スズキ ジムニー長期レポート2:オフロードに行こう

新型スズキ ジムニーのオフロード性能への資格証明書については、最も特筆すべき点だ。ジムニーにはいままで、「山岳のヤギ」や「飛び跳ねまわってる」といった言葉が言及され、トラクターの専門誌以外のメディアにおいて、ウェールズの農家はターゲット層としてあまり言及されてこなかったのである。このスズキ ジムニーのオフロード性能は、その鈍いコーナリング反応を弁明する一つの言い訳でもあるため、優れていなければならない。しかし、そのオフロード性能とトラックやランドローバーが持っているような実用性を合わせる事はできないのか?答えはYesであり、Noでもある。それは、各々の求める水準によるだろうから。

最初に、クリアランスとアーティキュレーション剛性について話をしよう。コイルと共にジムニーの伝統的なライブアクスルとラダーフレームのシャシーが4隅に設置されており、適正なドロップを生み出す。そして同じアクスル上の反対側の車輪からくるコンプレッション が、タイヤがより地面に接するよう働きかける。
もしあなたがクロスアクスルを目指すなら、ホイールを上にあげる事は非常に容易い。しかしもっと攻めるべきだ。面白いことに、このクルマの運転時の特徴である緩いスプリングは、オフロードを走る時は息をひそめ、ハードワーク用の比較的シンプルなサスペンション位に硬くなる。
4✕4で四輪全てが小さなタイヤであれば、オフロード用の道やジムニーより幅のあるトラックが何度も通ることで形成された深い轍といった場所では、そのデフとラディアスアームを強く感じることができるだろう。ジムニーに乗っている時は、轍の片側にタイヤを合わせると、もう片方を通常他のフルサイズの4輪であればタイヤが踏むことのない、轍の真ん中の草の生えた部分の頂上に合わせて走行することになる。
真ん中の部分を踏まずに通らなければ何か物が潰れてしまうような状況では無い限り、そのこと自体は特に問題ないだろう。もちろん裏側は、常に石壁にウィングミラーをぶつけてしまうか心配する必要のない作りになっている。そのジムニーの小さなサイズはイギリスの細い道を通るのに楽だろう。オーバーハングが小さいので、他の大きなクルマと違ってアプローチ/デパーチャーアングルを考慮する必要がない。

トラクションが失われると、ブレーキ作動のトルクベクタリングシステムが、パワーを、グリップ力を上げながら、ホイールへ移動していくという素晴らしい仕事をしてくれる。高いロック率のセンターデフは搭載していないが、スズキ ジムニーのような軽いクルマには必要ない。濡れた草が生い茂った場所を上るのは苦労するが、こうした状況には電子的・機械的な補助よりもきちんとしたオールテレーンタイヤがはるかに役立つだろう。下り坂については、ヒルディセントコントロールが付いている。これは効果的だが、最上級クラスの急な下り坂を除いては、やりすぎと言えるかもしれない。ローレシオのギアボックスは、受ける重力の影響を和らげるのに非常に良い働きをしている。

ジムニーが他に比べて引けを取っている部分は、岩の急斜面を上ること、そしてその小さな1.5リッターエンジンと129Nmの最大トルクだ。トップギア編集部にある他のどのクルマとも違って、そのエンジンはB級の道では音が小さく(信じられないかもしれないが)、そして高い回転数になるようにエンジンのネックを絞ることもできるのだ。しかしトリッキーなオフロードセクション(それが低域のギアであっても)を導入すると、大きなトルクのある4WDにおいてペダルを離しても、エンジンがだらだらと回りがちであるというという障害をクリアしようと、このクルマが絶妙な加減でクラッチポイントとスロットルのバランスを取っていることに気づく。

もう一度各々の基準点について話を戻そう。 もしユタ州の岩肌をゆっくり上りたいのなら、ジムニーを購入すべきではない。もし田舎道を散策するのに楽しくて安いクルマを探しているなら、ジムニーを購入すべきだろう。そしてライドハイトとグリップの高さに目を向けると、その状況に合ったサスペンション、ホイール、タイヤのオプションと、たくさんのスペシャリストな部分に気づき、オフロードへの意欲が生まれるだろう。この記事を読んでいる人なら、この言葉に惹かれるのではないだろうか。

走行距離: 13,367km 燃費: 12.7km/L

グレード:
SZ5
エンジン:
1462cc 4気筒 全輪駆動 100hp, 129Nm
燃費:
12.5km/L,178g/km CO2
パフォーマンス:
0-100km/h 12.0秒 (推定), 145km/h
重量:
1135kg
価格:
18,499ポンド (250万円)/£20,797ポンド(280万円) テスト車両/月額3.4万円

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