ベントレーが車速に合わせたインストを作曲して流してくれるデモを実行

アダプティブ・ミュージックなんて、聞いたことがない、という人も多いはず。このたび、大規模な研究開発テストを経て、ドライバーの入力や運転スタイルに応じてサウンドトラックを作曲する機能を備えたベントレーのデモンストレーションが行われた。この車は、リアルタイムでインストゥルメンタルミュージックのライブ演奏を生成してくれるのだ。

アダプティブ・ミュージックの分野で業界をリードするライフスコア社との提携により、リラックスしたグランドツーリングからダイナミックな道路でのエネルギッシュで活発なドライブまで、刻々と変化する運転状況やドライバーのスタイルに合わせた音楽を提供することを目指している。

ベントレーとライフスコア社は、車両からの入力(エンジン回転数や加速度など)がリアルタイムで楽曲に影響を与え、運転状況に応じて常に適応できるようなアルゴリズムを共同で開発している。このようなドライバーと車両と音楽の真の同期は、業界初の試みだ。

車両からの信号は、その車両がどこでどのように運転されているか、またどのような状況下にあるかに応じて、独自のサウンドスケープを作り出す。音楽を聴いて旅の気を紛らわすのではなく、車自体がインストゥルメンタル・サウンドトラックを作曲して旅に参加することができるようになった。

ライフスコアは、世界的に有名なアビーロードスタジオで、世界的なミュージシャン、現代楽器、クラシック楽器、そして最先端の技術を駆使してレコーディングされている。すべてのオーディオ要素は、50本以上のマイクを使用したフルアンビソニック(フルスフィアサラウンドサウンド)オーディオで収録されており、将来起こりうるあらゆるフォーマットに対応している。未来の車内では、音が可能な限りいい音質でどの方向からでも出るように設計することができる。

膨大なオーディオデータと音源を含むサウンドバンクライブラリーからは、60分のドライブで銀河系の星の数よりも多い1,000億以上のユニークな音楽トラックを作曲することができる。

職人技と最新の技術を駆使して最高の品質を提供するベントレーとの提携により、ライフスコア社は先日、ビジネスクラウドの2021年メディアテックイノベーター賞を受賞した。

この革新的なアプローチは、人間が作曲した音楽と演奏された音楽を組み合わせ、それを車が必要に応じてアルゴリズムで再現し、クラス最高のキャビンを介して提供するものである。

作曲家やミュージシャンが音楽素材のビルディングブロック(セル)を作り、それを車両が選択、組み合わせ、重ね、配列して、最終的な音楽をリアルタイムに生成する。その結果、反復的で合成的なサウンドになることなく、長時間聴いてもユニークな、無限に変化する表現が可能になる。

例えば、コクーンモードで音楽を再生すると、街中でのワインディングでは、音楽がゆっくりと展開し、巡航速度に達すると、音楽が持続して深く落ち着く。一方、エンハンスド・ドライビング・モードでは、トランスミッションの変化や加速度、トルクなどを感知して音楽が反応し、よりエキサイティングなものとなり、ドライビングスタイルとサウンドが一体となったハイテンションなオーディオ体験を提供する。人工知能を用いたソフトウェアは、ドライバーのために音楽を作る際の反応を最適化する。

アルゴリズムは、一貫性を最大化し、セルの繰り返しの最小化し、その他のAI技術により、テーマとバリエーションが流れるように作曲されるように設計されている。したがって、人間が作曲した1時間分のセルが、実質的に無制限の時間の音楽を生み出すことになる。

今回のベントレーのデモンストレーションは、ベントレー初の完全なバッテリーEV車に向けてシステムを開発するために必要なベースラインデータを提供する。

https://www.bentleymotors.jp

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