ヴェノム(Venom) F5ハイパーカーは、一般公開の準備が整ったが、まだやらなきゃいけないことがあるようだ。先日、F5のチーフエンジニアであるジョン ハインリキーは、時速270マイル(435km/h)以上での走行ができることによって、このクルマに正式なサインをした。ああ、これでいいんだよな。
これで、最高出力1,817psのターボチャージャー付きV8ハイパーカーの技術開発は完了した。高速走行、ブレーキテスト、サスペンションの検証を経て、ヘネシー社は24台のカスタマーカーの製作を開始することになったのである。めでたし、めでたし…かと思いきや。
「F5の最終検証では時速270マイル(435km/h)をクリアし、年末に向けて時速300マイル(483km/h)への旅を続けるつもりです」と、ボスのジョン ヘネシーが語っている。そう、彼らはまだ時速300マイルというマジックナンバーを追い求めているのだ。
しかし、技術開発が終了したということは、F5の特別仕様車や、3トンを超える追加パックのようなものが登場するのだろうか?いや、そうではない。ジョーズの言葉を借りれば、もっと大きな滑走路が必要なのだ。
ヘネシーの広報担当者は、時速300マイルを出すには大きな滑走路が必要であり、そのために顧客のクルマを使いたくないとTGに語っている。だから最初の一握りの顧客がF5を手にした後、ヘネシー社は自社用にもう1台、時速300マイルのテストミュールとして使用するために製造する予定だ。2022年末は、その全速力を実現するのに適した時期だということである。
そうこなくちゃ。「カスタマーカーの生産では、年間12台を完成させる予定です」とヘネシー氏は言う。合計で24台しか製造されないが、1台あたり210万ドル(2.6億円)のコストになるため、その分も計上されている。
「フューリー(怒り)」のニックネームを持つ6.6リッターの改良型ツインターボV8は、1,812psだけでなく1,617Nmのトルクを発生し、8,000rpmでレッドゾーンだ。そのサウンドは、少し怒っているようにも聞こえる。さらに、ヘネシーが「F5には、Track Packの強化に加えて、文字通りこの世のものとは思えないようなサプライズをいくつか計画しています」ということもわかっている。
F5が目指すのは…まさか、宇宙?
=海外の反応=
「ついに…遅れはAMG Oneとほぼ同じになりつつある。このクルマは483km/h(300mph)が出せるクルマではなく、435km/hのクルマで終わりそうな気がする。「テストのための十分なスペースがない」というのは、何かちょっと怪しい。何年もかけて開発されたのだから、このクルマの主な主張を検証する場所をいろいろ探してきたんだと思うのだが。ネバダ州やボンネビル ソルトフラット(塩の平原)でさえも」
「ヘネシーを信用する人なんているんだ?」
「申し訳ないが、時速300マイル(483km/h)を出すまでテストは完了しない。それがこのクルマのセールスポイントのすべてだから。でも、この手のクルマには、もうまったく飽き飽きなんだ。開発には時間がかかり、時速300マイルはまだ達成できていないし、達成できるかも疑問だ。ハイパーカーとしてはつまらないと思う」
↑「ホント、こういった見せかけの大言壮語は聞き飽きた。もし、衝突試験や排ガス規制をクリアした市販車として公になっていなければ、市販車としての世界記録を主張することはできないということ」
「435km/hは出るかもしれないが、それじゃ全く動じない。個性も魂もない、数字に追われる者だ」
↑「あなたがヨーロッパ人かどうかはわからないけど、私はヨーロッパ人だ。アメリカ人の車に対する情熱の中核にあるような、純粋なスピードの狂気を理解するのにいつも苦労している。だが、率直に言って、私はこの種のプロジェクトに、フォルクスワーゲンがヴェイロンに込めたものよりもはるかに多くの魂を見られる」
↑「プロジェクトに魂を、だね…。この人たち、車の設計も製作もしていないんだよ。すべて英国で行われた。それに、写真で見る限り、テキサスのチューンショップと本物の自動車会社を混同してはいけない。この車にはエアバッグが1つもないし、どう考えても合法的な市販車じゃない。どの国でも公道走行不可。アメリカも含めて」
↑「世界のスーパーカー/ハイパーカーメーカーが、誰が一番速いかを争っているというのは、大間違いだと思う。ブガッティは10年かけて2回走ったし、ケーニグセグも同じことをした。それがすべて。子供の頃のロマンチックなイメージや車のポスターが、実は最高の車ではなかったということを受け入れなければならなかった。
でもね…。テキサスのチューニングショップにいる人たちが、実際にワールドクラスのハイパーカーを作ったとしたら、それは素晴らしいこと。私はそれに大賛成だ。なんという話だろう。なんという功績だろう。でも、それが余計に不愉快なんだ。物語はいつもおとぎ話なのだから。60年代のフォード GT40から今日に至るまで。誇大広告と現実は決して一致しない」
↑「ゴードン マレーでない限り、誇大広告と現実は決して一致しない。理由は2つあって、彼の車は素晴らしいし、誇大広告ではなく、ただ好きだからだ」
↑「ゴードン マレーは、自分がいなくなった後もずっと存在し続けるブランドを築いているのだから。彼は、単に数台の車を売って、無名になろうとはしていないのだ。これが、他の連中には理解できない部分なんだ。アメリカのビッグビジネスとは、手抜き、抜け道、安い労働力、第三世界の製造業を利用して億万長者になること。アメリカの大衆向け製造業の全能力とマンパワーは、本当の価値をほとんど何も生み出さない。それは自動車に限ったことではない。アメリカの高級品や最高級品のブランドを思い浮かべることができるかどうか、トライしてみて」