イギリスで「自動運転」が年内に認可の予定だが、めちゃめちゃ議論紛糾中

英語ではautonomousという「自動運転」だが、イギリスで一歩前進した計画が発表された。英国運輸省は、「Automated Lane Keeping System(自動レーンキープシステム)」(ALKS)を搭載した自動車が、英国の高速道路を時速37マイル(60km/h)以下で実質的に自動運転できるようにする計画を発表した。

テスラの「オートパイロット」に代表されるように、車線の中央を維持し、先行車との安全な間隔を保つことができる運転支援システムは、すでに数多く存在している。しかし、これらはいわゆる「レベル2」の支援システムであり、ドライバーは常に道路から目を離さず、ハンドルから手を離さないようにしなければならない。

英国運輸省の計画では、メーカーが自動車に「レベル3」のアシスタンスシステムを搭載することを認めている。ドライバーがステアリングホイールから手を離して新聞を読むなどしながら、自動車が必要に応じてステアリングや加速・減速を行うことができる。

このようなシステムの使用は、自転車や歩行者がおらず、同一方向に交通が流れている高速道路の低速走行時にのみ許可される。また、ドライバーは運転席に座ったまま、10秒以内にクルマをコントロールできる状態でなければならない。

アウディは、2017年に発売されたA8に「レベル3」のシステムを搭載したかったが、規制当局の承認が得られずに断念した。現行のメルセデス・ベンツ Sクラスと近々発売されるEQSは、どちらも「レベル3」の運転に対応できるように設計されている。

政府は、「ALKSの技術は、GBの型式承認を受け、車両の自動運転能力に異議を唱える証拠がない限り、法的には自動運転と定義することができる」としている。

SMMTのマイク ハウウェ氏は次のように述べている。「自動運転システムは、交通事故の最大の原因であるヒューマンエラーを減らすことができるため、今後10年間で47,000件の重大事故を防ぎ、3,900人の命を救うことができます」

また、「自動化された車線維持システムなどの技術は、将来において、より高度な自動化への道を開くでしょう」とも述べている。

一方、レイチェル マクレイン運輸相は、今回の発表は「英国における自動運転車の安全な使用のための大きな一歩」であるとしながらも、「このエキサイティングな新技術が安全に展開されることを保証しなければならない。そのために、これを可能にするルールがどのようなものであるべきかについてコンサルティングを行っている」と述べている。

議論の対象となっているのは、政府が「自動運転」という言葉を使い、これらのシステムを「自動化」と表現していることだ。

Thatcham Research社のリサーチ・ディレクターであるマシュー アヴェリー氏は次のように述べている。「現在、政府が提案している自動車線維持システム(ALKS)は、自動運転ではありません。現在、政府が提案しているALKSは、自動運転ではなく、ドライバーがコントロールを取り戻すことを前提とした運転支援システムです。

「技術的な能力の欠如もさることながら、ALKSを自動化と呼ぶことで、英国政府は、不幸にもすでに多くの悲劇的な死をもたらしている運転支援システムの混乱と頻繁な誤用を助長しているのではないかと懸念しています」と述べている。

Association of British Insurers(英国保険会社協会)のアシスタントディレクター/保険ポリシー統合長のマーク シェファード氏は、次のように述べている。「保険業界は、より自動化された車両の開発を全面的に支持していますが、ドライバーがシステムの性能について非現実的な期待を抱くことがあってはなりません。ドライバーがコントロールを取り戻すことに依存する自動化車線維持システム(ALKS)は、自動化システムではなく、アシストシステムとして分類することが極めて重要です」と述べている。

=海外の反応=
「僕のカイエン ターボS Eハイブリッドは、最高速度に制限がなく、すでにこれを実現している」
↑「僕の2年前のゴルフもそう。でも、20秒後にはハンドルに手を戻さなければならないけど」
↑「「できる」っつーのと「許される」ってのは同じじゃない。例えば、カイエンだと、しばらくすると、ハンドルに手を置くように促されるじゃん」
「60km/hってさぁ…つまり、高速道路ではないということだよね?」
「大失敗への一歩を踏み出した」
「自律的に「内側の車線に戻す」というシステムはどう?」
「勘弁してくれ、さらに悪いニュースの始まりだ」
「つまり、高速道路で60km/h以上で走行したい場合は、普通に運転しなければならないということ?かなり無意味な気がするけど」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2021/04/32855/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 064

アーカイブ