イギリスだけじゃないけど、道路を走るときには道路交通法に書かれていない暗黙のルールがあるよね?

子ネズミがテーブルマナーを学ぶのは、大きなネズミからだということをご存知だろうか?えー、うそー!本当なんだよ。90年代に行われたクロネズミの研究で、松ぼっくりの最もきれいな食べ方は、遺伝的ではなく、社会的な模倣によってネズミの世代に受け継がれることが証明された。ネズミの赤ちゃんは、何も知らずに年上のネズミからマナーを教わるってことだよね。

コーンウォール地方の二車線道路で救急車に追い越されたとき、この重要な情報が私の脳裏によみがえった(一緒に思い浮かべてもらえると、励みになる)。そうそう、A30を東に走っていたら、ブルーの2台の救急車に追い越されたんだ。救急車の運転手は、それを見ていた。救急車は僕から離れるように道を登っていった。

そして、ハンバーガー・ヒルの麓に到着(本来の名前ではないが、コーンウォールでマクドナルドが珍しかった時代から、中腹にマクドナルドがあったので、ハンバーガー・ヒルになった)。長く、急な坂である。救急車は、時速70マイル(113km/h)、65マイル(105km/h)、60マイル(97km/h)と、労を惜しまずスピードを落とし始めまた。私は後ろから敬意を表して距離を保つ…。時速55マイル(89km/h)、50マイル(80km/h)、45マイル(72km/h)。たぶん、特別体の大きな患者が乗っているのだろう。その患者を取り囲んでいるのは、特別体格のいい家族や親しい人たちだ。

時速40マイル(64km/h)、35マイル(56km/h)、30マイル(48km/h)。車道は3車線に広がっていた。追い越すスペースは十分にある。救急車が丘の上に着くまで 何時間もかかるだろう。だが同時に…ピーポーパーポーライトとサイレンのついたワゴン車は追い越せないよね?だって、もし、追い越した瞬間にタイヤがパンクして、中央分離帯に突っ込んだらどうするんだい?ニュースや新聞でどんな見出しになるか、想像してみてほしい。

礼儀正しいのは私だけじゃないよ。誰も追い越さないんだ。ハンバーガー・ヒルの途中から、救急車の後ろに時速15マイル(24km/h)で走る車が50台ほど列をなしている。すると後方にいたらしいアウディ A5が、この状況に明らかに気づかないまま、外側の車線を爆走してきた。彼は行列の先頭に立つと、状況を把握し、ブレーキを踏んで、「そゆことだったのね、すんません…」とばかりに恥ずかしそうに集団に合流した。

これは、A)歯医者の予約時間が迫っている私にとって最悪のニュースであり、B)コーニッシュ・ヒルの脇で行われた本物のミルグラム実験(閉鎖的な状況における権威者の指示に従う人間の心理状況の実験)という、奇妙な魅力に満ちたものだった。

その後、道路交通法を調べてみた。サイレンが鳴っている救急車を追い越すのは、安全に追い越すのであれば、まったく合法であることがわかった。でも、道路交通法に書かれていることが問題じゃないよね?クラクションを鳴らすのが礼儀正しい場合と失礼な場合、2車線が1車線になるときに合流しなければならない正確な位置、交差点で手を振って人より先に行くのが道徳的に義務付けられる場合とそうでない場合など、道交法に書かれていないけれど拘束力のある道路上の社会法なのだ。誰もが知っているようで、知らないルール。

こんなこと、誰も教えてくれなかった(少なくとも私には教えてくれなかった。もしかしたら、救急車を追い越すときのマナーについてしか話さない人もいるかもしれないけど)。私たちは何も考えず、無意識のうちにそれを吸収してきたのだ。私たちは多感な子ネズミで、大きなネズミが松ぼっくりをかじるのを見て、具体的には学ぶことなく学び、気づかないうちに吸収しているのです。

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