世界限定1台のヨウジヤマモトのランボルギーニ アヴェンタドール Sを手に入れた人物とは?

「そりゃあ、手に入れるしかないでしょう?だって、世界に一台のAventador S “dressed” by Yohji Yamamotoなんですから」と、嬉しそうに語ってくれたのは、木村武史氏だ。彼こそが、オーナーなのである。今回は、ランボルギーニ 麻布ショールームで行われた、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」とのコラボレーションによるAventador Sの納車式の取材に行き、ご本人にお話を伺うことができた。

木村氏は、収益不動産の事業展開を行っている株式会社ルーフとスーパーカーエンターテイメントCARGUYの代表を務めている。スーパーカーエンターテイメント「Car Guy(カーガイ)」では、ランボルギーニ・スーパートロフェオやスーパー耐久などをはじめとしたさまざまなレース活動を⾏っている。2015年のランボルギーニ公式ワンメイクレース スーパートロフェオに「CARGUY RACING」として自らステアリングを握り参戦し優勝し、今年は、スーパーGTやル・マンにも参戦予定だ。世界に一台のこのクルマを、どうやって手に入れたのだろうか。

「知らせを受けたのは、昨年の11月頃だったと思います。価格もわかっていませんでしたが、とにかくほしいと思いました。価格は、皆さんがアヴェンタドールの特別車といって思い浮かべる数字よりも、だいぶ上です。でも、私にとっては、このクルマは芸術作品なんです。そう思えるのなら、全く高いと感じませんでした」

最終的には木村氏が購入したわけだが、海外からも含め、他にも希望者は複数いたという。そりゃそうだ。世界的ファッションデザイナーの山本耀司氏のブランド「Yohji Yamamoto」とのコラボレーションから生まれ、赤と黒を貴重としたカラーに、漢字が書かれたエクステリアは、海外での受けはバツグンだろう。アウトモビリ・ランボルギーニのアド・ペルソナムチームが、500時間以上という時間をかけて、このアイコニックなピースオブアートを作り上げた。海外のランボルギーニファンが食いついてくるのも、わかる。だが、今回は日本のオーナーに販売することになっていた。

「でも、正直に言いますと、最初にこのクルマを見たのは六本木のTHE LOUNGE TOKYOだったのですが、そのときには、あまり心に刺さってこなかったのです。でも、3度目に見たときは、路上でした。そのときに、このクルマの魅力に取り憑かれました。なぜだろう、と考えてみたところ、THE LOUNGE TOKYOは、ランボルギーニの世界観が凝縮された、完成度の高い空間だったのです。そこで見るAventador S “dressed” by Yohji Yamamotoは、デザイン要素同士がバッティングし、特別感が薄れてしまったのではないでしょうか。でも、街の中にこのクルマが置かれているのを見たとき、その存在感に圧倒されました」
なるほど。聞けば木村氏は、レース仕様車はもちろんのこと、現行のランボルギーニの市販車に関しては、特別仕様車なども含め、たいてい入手しており、日常使いをしているという。「ランボルギーニなら、どんなシーンでも合うんです。仕事で銀行にランボルギーニでも行ってますからね」見事なランボルギーニ愛である。

納車式では、ランボルギーニ麻布の茂野拓ゼネラルマネージャーおよび飯塚健二セールスマネージャーからキーや説明書が木村氏に手渡された。そして、クルマと同デザインの、Yohji Yamamotoのボンバージャケットがプレゼントされるというサプライズも用意されていた。木村氏は、普段でもYohji Yamamotoの服を着ることがあるというので、これには大喜びしていた。

「実際に乗れるようになるのは、4月くらいだと思いますが、今からどこに行こうか楽しみにしています。現行車両だけでなく、ミウラなど、旧車にも興味がありますから、いつか手に入れたいですね。でも、その場合でも、観賞用に置いてあるのではなく、きちんとレストアして、乗り回すんです。私は、小さい頃に映画『キャノンボール』に登場するランボルギーニを見て、そこから人生観が変わったほど、影響を受けました。今回の世界限定一台を手に入れ、さらにランボルギーニへの思いが強くなりました」

もしかしたら、コンビニの駐車場に止まっているランボルギーニ Aventador S “dressed” by Yohji Yamamotoが見られるかもしれない。

(写真:佐藤 亮太)

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