、産業戦略など、6つの柱に基づく戦略的な再重点を置いている。特にこの10年間は、ゼロエミッションへの移行と電気自動車の成長を促進することが重要だ。センシング技術やAIを駆使したソフトウェアなどの革新は、より自律的な運転のユースケースを可能にし、自動車におけるデジタルの可能性を広げている。創業の父、特にカール ベンツのアプローチに従い、私たちは最初の発明を再構築している。今年度、メルセデス・ベンツは新技術、研究開発、設備投資、工場、グローバルなマーケティングおよび販売網のために150億ユーロ(2.4兆円)の大部分を割り当てている。

化石燃料に依存する自動車会社をルーツとするメルセデス・ベンツは、「アンビション2039」を設立した。これは、2050年よりかなり前に移行を達成することを目指すもので、2039年までにバリューチェーンの完全な脱炭素化を約束するものである。しかし、作業の大半はこの10年間で達成しなければならず、2030年までに各市場が許す限りで各モデルの100%電動化を目指している。
世界的に見れば、今年は前向きな進展を見せている。バッテリー電気自動車の売上高は、最初の6ヵ月で倍増した。この勢いは有望だが、市場の状況や課題については依然として現実的だ。充電インフラを確立し、電気自動車用の持続可能な原材料サプライチェーンを構築することは大きな課題である。前途は一直線ではないかもしれないが、ゼロエミッションの達成という戦略目標は明確である。

今回、日本にEQE-EQSファミリーの4番目のメンバーのような新型車の投入は、重要な役割を果たすだろう。SUVセグメントは過去数十年にわたって一貫して成長してきたし、その強さを認識している。セダンのラインナップを魅力的なSUVのオプションで補完している。メルセデスの最高級車は、Sクラス、GLS、EQS、AMGモデル、マイバッハ、そして個性的なGクラスなど、製品ポートフォリオの頂点を形成している。日本はこれらの高級車にとって重要な市場であり、顧客の高い評価を反映している。2024年には、多くの新車が発売される予定であり、そのすべてが最高級車セグメントに適合するものだ。例えば、最近発表された新型AMG GTは、ユーティリティと革新的な機能を追加し、このニッチへの私たちの献身を示している。ミュンヘンで開催される国際自動車ショーでは、エキサイティングな発表が控えているという。これからの電動化が楽しみだ。

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