ベントレーのコンチネンタル誕生70周年と、名車を継承していく重要性


ベントレーモーターズジャパンが、コンチネンタル誕生70周年を祝し、埼玉県加須市のワクイミュージアムにて9/25(日)に歴代コンチネンタルの特別展示を行った。前日まで大荒れの天気であったが、イベント当日は快晴となり、歴史あるベントレーがより輝いて見えるように感じた。

2022年は、初めて「コンチネンタル」という名前を付けた「Rタイプコンチネンタル」が発表されて70年を迎え、そのスピリットやデザインは現在のモデルまで脈々と継承されている。ワクイミュージアム所蔵のRタイプコンチネンタルをはじめS1コンチネンタルから最新のコンチネンタルGTスピードまで合計6台のコンチネンタルモデルがヘリテージエリアに展示されていた。

そして、もう一台がシルバーのS1 コンチネンタル(1955-1966)。1955年にRタイプから代替わりしたSタイプ(S1)に、スポーティなボディのためのシャシー「コンチネンタル」が設定されたものだ。H.J.マリナー製のファストバッククーペも、ごく初期には用意され、Rタイプと同じくジョン ブラッチリーがデザイン作業を主導したボディは、Sタイプの近代的なボトムラインと組み合わせることで、モダナイズを果たしている。機構面でもRタイプから進化を遂げ、改良型のS2でV8エンジンを初搭載。同じH.J.マリナーが製作する4ドアの「フライングスパー」など複数のボディも設定され、現在に至るベントレーの定型を確定した傑作となる。ちなみに、S2 コンチネンタル フライングスパーをEV化した記事を、トップギア・ジャパン 044で展開しているので、そちらもどうぞ。

目立っていたのは、会場入口に展示された茄子紺のコンチネンタルR(1991-2002)。66年に生産終了となったS3コンチネンタル以来久々のベントレー専売モデルだった。Rタイプ・コンチネンタルの精神を90年代当時の最新技術で蘇らせた一台である。「ネパール」という社内コードネームとともに開発されたコンチネンタルRは、ターボRのコンポーネンツを流用し、エンジンはV8OHV・6747ccユニットをターボ化し、ベントレー初のフロア式4速AT変速機が組み合わされた。

今回のこのコンチネンタルの特別展示はワクイミュージアムが定期的に行っている「名車継承販売会」のイベントの一環として、来場者にコンチネンタルシリーズのこれまでの歴史と魅力を知っていただくために行われたものだ。ミュージアムエリアではベントレーのスポーツ・マインドにテーマを絞った名車継承販売会として、1920年台から1930年代(W.Oからダービーの時代)のベントレーを中心に集め、展示・販売を行った。

ワクイミュージアムの涌井清春館長にお話を伺った。
「ワクイミュージアムではロールス・ロイスとベントレーを中心に、その文化や歴史をお伝えし、次の世代へ継承していくという活動を行っています。クルマは動くことで価値があると考えていますから、持ち込まれたクルマは専門の工場でメンテナンスをし、動態保存しています。そして、状態の良いクルマを継承していくという循環機能は、ワクイミュージアムにしかできないと自負しております。名車継承販売会も3回目を迎えました。回を追うごとに来場者数も増え、今回は、コンチネンタルの展示を行ったベントレーモーターズジャパンと協力して、より大きなスケールでイベントを行うことができ、嬉しく思っています。名車を継承する活動をこれからも続けて参ります」

会場には、意外にも若い世代の姿が多くあった。仲間と一緒に、あるいは一人で、名車を真剣な眼差しで見て、スマホに納めていた。場内には資料館もある。一人でも多くの人がベントレーやロールス・ロイスの歴史に触れ、次の世代への継承につながることを願ってやまない。

ワクイミュージアム
https://www.wakuimuseum.com

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2022/09/54100/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ