広い室内とラゲッジスペースが魅力
「399万円のAクラスのディーゼルでほぼほぼ決めてたのに、また最初から検討し直さないと…」なんていう人も少なくないであろう、魅力的なメルセデス・ベンツ Bクラスが7年ぶりのフルモデルチェンジで登場した。
ラインナップは、1.4リッター直列4気筒ターボエンジンに7G-DCT(7速デュアルクラッチ トランスミッション)を組み合わせた「B 180」と、2.0リッター直列4気筒ターボのクリーン ディーゼルエンジンに8G-DCT(8速デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせた、「B 200 d」の二つ。7月頃納車のガソリンは384万円、ちょっと待つが10月頃納車のディーゼルは422万円となっている。エンジンおよびトランスミッションはAクラスのものと同じで、Aクラス同様、「ハイ、メルセデス」の呼びかけに応答してくれるMBUXが搭載されている。「ハイ、メルセデス」「どうぞお話ください」「目的地まで何分で着く?」「およそ33分です」などといったやりとりが、スムーズにできるのである。MBUXの音声認識機能は、ユーザーによる発言を車載コンピューターとクラウドの両方でデータを評価し、それぞれ応答を送るハイブリッド方式だ。その結果、MBUXは、インターネットに接続しない状態でも応答できるシステムとなっている。また、Qi規格対応機種の携帯電話を無線充電する「ワイヤレスチャージング機能」が前席に全車標準装備されている。
Aクラスのガソリンにもディーゼルにも試乗したが、どちらも静粛性が高く、満足のいく乗り心地だ。「B 180」には最高出力 136PS、最大トルク 200Nm を発生する、1.4 リッター「M 282」エンジンは、先代モデル比 14PS が向上し、よりパワフルな加速感が得られる。このエンジンに採用される、「デルタ形シリンダーヘッド」は、シリンダーヘッドが三角柱を横に寝かした形状となっている。通常のシリンダーヘッドに比べると、装着時の高さがある一方、幅や重さが小さくなり、軽量化、省スペース性能が向上している。また、組み合わされるトランスミッションは実績のある 7 速デュアルクラッチトランスミッション「7G-DCT」となり、効率向上に効果的な、ダイレクトな変速を実現しながら、振動も抑えている。
「B 200 d」に搭載される「OM654q」は、2.0リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンで、最高出力150PS、最大トルク320Nmと、コンパクトなボディを力強く加速させる性能を有しながら、低振動で高い静粛性を両立させている。 こちらは、Cクラスなどで実績のあるOM654を横置きにしたものとなっている。
シリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとして、全長をコンパクトにまとめたシリンダーブロックは軽量化のためにアルミニウム製となっているが、ピストンはスチール製だ。この熱膨張率の異なる素材を採用することで40%以上摩擦を低減している。
また、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE® 摩擦低減加工を施している。
ターボチャージャーは可変タービンジオメトリーを採用しており、低回転域から高回転域まで全域でトルクフルな加速が楽しめるのだ。
冷却された高圧EGRと低圧EGRを組み 合わせた「マルチウェイ排出ガス再循環(EGR)」を搭載しており、燃焼の最適化を図り、後処理を行う前の段階で窒素酸化物を低減している。
ターボチャージャーから出た排出ガスは、まず酸化触媒へ送られた後、AdBlue®が添加される。下流のsDPF(DPF with SCR Coating : 選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)で粒子状物質の 捕集と窒素酸化物の低減を行った後、SCR触媒でさらに窒素酸化物の処理を行う。その後、新しく追加されたSCR触媒でさらに窒素酸化物の低減を行うと同時に、余剰のアンモニアを処理するアンモニアスリップ触媒(ASC)を備えることで、急加速など運転状況が急激に変化した場合にもアンモニアが外気中に放出されることを防ぐことが可能となっている。日本市場で販売される乗用車では他に類を見ないほど優秀な排出ガス処理システムが自慢だ。また、ディーゼルに組み合わされるトランスミッションは新開発の8速デュアルクラッチトランスミッション「8G-DCT」となる。
初代が2002年、二代目が2012年に登場したこのBクラスだが、今回は「マルチパーパスコンパクト」として、よりスポーティかつラグジュアリーに生まれ変わっている。
エクステリアデザインは、「Sensual Purity (官能的純粋)」というメルセデス・ベンツの新しい基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減した輪郭を採用し、Cd値は0.24と空力性能の向上にも貢献している。
前席の室内幅は1,456mmと33mm、フロントのヘッドルームも1,052mmと5mm拡大されているほか、リアシートのバックレストは4:2:4分割可倒式を採用し、大人4人がゆったりと過ごせ、かつアクティブなライフスタイルに合わせることができるのだ。
それで冒頭のAクラスと迷うことになる。全長、全幅はAクラスとほぼ同じ、高さが120-140mmほど高いボディサイズだが、ラゲッジスペースはBクラスの方が330Lほど大きいのだ。さあ、どっちを買おうか、悩むという人も多いはずだ。悩んでいる時間はまた楽しいのだけれども。
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