【試乗】インド生産のコンパクトSUV、新型スズキ フロンクスが2024年秋デビュー

コンパクトSUV市場に新たな刺客が登場した。スズキの新型フロンクスは、トヨタ ヤリスクロスやホンダ WR-Vといった人気モデルにどこまで迫れるのか? デザイン、走り、インテリアなど、フロンクスの魅力を徹底解剖した。


インドで生産されるコンパクトSUV

スズキは、2024年秋ごろからコンパクトSUVのニューモデル「フロンクス(FRONX)」を発売する。これに先駆けて、プロトタイプの試乗会が行われたので、その印象をレポートしておきたい。

スズキのSUVは、軽自動車以外の登録車では、エスクード、ジムニーシエラ、イグニス、そしてクロスビーをラインナップしていたが、エスクードとイグニスは2024年4月に販売を終了した。イグニスの後継モデルにはクロスビーがあるが、エスクードの後継モデルとして、このフロンクスが導入されるようだ。

フロンクスは、2023年1月にインドの「オートエキスポ 2023」でジムニー5ドアとともにワールドプレミアされた。スズキのインド子会社であるマルチスズキ インディアが製造し、スズキのグローバルカーとして、中南米、中近東、アフリカなどで販売されている。したがって日本に導入されるフロンクスも、インド製となる。

インド仕様のフロンクスは、1.0L 直3の直噴ターボ+マイルドハイブリッドと1.2L 直4のガソリンエンジンを搭載し、トランスミッションは5速MT/6速AT(1L)/5速AGS(1.2L)。駆動方式はFFのみだった。

だが日本仕様では、1.5L 直4のガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせ、トランスミッションはパドルシフト付きの6速AT。駆動方式はFFが基本だが4WDも用意されている。このエンジンは、エスクードに搭載されていたものと基本的に同じだ。

個性を主張するエクステリアに、質感の高いインテリア

テストコースで初めて見たフロンクスの実車は、今までのスズキ SUVにはないクーペスタイル。全長は4mを切るコンパクトなサイズなのだが、実際の寸法よりは大きく見える。グリルから伸びた位置に配されたデイタイムランニングランプとバンパー内にビルトインされたヘッドランプによる顔つきもユニークだ。

クーペ風だが必要以上にルーフラインを下げていないので、リアシートの居住性も悪くなさそうだ。それでも全高は1.55mにおさえているから、都会の立体駐車場も使用可能だろう。テールランプは最近流行の横一文字タイプで、バンパー下のガーニッシュがSUVテイストを増幅している。

インテリアのデザインは基本的にインド仕様と同じだが、ボルドー/ブラックの配色は日本専用だ。最近のスズキ車は、新型スイフトもそうだったが、かなり質感が向上している。サイズから想像されるよりは室内は広く、リアシートのフットスペースはクラストップレベルの広さだという。

コンパクトSUVとしての「ユーティリティ」に関しては、文句なく合格点を付けられそうだ。

新型スイフトにも通じる、走りの良さに好印象

今回のテストコースは、修善寺のサイクルスポーツセンターの5kmサーキット。試乗車はプロトタイプであり、コース内は60km/hの速度制限(ストレートのみ80km/h)があったものの、そのパフォーマンスはかなり味わうことができた。

まず、ハンドリングと足まわりの良さに好印象。6速ATはパドルシフト付きなので、マニュアルモードを駆使してちょっとしたワインディングロードを走ると、コンパクトSUVであることを忘れさせるほど走りは楽しい。プラットフォームはインドで生産されているバレーノと同じ。それはつまり、新型スイフトとも同じであるから、その走りの良さにも納得してしまう。

路面の継ぎ目乗り越えも、いなしがけっこう効いており、ショックは少ない。短時間だがリアシートにも乗ってみたが、スペースは十分で乗り心地も悪くなかった。スズキではリアシートの快適性にもこだわったそうで、実際エンジンノイズも抑えられており、60km/hくらいの走行では前後のシート間でも問題なく会話ができる。Dレンジ80km/hでのエンジン回転数は、2000rpmといったところ。

6速ATはスポーツモードも備わっているが、シフトアップのタイミングを高回転まで引き上げるものの、パワフルになるわけではない。路面の悪いところでは少しフロア振動が感じられたが、不快なレベルではなかった。

短時間だが4WDにも試乗した。60kgの重量差はあまり感じられずエンジンパワーに不満はないが、少しプッシュアンダーステアが強くなる。

ステアリングホイールのロック to ロックは3.25回転。スズキのクルマらしくグルグル回す感じだが、最小回転半径は4.8m(4WDも)なので小回りは効く。

日本市場でのライバルは、トヨタ ヤリスクロス、ホンダ WR-V、そして日産の新型キックスあたりになるだろう。今回の試乗では試せなかったが、安全装備も充実している。ライバルのと比較要因は、まだ発表されていない車両価格や燃費になるだろうか。

スズキ フロンクスは、今秋の正式発表が楽しみになる、そんな好印象を与えてくれたクルマだった。(文:篠原 政明/写真:原 アキラ、ほか)

■ スズキ フロンクス(日本仕様プロトタイプ) 主要諸元 <カッコ内は4WD>

●全長×全幅×全高:3995×1765×1550mm
●ホイールベース:2520mm
●車両重量:1070kg<1130>
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1.46L
●最高出力:74kW<73kW>/6000rpm
●最大トルク:135Nm<134Nm>/4400rpm
●モーター最高出力:2.3kW/800−1500rpm
●モーター最大トルク:60Nm/100rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置きFF<フロント横置き4WD>
●燃料・タンク容量:レギュラー・37L
●タイヤサイズ:195/60R16

よくある質問/Q&A
Q1: スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」の発売時期はいつですか?
ズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」は2024年秋に発売される予定です。

Q2: フロンクスの製造場所はどこですか?
フロンクスはスズキのインド子会社であるマルチスズキ インディアが製造しています。日本に導入されるフロンクスもインド製です。

Q3: フロンクスのエンジン仕様について教えてください。
日本仕様のフロンクスは1.5L 直4ガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせたエンジンを搭載しており、トランスミッションはパドルシフト付きの6速ATです。駆動方式はFFが基本ですが、4WDも用意されています。

Q4: フロンクスのインテリアはどのような特徴がありますか?
フロンクスのインテリアは基本的にインド仕様と同じですが、日本専用のボルドー/ブラックの配色が特徴です。室内はコンパクトSUVとしては広く、リアシートのフットスペースはクラストップレベルの広さです。

Q5: フロンクスの外観デザインの特徴は何ですか?
フロンクスはスズキの従来のSUVにはないクーペスタイルを採用しています。デイタイムランニングランプとバンパー内にビルトインされたヘッドランプが特徴的で、最近流行の横一文字タイプのテールランプを備えています。

Q6: フロンクスの競合車種は何ですか?
日本市場でのフロンクスの競合車種は、トヨタ ヤリスクロス、ホンダ WR-V、日産の新型キックスなどが挙げられます。

Q7: フロンクスの試乗会での印象はどうでしたか?
試乗会では、ハンドリングと足回りの良さが印象的でした。6速ATのパドルシフトやコンパクトSUVとしての走行性能が高く評価されました。リアシートの快適性やエンジンノイズの抑制も良好でした。

Q8: フロンクスの日本仕様とインド仕様の違いは何ですか?
日本仕様のフロンクスは1.5L 直4ガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせたエンジンを搭載し、6速ATのトランスミッションが備わっています。一方、インド仕様では1.0L 直3ターボ+マイルドハイブリッドと1.2L 直4ガソリンエンジンが搭載されています。

ブガッティ ボリード/ケータハム プロジェクトVの真実/日本のDAMD/プリウス:トップギア・ジャパン 061





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