【トップギア試乗】フォルクスワーゲン ID. バズ:ついに真打ちの電動バンが参上!

ちょ、ちょ、ちょ、待って、この塗装はID.バズの純正品なの?VWがヒッピーをターゲットにしているとか?
安心して、この姿は、フォルクスワーゲンが3月9日に電気自動車の新型ID. バズ(Buzz)を正式に発表するまでの、カモフラージュに過ぎない。しかし、コンセプトから大きく逸脱することはないだろう。2トーンペイントも用意されている。

さて、その結果は?7人乗りのフルキャンパーバン?
まだ、確定情報は出ていない。5人乗りのID.バズと、フロントに3席、後ろに空洞を設けたID.バズカーゴの2種類が発売される予定だ。将来的には、他のバージョンも発売されるけれど、2024年までには発売されないだろう。そして、より多くの座席数と多用途性を備えたロングホイールベースバージョン、おそらくより大きなバッテリーとツインモーター/4WDのセットアップ、そして待望のカリフォルニアキャンパーが登場することになるだろう。VWがそう呼ぶつもりなら、だが。

じゃあ、クールなものはまだなくて、5人乗りのMPVだけ?
どうやら、そのようだ。でも、他のファミリーカーと比べたら、見た目も中身も全然違うよ。まず、MPVが欲しくなる可能性があると思う。

基本的なことは、次のとおり。プラットフォームはID.3、ID.4と同じMEBだが、スケールアップが可能なので、現行カラベルと同じ2,988mmのロングホイールベースだ。両側スライドドア。77kWhのバッテリーから207ps/309Nmのモーターを供給し、リアアクスルを駆動させるというパワートレインは、他のIDから拝借している。VWはまだ航続距離を語っていないが、355-370kmあたりを見込んでいる。荷物を積んだら、145km/hの最高速度ってところから、実質240kmくらいが限度だろう。

つまり、現行のT6 カラベルと同じサイズってこと?
そう。カラベルは現在、段階的に廃止されているので、ちょうどいいんだ。トランスポーターとカリフォルニアバージョンは継続されるが、VWは、内燃エンジンを搭載したピープル・キャリアを望む人たちに、より小さなMQB基盤をベースとする新しいT7マルチバンを現在紹介しているのだ。ちょっと、不思議な決断のように思えるけどね。

続けよう。カラベルと一致するホイールベースだが、オーバーハングが小さいので、バズは、全体的に約200mm短い。車高も30mm低くなったが、車幅は約60mm広くなった。全長4,712mm、全高1,937mm、全幅1,985mmとなる。

SUVの基準でいえば、室内はマッシブだ。SUVのトランクが600リットル前後のところ、これは1,121リットルもある。広くて四角い空間だけど、カラベルほど大きくないのは明らかだ。ボディフレームが太いので、ねじれ剛性と洗練性には優れているが、室内空間は狭くなっている。あと、後部座席の3シートは、どちらかというと普通で、60:40のスプリット・ベンチだ。これは、スライド、フラット折りたたみができ、VWは、擬似キャンピングカーとしても使えるようにするためにマットレスを提供している。

なぜキャビンの写真がないの?
エンバーゴのためだよ。私はほとんど見ることができたんだけど、ダッシュはカバーで覆われていた。印象としては、後席に座っている人は十分満足できるだろうけれど、やっぱり、前席が重要なポイントになる。前方の景色は、とても魅力的だった。直立したフロントガラスははるか遠くまで見渡せ、背の高い三角窓に囲まれていて、まるでサッカーのゴールを覗き込んでいるよう。ガラスに囲まれているように感じると思うよ。

ドライビングポジションはカラベルよりもリラックスしており、ステアリングがもう少し手前に来て、ペダルに対して低い位置に座れる。両側にはアームレストがあり、カラベルが距離を走るのにとても快適なクルマであることを証明している。ダッシュボードの下を覗くと、質感の高い仕上げと収納を備えた、とてもクールなダッシュボードがある。フロントシートの間には取り外し可能なマルチファンクションチェストがあるが、椅子そのものはまだ回転しない。これもまた、さらなる機能性の向上が期待される。

現時点でIDバズに欠けているのは、「T5/T6バンは便利でフレキシブルだから買った、あるいは改造した」というような人たちへの視点だ。今のところは、よりオーソドックスなファミリーユースをターゲットにしているように感じられる。メインストリームの販売台数を確保してから、専門分野に特化するってことかな。

さらに2つほど。テールゲートマウントラックに自転車を載せることができなくなる。50kgの荷物を載せることができた超強力な支柱がなくなってしまったのだ。バズには電動テールゲートがあるけれど、モーターはラックを押し上げるほど強くはない。そのため、バイクはトウバーラックに載せて移動することになる。VWがその解決策を用意してくれることを期待したい。そして、そのトウバーは、旧カラベルが2,500kgを牽引できたのに対し、1,100kgしか牽引できないのだ。

詳しいね
だって、私はT6を所有しているから。これは私にとって重要なことなんだ。でも、カラベルをパワートレインの品質で買う人はいないだろう。ディーゼルの信頼性と経済性はともかく、滑らかさや静粛性ではね。電動パワーには驚かされる。スポーツタイプのEVとは異なり、これは「電動パワートレインが意味をなす車」と記されたカゴにそのまま入るヤツだ。楽々とスムーズで、まったく静かで、扱いやすく、レスポンスがよく、トルクフルで。

そう、207psで十分なのだ。背の高い直立したファミリーカーにふさわしい、ディーゼルを凌駕する速さだし。これ以上スピードが欲しくないと思うほど速く、加速がシャシーより先に出て問題を起こさないほどには遅い。制限速度145km/hが十分速いかどうかは疑問だけど。特にドイツで設計され、製造され、販売されている車としてはさ…。

ハンドリングはどう?
カラベルよりはるかにきちんとしている。カラベルは、他のバンと同様、前輪に重量がかかっているため、積載スペースを最大限に確保できた(タイヤの摩耗が激しくなる傾向がある)。バッテリースケートボードは、重量配分を均等にし、重心を低くするのに役立つ。その結果、バズはよりきれいに、より平らに、よりコントロールしやすいコーナリングを実現した。後輪駆動というのも、VWの初代バンのようなもので、引っ張られるというより、押されるような感覚がある。その証拠に、乗り心地はよく、静かなクルージングが楽しめる。11.0mの最小回転半径は、このサイズのマシンとしては驚くほどタイトだ。

まさに、あなたが求めていたものだね。報告すべき問題点は?
ID.3やID.4と同じインフォテインメントを採用しているけど、このクルマは9月に上陸する量産車に搭載される予定のベータ版ソフトウエアを搭載していた。反応はよく、メニューのレイアウトもよくなっていた。しかし、ヒーターコントロールのスライダーに照明がないため、夜間の温度調節は文字通り暗闇の中で行うことになる。

便利な機能は?
自宅で充電できること。当たり前だけど。あるいは、自宅での充電に使うこともできる。バズには双方向の充電機能が搭載され、蓄電デバイスとして機能することができるんだ。安い電気で充電しておいて、ピーク時にあなたの家に戻ってそれを放電するんだ。

また、インフォテインメント、充電方法、ドライバーアシスタンスなどのソフトウエアアップデートが、無線で行われる予定になっている。しかし、IDバズには、オリジナルのVWバンをヒットさせたサーフバンの雰囲気を取り入れることが必要だ。これは、旅を楽しくするものでなければならない。

どれだけのコストがかかるのだろう?
VWは、それがカラベルとほぼ同じ費用がかかるって言ってる。つまり、最低価格が50,000ポンド(785万円)を超えだろう、ってこと。だから、充実装備のスペックだと60,000ポンド(940万円)くらいの予算を見といたほうがいいかも。しかし、現在、ほとんどのSUVはそれくらいの相場観だ。アウディ e-トロンやメルセデス・ベンツ EQCなんかは別にして。それに歴史的に見てもVWのバンは、はるかに減価償却に強いと言える。

財務的なこと以上に、これは将来のための明るく賢いソリューションに見えてこない?前にも言ったけど、IDバズはSUVの終焉の始まりの合図になりうるだろうか?初代ルノー エスパスのように、自動車革命を起こすことができるだろうか?気取らず、アグレッシブでもなく、ファミリーカーに求められる最大の贅沢である空間を提供することに長けているのだ。電気自動車の時代には、新しい形、新しいスタイルが必要だよね。

ドクターアロマランス

=海外の反応=
「子供たちの頃にこれがあれば…と思う。まあ、子供向けだね。今はもう大人だし。でも、子供3人の家族向けにMPVを作った実績は、グランセニックとグランピカソにあった幅の同じ3つの個別シートだった。また、それに近い感じだったプリウス+もあったね。真ん中のシートが少し狭いので、とにかく子供たちの誰も乗りたがらないシートが一番快適っていう。トヨタの技術者自身が子供を持つか、家族に聞くことを考えていればよかったんだが、あの車は本当にタクシー用で、5番目のシートは使うつもりはなかったんだろう。普通の車と、このほぼMPVと同じように。3等分のシートは、チャイルドシートを安全に取り付けるため、ラゲッジスペースを有効に使うため(スライドして個別にたためるので)、そしてとにかく子供を大切にするために最適だった。それがなければ意味がない。ディーゼル微粒子を出して子供に喘息を与えても、あと数ユーロ儲かればいいという考え方と同じだよ」
「ヒップスターの乗り物だ」
「SUVじゃないところがいい。もっと面白くするためのクールな機能を搭載して発売されなかったのが残念。それ以外は、どちらかというと地味な印象がある。他のIDによく似たインテリアダッシュが搭載されるんだろうけど、これはあまり良くないと思う。私はID.3に座ったことがあるけど、6年前の7代目ゴルフと比較すると質感は最悪だったな」
↑「VWがリサイクルしているのはアイデアだけ」
「見た目は、コンセプトと比較して、ご自分で判断を。しかし、もしインターフェースがID.3/4と同じで(私は4に乗っている)、航続距離が370kmしかないとしたら、本当にVWを心配しちゃう」
「硬質プラスチックだらけ。助手席用に工夫があるかと思いきや、そうでもなく…残念」
「頑張って、実際に購入できるように。と、トゥアレグ Rの注文が44週目(10月)に製造されると知らされた人が言っている-注文は去年の9月に出しているんだから!「半導体不足」なんて言い訳は通用しないのだ…」
「5年間使用したら、リサイクルのために売却。私の高価なMacは、5年前の時点でバッテリーが80%の効率でしか動作していないと表示されているが、実際には新品の時と比べて現在の充電持続時間からすると30%の効率でしか動作していないのだ。
今世紀に私が所有し、定期的に使用してきた他のすべての最新の電池式機器 - 電池の故障やソフトウェアの不具合で使い物にならなくなった機器が、大きな箱いっぱいに入っている。ダイソン、サムスン、アップル、LG…。ありとあらゆる製品がそうだ。
そして、隣人は、5年目のテスラを日産に乗り換えた。テスラは素敵だが、街乗り用としてしか使えないし、誰も修理できないようなコンピューターの故障を繰り返し、彼女の私道で使われていない間に自らのバッテリーが使えなくなってしまったからだ。
最近のVW製品の大半は3年リースで販売され、返却されるとリサイクルに回されるのだという。そして、この記事の中では、バッテリーについては一切触れていないことにお気づきだろうか。しかし、現在のEVはすべて、テスラが使っているのと同じ古いラップトップバッテリーを使い、ラックに積み上げられ、継続的に監視ソフトウェアが作動している」
↑「しかし、私が他のところで読んだところでは、自動車のバッテリーは、あなたが期待するようなスピードで劣化していないようなんだ。ほとんどの場合、10年使っても性能は落ちないと考えられている。確かに、5年後にあなたが考えているようなレベルまで落ちているわけじゃなさそう。
バッテリーの寿命は、複数の要因によって決まってくる。充電の仕方も大きな要因だ。ノートパソコンや携帯電話を長時間接続したままにしていたり、急速充電を常時行っていたりすると、バッテリーの劣化が早くなる。メーカーもそれを承知で、80%までの充電時間を提示しているのだ。この最後の20%を急速充電で行うと、バッテリーの寿命が短くなる。自動車の管理システムは、その割合になると、バッテリーの寿命を保つために、電気を取り込む量を遅くするようにプログラムされている。
だから、劣化は予想されることだが、このような悲観論は議論に建設的なものではない。また、3年落ちのリース終了車がリサイクルに回されるのはどういう世界なのだろうか?中古車市場向けのオークションハウスに送られるのだ。私の会社のように、多くの会社がパンデミックのために、長くリース車を保有しなかった場合、通常そうなる。チップ不足もあって、最長で6年前のクルマになっちゃうことも」
「電動マルチバンの方がカッコイイ名前だよね。以上」
「申し訳ないけど、美的にこれはつまらないし、かわいくてスタイリッシュだったオリジナルやプロトタイプとは全然違うよ。また、航続距離も人里離れた場所でキャンプをするために作られた車としては、半分程度ってとこ。そして、他の人もおっしゃる通り、インフォテイメントシステムはID車並みに酷い。VWよ、もう一度挑戦してください」

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