メルセデス・ベンツ EQシリーズにAMGが登場 761psのEQSと687psのEQE


メルセデスAMG EQSとEQEの発表会が開催された。AMG初の市販EVは、EQSを大幅にパワーアップしたものである。

メルセデス・ベンツでは、EQC、EQA、EQBと電気自動車であるEQシリーズを日本に導入してきた。今回、さらにEQSとEQEが仲間入りすることになり、発表会が開催された。トップギアが好きな人たちにとって何よりも注目されるのは、EQSとEQEにAMGが加わったことだろう。電気自動車のAMGバージョンとは、どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

その前に、今回発表されたモデルと価格についてお知らせしておこう。右ハンドルのみのEQE 350+は1,248万円、左右ハンドルが用意されたメルセデスAMG EQE 53 4MATIC+が1,922万円。そして右ハンドルのみのEQS 450+は1,578万円、左右ハンドルが用意されたメルセデスAMG EQS 53 4MATIC+が2,372万円。

AMGのEQSはRACE STARTモードにすると、761ps、最大トルク1,020Nmにパワーアップする。これは、80%以上の充電が残っている場合、0-100km/h加速3.4秒、最高速度249km/hを意味する。AMG仕様の標準的なEQSは、最高出力658ps、最大トルク950Nmを発生する。それでも0-100km/h加速は3.8秒だ。なお、標準の450+だと、333psとなるが、航続距離はなんと700km。これは日本で販売されているEVの中では最長だ。

まずはEQSから。アファルターバッハのスタッフは、新しいパフォーマンス志向のモーターを装着することでパワーの数値を高めた。最もパワフルなモーターはリアアクスルに搭載され、AWDシステムはSportまたはSport+モード時にリアにより多くのトルクを送る。AMG GT 4drと同様のエアサスペンションシステムや、カーボンセラミックにアップグレード可能な高性能ブレーキも装備されている。

回生ブレーキは3段階あり、バッテリーは標準のEQSと同様、107.8kWhの容量が使用可能だ。AMGは、このバッテリーで601kmの航続距離を実現できると考えている。ただし、信号待ちのたびにレーススタート機能を使用する場合は、おそらく無理だろう。コンフォートモードは航続距離を最適化し、200kWの充電は15分で186マイル(300km)の充電が可能であることを意味する。

もちろん、これはフル装備のAMGであるはずだから、サウンドはかなり重要だ。その点、AMG SOUND EXPERIENCEと呼ばれるものには、特別なラウドスピーカー、「シェイカー」、サウンドジェネレーターが搭載されている。うるさいな。それは体験してみるまで判断は保留だ。

EQSの後輪操舵はそのままで、内部の輝かしいハイパースクリーンも健在だ。ハイパースクリーンはほぼ標準装備のままだが、AMG専用のスクリーンがいくつか追加されている。また、スポーツシートとナッパレザーで覆われたホイールも装備されている。

エクステリアは、大型のリアスポイラー、AMG専用グリル、21インチまたは22インチのアルミホイールが追加されたものの、0.22という印象的な空気抵抗係数を維持している。

次にEQE。メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+は、RACE STARTモードにすれば、最高出力687ps、0-100km/h加速3.3秒という驚異的な速度が実現する。アウディ RS e-tron GTのようなものだ。350+の方は、292psだが、航続可能距離は624kmと、こちらも安心できる。

EQEの「EVA2」プラットフォームには、AMGの要求に合わせて特別にチューニングされた2つの電気モーターが各アクスルに1つずつ搭載されている。技術的には、「適合する巻線とラミネート、大電流、特殊なインバーター」となる。リアモーターは6フェーズ設計で、どちらも「高反発サーマルコンセプト」を採用し、フラットアウトを繰り返しても大丈夫なように配慮している。

この2つを駆動させるのが、EQEの90.6kWhモーターで、選択したドライブモードに応じて特定の出力に調整することができる。例えば、SlipperyとComfortでは出力がそれぞれ50パーセントと80パーセントに制限され、Sportでは90パーセント、Sport+とRACE STARTだけは100パーセントのフル出力の恩恵を受けることができる。

さて、数字はもういい。EQE AMGには、AMGのアダプティブ・ダンピングに加え、AMG専用のホイールキャリア、サスペンションリンク、より硬いアンチロールバーが装備されている。AMGによれば、このセットアップはAMG EQSやAMG GT Four-Door Coupeのセットアップとほぼ同等だという。ダンパー自体も、乗り心地の良さとハンドル操作のダイナミックさを両立させるためにチューニングされている。両車ともリアアクスルステアリングも装備している。

インテリアでは、AMGシート、バッジ、ペダル、マット、レッドステッチ、AMGパフォーマンスステアリングホイールなどが装備される。また、メルセデスの巨大な「ハイパースクリーン」もオプションで用意されており、これは基本的に車幅いっぱいに広がるディスプレイだ。

日本仕様の特別な機能として、車外へ電力を供給できる双方向充電が可能になっている。いざというときに、蓄電池として利用ができるのだ。107.8kWhのEQSが約7日分、90.6kWhのEQEが約6日分となる。

メルセデスHQによれば、近いうちにAMGの電気自動車が登場するとのこと。AMGのボス、フィリップ シーメルは、「2つの新しいモデルによって、私たちは純粋に電気で動くパフォーマンスカーのラインナップを拡大し、さらなるターゲットグループに対応しています」と述べている。

「EVA2をベースにしたハイブリッド車や電気自動車のAMG派生モデルに続いて、そう遠くない将来に、AMGの電気自動車が登場する予定です。これらは、完全に自社開発された新しいプラットフォームであるAMG.EAをベースにしています」と付け加えた。

12月には横浜にEQの専売拠点もオープン予定ということで、ますます活況を呈しているEQシリーズ。電気自動車にもAMGが登場することで、パフォーマンスEVのジャンルがまた面白くなってきそうである。

なお、10月2日(日)まで東京の六本木ヒルズ、2022年10月8日(土)~2022年10月10日(月・祝)に大阪のグランフロント大阪にて、「Mercedes-Benz Brand Exhibition」の展示イベントが実施される。EQE、EQSほか充実したラインナップの実車が間近に見られるので、ぜひ行ってみよう。

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