2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、ベントレーはブランド史上最大規模となる展示とデモ走行を行う 。会期中の4日間で35台を超える車両が投入され 、1926年製の初代スーパースポーツから、680PSを叩き出す最新のハイブリッドモデルまでが顔を揃える。英国が誇る最高峰のラグジュアリーと暴力的なパフォーマンスの融合が、由緒正しきヒルクライムコースを席巻する。
英国の夏といえば、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードである。泥とガソリンの匂いが入り混じるこの由緒正しき車のお祭りに、ベントレーは今年、小さな村ほどの規模の要塞を築くことにしたようだ。総面積500㎡、2階建てのホスピタリティラウンジを用意し 、約500名のVIPゲストを招き入れるという 。さらに、ゲストを運ぶためだけに20台もの専属ドライバー付き車両(ショーファーカー)を稼働させる。もはやフェスティバルというより、一種の王族の移動劇である。
今回の目玉の一つは、極端な「新旧対決」だ。ベントレーはスーパースポーツ誕生100周年を記念し、1926年製の初代スーパースポーツ(愛称「Smoky」)をヒルクライムのコースに解き放つ 。このお爺ちゃんマシンは、1928年のル マン24時間レース優勝車と同じ4.5リッターエンジンを積み 、1930年代にはブルックランズサーキットで40回以上もレースに参戦したという生粋の武闘派だ 。これが最新のスーパースポーツと共に走る姿は、歴史の教科書が時速100キロで突っ走ってくるようなものだろう。
一方で、現代の狂気も負けていない。ジムカーナ動画でトラビス パストラーナが振り回した特別仕様車「Supersports: FULL SEND」が、英国で初めてダイナミックな走行を披露する。
もちろん、最新の市販モデルラインアップも抜かりない。
新型コンチネンタルGTS: ハイパフォーマンスハイブリッドを搭載し、最高出力680PS、最大トルク930Nmを発生 。0-100km/h加速は3.5秒、最高速度は約307km/hに達する 。
新型フライングスパーS: こちらも680PSを叩き出し、従来モデルから約20%の出力向上を実現 。さらに、1962年以来初めて、セダンモデルにシングルヘッドランプデザインを復活させている。
そして、ベントレーといえば度を越したクラフツマンシップだ。マリナー部門の職人が約56時間もの手作業を費やして完成させる「オンブレ(グラデーション)ペイント」が公開される 。車体の片側から反対側へ色が変化する「サイド・トゥ・サイド」のグラデーション や、縦方向に色が変化するペイント など、お抱えの板金屋が泣き出しそうな複雑な塗装技術である。
100年前のクラシックカーから、680馬力の最新ハイブリッド、そして56時間かけた芸術的な塗装まで。ベントレーは今年のグッドウッドで、彼らがただの高級車メーカーではなく、エンジニアリングと職人技の限界に挑み続ける狂気を秘めたブランドであることを、我々にまざまざと見せつけるつもりのようだ。
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