限定車ヒットの秘密が凝縮されたフィアット 500X インディゴ

ここ2ヶ月連続で過去最高を更新しているFCAジャパン。ジープ、フィアット、アバルト、アルファロメオと、それぞれ個性豊かなブランドが集まっているおかげで、幅広い顧客層を持っている。中でも、限定車戦略が好調だという。そんなビジネスモデルの成功の要因の秘密を探り出すべく、フィアット 500X(チンクエチェントエックス) インディゴに試乗することにした。
限定車なので当然だが、各車種とも100-200台と、設定数はそう多くない。この500X インディゴも150台限定のモデルである。500X(チンクエチェントエックス)に、ブルーのマット塗装や18インチアルミホイールを採用しているのが特徴のSUVで、価格は3,470,000円。

全長4,280mm✕全幅1,795mm✕全高1,610mmの500X インディゴは、初見、思っていたより大きく、どっしりとしていて、存在感があった。どうも、小さくてカワイイ500のイメージが頭の中に強く残っていたようだが、こちらは全くの別物。頼りがいのある一台といったところだ。
ボディカラーには、デニムをイメージしたマットジーンズブルーを採用。光沢感を抑えたマットの淡いブルーは、500シリーズ同様にインスツルメントパネルにもあしらわれ、車内でもボディカラーが楽しめる。クルマを購入する際に、ボディカラーを悩み抜いた末に選ぶという人もいると思うが、たいていのクルマは、運転中ボンネットくらいしかボディカラーを視界にいれることができない。ところが、この500X インディゴなら、目に入れるどころか、スイッチ周りやグローブボックスの使用によって、移動中に触れることも可能である。とくに500X インディゴは、ベース車の「500X クロス」にはないマット仕様なので、その特別な感触をブラックレザーシートに座りながら味わい続けられるのは、オーナーにとって幸せなことではないだろうか。
エンジンは排気量1,331ccの直列4気筒ターボユニットを搭載し、最高出力151ps、最大トルク270Nmを発揮。6速乾式デュアルクラッチのオートマチックが、ゆとりあるパワーをスムーズに伝えていき、SUVらしい、安心感のある走りに仕上がっている。そして高速道路や、流れの良い道路では、ストレスなく加速することができるのも、ポイントが高い。標準モデルより1インチサイズアップした18インチの10スポークアルミホイールに225/45R18のタイヤが組み合わされ、ルックスもさることながら、走りの面でも、ほどよいスポーツ感を与えてくれる。500Xには、19インチタイヤを履いた「500X スポーツ」のモデルもあるが、そちらはスポーツSUVに振り切っており、この500X インディゴだと、ちょうど中間のポジションに位置するので、限定車といえど、ストライクな人も多いのではないだろうか。SUVを選ぶ人は、スペースが広く、人や荷物が運べるというのが前提にあり、その上で、スポーツ性能や、燃費、安全装備が気になるのだろうと思う。この500X インディゴは、13.4km/L(WLTCモード)の低燃費、アダプティブクルーズコントロール、レーンデパーチャーウォーニングなど、都市型SUVユーザーのニーズをしっかりと捉えている。

ボディカラーのマットジーンズ ブルーだが、実車を見ると、とても落ち着いており、ライトが煌めく都市の夜景がよく似合う。昼間に見るとシックで、街中の渋滞で止まっていても、悪目立ちすることは決してない。このボディカラーであれば、仕事に使用しても良さそうだ。大人4人がゆったりくつろげる車内空間や、後席への乗り降りや荷物の積載に便利な5ドアの利便性がある。どちらかというと都市型SUVだと思うが、山や海やアウトドアでも十二分に楽しめる。不思議なことにこの500X インディゴは、乗っていると、どんな人に好まれそうなのかが伝わってくる。男性あるいはユニセックス系が好みの女性、あるいは夫婦で、街中での使用が大半だけれど、たまにはドライブ旅行に出かける…。ターゲットユーザーの絞り方がピンポイントで、的確がゆえに、そこにあたった対象者は「これこそ自分が求めていたクルマ」だと感じて、惹かれていくのだろう。かくして試乗を終える頃には、フィアットをはじめとしたFCAの限定車が好調な理由がはっきりとわかり、500X インディゴのキーを担当者に返却することができたのである。

写真:近藤暁史

https://www.fiat-auto.co.jp/limited/500x-indigo/

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