新型プジョー 3008 ハイブリッド:電動化時代の「アリュール」を再定義

日本にも導入予定の新型プジョー 3008 ハイブリッド。CEOとのラウンドテーブルが行われた。「快楽こそ進歩の原動力」というプジョーは、デザイン、ドライビング、テクノロジーの全てにおいて「快楽」を追求し、電動化という変革期においても、独自の魅力を発揮するという。

【KINTO】

新型プジョー 3008 ハイブリッドが、日本でも年内に発表予定となっている。その欧州仕様車の実車を見る機会がメディア向けに設けられ、プジョー CEOのリンダ ジャクソン氏、マーケティング ディレクターのフィル ヨーク氏を囲んで、ラウンドテーブルが開催された。

フィル ヨーク氏によるプジョーの概要と戦略説明が行われた。プジョーが「喜びが進化を推進する」という信念を持っているが、プジョーは、未来のモビリティが本来あるべき姿よりもエキサイティングではないと感じており、顧客がドライビングでより多くの喜びを感じる機会を追求している。プジョーは、進歩的な快楽主義者のために、快楽主導の技術でモビリティを再発明する「ライオン」であると自称している。プジョーは、自動車業界の未来を牽引するエンジニアであり、次世代のEVでドライビングの喜びを追求する専門家であり、デザインを再発明する創造的なマインドを持っていると、ヨーク氏は述べた。

ヨーク氏は、今日の自動車業界が「退屈」で、多くの車が似たような外観になっているという顧客からのフィードバックを指摘している。また、技術、自動化、AIの進歩により、人間の役割が不明確になっている状況を憂慮し、規制、複雑さ、エネルギー転換(特に電気自動車への移行)が、顧客にとっての運転の喜びを減じていると述べた。プジョーは、顧客体験の中心に「喜び」を据えた、より良い未来を創造することを目指している。プジョーの顧客は、日常生活で車に喜びを求め、生活をより楽しむためのテクノロジーを求めていると見ている。プジョーは2世紀以上にわたり、常に喜びを追求する車を開発してきた。

プジョーの3つの主要な価値観:
デザイン: 車の内外装のデザインは、プジョーを選ぶ最大の理由であり、市場平均を大きく上回る重要な要素だ。デザインは、フランスのブランドとして非常に重要であると強調されている。
エモーション: ドライビング体験から得られる喜びを指し、プジョーの差別化要因としてi-Cockpitが挙げられる。i-Cockpitは12年以上前に発明され、1,200万人の顧客に支持されており、コンパクトなステアリングホイールが運転の機敏さとダイナミズムを提供すると説明されている。
エクセレンス: 技術、品質、効率を指し、すべてのプジョー車に共通する価値だ。
プジョーは、「アリュール(allure)」という言葉でブランドの独自性を表現しており、これは強力な魅力と興奮を意味する。アリュールは、デザインがもたらす魅力と、運転時の感情的な体験を表すと説明された。

プジョーのブランドの方向性を示すキーワードは、「電動化」、「責任あるブランド」、「成長」だ。プジョーは、ヨーロッパで最も幅広い電気自動車のラインナップを持つメインストリームブランドであり、電動化において大きく先行している。プジョーは、持続可能性を重視し、若い世代の顧客にもアピールすることを目指している。プジョーは、グローバルブランドとして約150カ国で展開し、年間約110万台の車を販売している。プジョーは、ステランティスグループの重要な一部であり、世界で販売されるステランティス車の5分の1、ヨーロッパでは3分の1を占めている。プジョーの目標は、ヨーロッパにおけるメインストリーム電気自動車のリーダーとなり、世界中で電気自動車の展開を先導することだ。プジョーは、現在、12種類の電気自動車とバンを提供しており、ヨーロッパのBセグメント(208、2008)および電気バン市場でリーダーだ。近年、5つの新しいCセグメント電気自動車を発売し、メインストリームリーダーとしての地位を確立しようとしている。プジョーは、顧客が電動化への旅のどの段階にいても、サポートすることを目指しており、フル電動車だけでなく、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も提供している。

プジョーはグローバルブランドでありながら、日本市場にも適合したブランド方向性を維持することが重要であると述べられた。日本市場では、特にデザイン、運転の喜び、テクノロジーが重要視されている。プジョーのデザインは、日本市場で非常に重要であり、顧客がプジョーを選ぶ最大の理由の一つだ。プジョーは、外装デザインの差別化を重視しており、特に特徴的なライティングシグネチャーを強調している。内装デザイン、特にi-Cockpitは、プジョーのユニークなセールスポイントだ。日本市場では、電動化戦略において、フル電動車だけでなくハイブリッド車も非常に重要であると認識している。

新型3008は、プジョーのグローバル戦略と日本市場のニーズを反映したモデルだ。3008は、SUVファストバックという特徴的なデザインを持ち、従来のSUVとは異なる外観を持っている。3008は、ステランティスの「STLAミディアム」プラットフォームをベースにしており、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、フル電気自動車の各バージョンが利用可能だ。3008は、i-Cockpitの次世代進化版を搭載しており、目の前のインストルメントパネル、コンパクトなステアリングホイール、手の届く範囲にある操作系が特徴だ。21インチのパノラマスクリーンと、指先で操作できる10個のi-Toggleが搭載されている。3008の電気自動車版は、標準レンジで527km、長距離レンジで700kmの航続距離を持ち、急速充電に対応している。

なお、STLAミディアムプラットフォームは、この新型3008で初採用となったが、ほかにも、オペル グランドランドやE-5008にも導入されている。また、今後C5後継、フィアット 新型クロスオーバー、ランチア 新型モデルにも採用が予定されており、2026年までに計8ブランドから15モデル以上の展開が計画されている戦略的プラットフォームだ。生産能力は年間最大200万台規模で、欧州を皮切りにグローバルな生産拠点展開が進められている。
続いて、ステランティス ジャパンのフレンチブランド事業部 事業部長の小川隼平氏から、質問が行われた。
―グローバルブランドとしてのポジショニングと日本市場への適合性について
プジョーは、「アッパーメインストリーム」という明確なポジショニングを持っており、他のブランドとの競争を避けて、独自の価値を提供することを目指しています。グローバルなビジョンを持ちつつも、日本市場に特化したアプローチが必要です。「喜びが進化を推進する」というプジョーの理念は、日本市場でも非常に重要です。特に、デザイン、ドライビングの喜び、テクノロジーは、日本の顧客にとってたいへん重視しているポイントです。日本市場では、特にデザインが重視されるため、プジョーはデザイン面での差別化を強調する必要があります。外装デザインは顧客がプジョーを選ぶ最大の理由の一つであり、特に特徴的なライティングシグネチャーが重要です。内装デザイン、特にi-Cockpitは、プジョーのユニークなセールスポイントであり、日本市場でも重要です。電動化戦略については、日本市場ではフル電動車だけでなく、ハイブリッド車も非常に重要であると認識しています。各市場のニーズに合わせて、適切なバランスを取ることが大事だと考えております。
―3008のグローバル戦略と日本市場への導入について
3008は、SUVファストバックという特徴的なデザインを持ち、従来のSUVとは異なる外観を持っています。3008は、ステランティスの「STLAミディアム」プラットフォームをベースにしており、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、フル電気自動車の各バージョンが利用可能です。3008は、i-Cockpitの次世代進化版を搭載しており、目の前のインストルメントパネル、コンパクトなステアリングホイール、手の届く範囲にある操作系が特徴です。21インチのパノラマスクリーンと10個のi-Toggleが搭載されており、テクノロジーと操作性を両立しています。電気自動車版の3008は、標準レンジで527km、長距離レンジで700kmの航続距離を持ち、急速充電にも対応しています。日本市場では、ハイブリッド車に重点を置いて展開される予定です。

質疑応答が行われた。
―電動化への移行における「選択の力」から「旅」への変化について
プジョーは、電動化を単なる選択肢としてではなく、顧客と共に進むべき「旅」と捉えているのです。以前はガソリン車かディーゼル車かという選択があったが、現在は電動化という明確な方向性があり、その過程をサポートする必要があります。ステランティスは、2038年までにカーボンネットゼロを達成することを目標としており、プジョーもその目標達成に重要な役割を担っています。顧客が電動車に対して抱く不安(航続距離や充電)に対して、プジョーは具体的な解決策を提供しています。例えば、700kmの航続距離を持つSUVや、日本国内の35,000の充電ポイントへのアクセスなどです。ハイブリッド車は、電動化への良い第一歩であり、都市部での電気走行体験や燃料コストの削減が可能であると考えています。「選択の力」 から 「旅」 への移行は、顧客の意識を変え、電動化への移行を促進するための戦略であるのです。
―プジョーが直面している課題と解決策について
電動化は自動車業界における最大の変革期であり、多くのメーカーが同じ課題に直面していると考えています。最大の課題の一つは、中国メーカーとのコスト競争であり、中国メーカーはヨーロッパメーカーよりも約30%コストが低いことです。プジョーは、コスト効率を高めるために、フランス国内にギガファクトリーを建設し、バッテリーを自社生産する計画があります。複雑さを避けるために、モデルラインナップを絞り込み、より重点を置いた戦略をとることが重要です。電動化への移行を顧客に理解させ、受け入れてもらうことも大きな課題です。競争の激しい市場で生き残るために、メーカーは提携や協力を模索している状況であることも理解しています。
―日本市場における生産とローカライゼーションについて
地域ごとの生産戦略として、南米では南米で、ヨーロッパではヨーロッパで生産しています。日本市場では、高品質な車両を求めるニーズに応えるため、ヨーロッパからの調達が最も現実的であるという結論に至りました。日本市場特有のニーズ(ナンバープレートなど)への適応は課題であり、120万台を生産する中での少数ロットへの対応の難しさもあります。大規模な投資と大量生産が必要なため、ローカライズには慎重な姿勢を示さざるを得ません。―プジョーの競争相手とブランドポジショニング
日本市場では、ヨーロッパ市場とは異なり、プレミアムブランドが競争相手として認識されることが多いです。プジョーは、デザインとドライビングの楽しさという独自の強みによって顧客を引きつけることができると確信しております。品質、素材、フィット感の点で、アウディやBMWといったプレミアムブランドと肩を並べられると自負しています。プジョーは、独自のブランドポジショニングと、他ブランドとは異なる魅力を提供することに注力しているのです。
―「アッパーメインストリーム」というポジショニングについて
顧客は、必ずしも「アッパーメインストリーム」や「プレミアム」といったカテゴリーを意識して車を購入しているわけではございません。顧客は、自分が求めるものを明確にイメージしており、ブランドのカテゴリーよりも、提供される価値を重視しているのです。プジョーは、顧客が求めるものを理解し、それを提供することが重要だと考えております。日本市場では、プジョーは他のブランドと並んで検討されることが多く、その中でプジョーの独自性を示すことが重要でもあります。3008を例に、品質、素材、デザインにおいて、プレミアムブランドと並ぶレベルにあるのです。

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