ブゥオーーーーン!勢いよく始動したのは、ランボルギーニ アヴェンタドール LP 780 ウルティメ(Ultimae)のV12エンジンだ。アイドリング時の落ち着きとの対比が魅力的だ。電動アシストなしのランボV12の終焉でもあるが、本日日本で初披露された。Head of Japanのダビデ スフレコラ氏による説明でも「聞いてすぐに、ランボルギーニの自然吸気だとわかる、美しいサウンド」と表現されていたとおりに、取材陣の耳を喜ばせてくれたのである。
1963年の350 GTから始まった由緒あるV12エンジンは、6.5リッターで、780ps、720Nmを発揮する。これはアヴェンタドール SVJよりも10ps高く(アヴェンタドール Sよりも40ps高く)なっているが、ウルティメはかつてのニュルブルクリンクのラップレコード保持者よりもわずかに重くなっている。0-100km/hは2.8秒と言われており、350km/hまで加速することができる。4輪駆動、4輪操舵である。
スタイリングについては、SとSVJの要素を取り入れている。例えば、SVJの固定翼はないけれど、エグゾースト/ディフューザーは残しているほか、フロントへの空力負荷を高めるために縦方向の空力性能がSVJに似せた特別なフロントバンパーコンセプトを採用している。インテリアは、「コンフォート」仕様のシートや美しいアルカンターラをふんだんに使用した、より豪華なアヴェンタドールSに近いものとなっている。
クーペ350台、ロードスター250台限定で発売されたウルティメだが、予定数は完売しているそうだ。自然吸気のV12のみを搭載した最後のランボルギーニのロードゴーイングモデルとなるのだから、当然だろう。アヴェンタドールの後継車は、今年初めにCEOのステファン ヴィンケルマン氏が言っていたたように、V12を使用しつつ、プラグイン・ハイブリッドになる。アヴェンタドールは、これまで、50周年記念や、ヨウジヤマモトとのコラボなど、日本独自モデルも企画されたほど、日本では絶大な人気を誇っている。今日聞いたV12サウンドは最後になるだろうが、未来は新しいパワートレインで、きっと別の魅力を見せてくれそうなアヴェンタドール。未来のサウンドが、新しい伝説を生んでいくだろう。