先日、創設者の1人であるカスタムビルダー、ベニー トーマスのインスピレーションを盛り込んだ日本限定モデル「BENNYʼS.LTD.×JAPAN GT-SR 250」で話題を呼んだMUTT。これまでにない、黄色いタンクにはMUTT MOTORCYCLESを表す「MMC」という文字とスパナを咥えたイヌのイラストレーションが施され、遊び心のなかにもカスタムビルダーとしての誇りと情熱を感じることができる。ベニーは「人生を豊かにしてくれるバイク」とこのモデルを表しているが、それはMUTTの全モデルにも当てはまる言葉である。今回はそんなオーナーの豊かな人生をサポートするディーラーMUTT埼玉北を訪れ、代表取締役の大関貴史さんに販売店の魅力についてお伺いしてきた。
カスタムの最終形はMUTT
OZ-Garageが運営するMUTT埼玉北は東北自動車道の蓮田スマートインターから車で数分の大宮栗橋線と呼ばれる県道3号線沿いに位置する。電車ではJR宇都宮線の「白岡」駅が最寄りとなるが、その販売エリアは埼玉のみならず仙台以南の群馬、栃木、茨城全域までをカバーするMUTTの正規ディーラーである。
店舗の前にはハーレーを中心としたカスタムモデルや人気の旧車が並び、店内にもおよそ50台ものバイクが所狭しと展示されている。MUTTは入口に一番近いエリアに5台ほど展示されているが、大関代表によればこの展示方法はMUTTを取り扱うようになってから気付いた戦略に基づくものだという。
大関代表はこれまで国産を取り扱うディーラーに勤めていたが、2019年に独立し、2021年からMUTTを取り扱うようになった。小さい頃からバイクをいじり、メカニックとしてのキャリアをスタートさせたバイク一筋のプロフェッショナルである。
現在も店舗ではカスタムハーレーと旧車を多く取り扱うが、新車を取り扱うことでビジネスの幅を広げたいと考え、探し当てたのがハーレーのカスタムビルダーが創業したMUTTというブランドだった。アメリカとイギリスという国の違いはあれど、その両ブランドのカスタムにかける情熱や、親和性の高さ、そしてバランスよく完成されたモデルが手頃な価格で提供できることに魅力を感じMUTTのビジネスを始めることとなった。「カスタムを始めた人の最終形は結果的にMUTTのようなスタイルになりますね」と大関代表は微笑む。
当初は、その価格帯の違いからカスタムハーレーに手の届かないお客様や既納客へのセカンドバイクとして紹介することを考えていたが、蓋を開けてみればMUTTのお客様は全くこれまでと違うことに気づく。
まずはこれまでは来店しなかった20-30代の若者が多く、しかも女性客まで店を訪れる。そして免許をまだ持っていない人やそもそもバイク屋さんに入ったことのない人も多くいた。そこで大関代表はMUTTを入口に近くそして外からでも眺められる位置に戦略的に展示することにした。
ドアを開け、店の奥まで入り、スタッフと話さないとバイクが見られないという初心者にとっては高いハードルを下げたのだ。ちょっと立ち寄って外から眺めるも良し、足を踏み入れて店内で見るも良し、過度な接客などもないのでお客様のペースで自由に過ごせるのもここのディーラーの魅力である。
MUTT埼玉北に訪れるお客様の特徴はバイクに乗るときのファッションまで気を使うようなお洒落でこだわりのある人が多いという。自分を表現する道具としてMUTTを選ばれるということだろうが、大関代表は「MUTTには乗ってみたいと思わせる独特の雰囲気がある」という。マットブラックのモデルでは「ちょっとアウトローでやんちゃな自分」を、シルバーに光る美しいタンクは「クラシカルでスタイリッシュなスタイル」を、そしてブロックタイヤを履いたモデルを街中で乗ることで「あえてちょっとはずしたお洒落」を表現することができるMUTTの幅広い選択肢がお客様のテイストに刺さるのであろう。
便りのないのは’良い頼り’
MUTT埼玉北の大関代表は元々メカニックだったという話は前述したが、ひときわこだわっていることが納車時の車両品質だという。これまで多くの車両を整備してきた経験からどのような整備がお客様にとってベストかを知り尽くしている。たとえばMUTT埼玉北では納車前点検でアクセルシャフトを外してグリスアップするほか、すべてのボルトを増し締めするなど通常の納車品質を超える整備をしてバイクをお客様に届ける。これはあくまでも一例だが、このような目に見えない作業は特に初めてMUTTに乗るお客様や、初めてのバイクをMUTTに決めたお客様には大きな安心となるばかりではなく、ブランドへの信頼も高める。事実、「便りのないのは’良い頼り’」ということでトラブルに関するお客様からの連絡はほぼないこともこの店舗の大きな特徴である。
MUTTのお客様はファッショナブルで、女性も多く、すでに購入するモデルを決めて来店するケースが多いという話を大関代表に聞いていた矢先に、一組のお客様の来店があった。
鹿沼市で評判の石造りのお洒落なベーカリー「Wanokura」に勤める杉江美咲さんである。
いつかはバイクに乗ってみたいと思い、詳しい知人に相談したところMUTTを勧められ、そのヴィンテージデザインに一目惚れし来店したという。そして驚くべきことに杉江さんは現在中型免許取得中だという。
HILTS 250とMASTIFF 250が候補に上がったが、最終的にはMASTIFF 250を選ばれた。マットグリーンのタンクカラーが譲れないポイントだったという。来店から購入決断までわずか20分。彼女の決断力の速さに驚いた。写真でも感じていただけるとおもうが、とてもスタイリッシュでアクティブな雰囲気をもつ魅力的な女性である。彼女がこのステキなベーカリーにMASTIFFで乗りつけ、店先にバイクを停めてさっそうと降りる姿はとても美しいだろうなと想像が膨らむ。
ぜひ、そんなMUTTを愛する姿をSNSなどで見られる日を楽しみにしたい。
大関代表に自分で乗るならどのモデルを選ぶかお聞きしたところ、気軽に乗れて、これ以上カスタムする要素がなく、バランスよくまとまっているMONGRELかSABBATHだと答えられた。空冷エンジンはバイクらしい音や振動があるが、それもMUTTらしさを構成する一つの要素だと考えている。新しく登場した水冷エンジンを搭載したDRK-01は、その点で言えばこれまでのMUTTらしさはやや抑えられているものの、機械的な精度も向上しているので、安心してお客様にオススメできる一台だという。MUTT埼玉北でも人気が高いモデルだけに現行モデルに次ぐ水冷モデルの違うバージョンを期待しているという。
そしてMUTTの魅力はプロダクトに限られない。大関代表によれば新車やパーツも含めてインポーターであるピーシーアイ株式会社には豊富な在庫が準備され、購入後の整備などでもお客様をおまたせすることがないという。保証内容も充実していることはお客様にとってもディーラーにとっても大きな安心材料となるだろう。
MUTT埼玉北では現在5台のMUTTが展示されているが、今後は展示台数を増やし、そしてさらにMUTTの独特で唯一無二の世界観を伝えられる雰囲気作りに取り組んでいく予定である。
また、MUTT埼玉北ではLINE（OZ-Garage）での質問を積極的に受け付けている。「敷居の高い店ではないので、お気軽にお問い合わせや、ご来店いただきたいです」と大関代表は語る。
真にお客様のバイクライフをサポートし、納得のできる買い物ができるMUTT埼玉北にぜひお立ち寄りいただきたい。
【編集後記】
今回取材でお世話になったMUTT埼玉北の店先にはいかついカスタムハーレーや旧車が並び、一見すると入りにくそうな雰囲気を醸し出しているが、「入ったら印象と違って親切に対応してくれた」などと言うお客様が多いという。代表の大関さんはいかにも職人らしい飾らない人柄で、その実直で真面目でお客様に対して真摯に向き合う姿勢が言葉の一言一言に感じられた。そんなギャップからこのようなお客様の感想が出てくるのであろう。
カスタムモデルや旧車を取り扱う経験やノウハウは十分にある。そしてそれを好むお客様の嗜好や気持ちも熟知している。そんなプロフェッショナルがMUTTを取り扱い始めるのは自然な成り行きのように感じる。そしてバイクを知り尽くしている人物だからこそ、個々のバイクの注意点を見抜き、トラブルを未然に防ぐための想像以上の点検整備を影ながら行っているという話こそこのディーラーの最大の魅力だと感じた。MUTT埼玉北のお客様はほぼ100％新規購入で、初めてMUTTに触れる方となる。ゆえにそんな方々へバイク乗りの先輩からの目に見えない愛情が注がれているようなそんな気持ちになった。
そして取材に協力いただいた杉江美咲さん、今頃はマットグリーンのMASTIFF 250も納車され、ツーリングを楽しんでおられる頃でしょうか。MUTTやMUTT埼玉北とともに楽しいバイクライフをお過ごし下さい！
【大関代表が好きなポイント】
DRK-01のフロント部分
倒立フォークやラジアルマウントキャリパーは剛性を重視したスーパースポーツモデルに主に採用される機構で、このクラスのモデルに採用されるのは珍しく価値があるという。
MUTT 埼玉北
349-0141 埼玉県蓮田市西新宿2-137
TEL：048-731-8333
営業時間：10:00-18:00
定休日：水曜日、木曜日、年末年始、夏季、イベント日
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