マクラーレン アルトゥーラ GT4が、デイトナで行われたIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジでセンセーショナルなデビューを飾った。また720S GT3は、デイトナ24時間レースのGTDクラスで表彰台を獲得。アルトゥーラは、GT4カーによる4時間レースで予選10番手を獲得し、出走した2台ともトラブルなく完走して、6位フィニッシュという好成績を残した。
2台のアルトゥーラ GT4は、モータースポーツ・イン・アクションとクルーシャル・モータースポーツからエントリーした。GT4のレースは、デイトナ24時間のサポートレースとして開催され、北米のIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジの2023年シーズン開幕戦だった。この2台は、幅広いテストと開発プログラムの末に、マクラーレン・モータースポーツが製造した最初のカスタマーカーで、昨年末にチームにデリバリーされた。
舞台は、アメリカ合衆国フロリダ州にある世界的に有名なデイトナ・インターナショナル・スピードウェイだ。モータースポーツ・イン・アクションのカナダ人ペア、ジェシー・ラザレとアレックス・フィルシンガーは、4時間レースの予選で精彩を放ち、カーナンバー69のアルトゥーラ GT4で10番手グリッドを確保した。出走46台の決勝では、レースの大半でトップ20を走行して熾烈な戦いを繰り広げ、21位でフィニッシュした。
クルーシャル・モータースポーツからは、アメリカ人ドライバーのマイケル・デ・カサーダ、ヘンリー・オハラ、オーロラ・ストラウスがエントリー。最後のフリー走行で接触があり、修理したばかりのマシンで予選に臨んだため、30番手グリッドからスタートすることとなったが、序盤は他をしのぐペースをキープし、レース後半には劇的な追い上げを見せ、瞬く間に、8番手に浮上する。最後のピットストップを86周目という絶妙のタイミングで行い、ライバルがまだピットインを残す中、カーナンバー58のアルトゥーラ GT4は10番手でコースに復帰。レース終盤に前のマシンとの差を急速に縮め、全107周のレースの残り10周を切ってから、デ・カサーダが4つ順位を上げた。こうして、総合トップとわずか10秒強の差で、見事に6位でフィニッシュし、アルトゥーラ GT4のデビュー戦に花を添えた。
デイトナ24時間レースでは、インセプション・レーシングの720 S GT3がGTDクラスの表彰台を獲得した。ドライバーのブレンダン・イリーブ、ファビアン・シャンドルフ、オリヴァー・ミルロイ、マーヴィン・キルヒホーファーは、クラス6位で予選を終えると、決勝でもチェッカーフラッグまで戦い抜き、729周の激闘の末に、トップと17秒以内の差でフィニッシュした。
新アルトゥーラ GT4は、ロードカーのマクラーレン アルトゥーラと多くのテクノロジーを共有している。その中には、モータースポーツから生まれたマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)と、コンパクトで出力密度の高いバンク角120°のツインターボV6エンジンがある。細部に至るまで重量削減のおかげで、アルトゥーラ GT4は先行モデルより大幅な軽量化を実現している。
最高のシャシーバランスに加えて、アルトゥーラ GT4は、どんな能力のドライバーでもその性能を引き出せるよう設計されている。シャシーとパワートレインは素早く調整でき、ドライバーの要求にぴったり合わせてチューニングできるほか、メンテナンス性も、先代の570S GT4から大きく向上した。
アルトゥーラ GT4に対する需要はとても大きいため、現在マクラーレン・モータースポーツでは、フル回転でカスタマーからのオーダーに応え、世界中の数多くのGT4選手権に出走できるよう準備を進めている。そうしたマシンの多くは、よりパワフルでダウンフォースの大きいアルトゥーラトロフィー仕様で、6月に開幕する新選手権、マクラーレン・トロフィーに出走する。
「デイトナで開催のIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジにおいて、Artura GT4は非常に力強い結果を残すことができました。開発チームはカスタマーのために優れたレーシングカーを作り上げようと18カ月にわたって懸命に取り組んできました。GT4のレギュレーションの性質や競争の厳しさから、勝利は容易ではないと覚悟をしていましたが、開発チームの努力に報いることができました。この結果は、クルーシャル・モータースポーツとモータースポーツ・イン・アクションの並外れた努力の賜物です。両チームは、Artura GT4 プログラムに素早く対応し、従事してくれました。またデイトナ24時間レースで、クラス表彰台という驚くべき成績を挙げたインセプション・レーシングへも、お祝いを申し上げます。これは非常に大きな成果であり、720S GT3の5シーズン目は、ますます強さを増すチームで素晴らしいスタートを切りました。新たなマクラーレン・トロフィー選手権も含め、北米にとどまらず世界を舞台にした、720S GT3とArtura GT4の今年の活躍がとても楽しみです」
マクラーレン・オートモーティブ、モータースポーツ責任者イアン・モーガン