トヨタ、新型スーパーカー「GR GT」を発表! 650馬力のV8ハイブリッド搭載、AMG GTを狙い撃つ和製モンスター

ついにトヨタが本気のスーパーカーを解き放った。富士スピードウェイで公開された「GR GT」は、4.0リッターV8ツインターボにハイブリッドを組み合わせ、最高出力641bhp以上、最高速度320km/h以上を誇る。さらに、FIA GT3規定に準拠したレース車両「GR GT3」も同時公開。LFAの精神を受け継ぐ、新たなFRスポーツカーの全貌に迫る。

さて、数ヶ月にわたる憶測と小出し情報の末、ついに登場だ。トヨタ ガズー レーシングの「GR GT」と「GR GT3」。これらは、本気のドライバーズカーをラインナップに復活させるという、トヨタの計画そのものである。

ついに詳細が明らかになった。いくつかの不鮮明な動画や、ボクサーの拳のようにきつくカモフラージュされて登場したグッドウッド フェスティバル オブ スピードを経て、今ここに、その栄光の全貌が明かされたのだ。そして事態は面白くなってきた。あまりに面白いので、我々は一体何が起きているのかを確かめるべく、日本の富士スピードウェイでの発表会にやってきた。ぶっちゃけ、ちょっとボーっとしてるけど、少し我慢してくれ、時差ボケがマジでキツイんだ。

まずはGT(ロードカー)から始めよう。これはロングノーズのGTカーで、キャビンが後方に配置されたスタンスを持ち、2シーターである。メルセデスAMG GT、バイパー、SLS、あるいは…まあ、この手のフロントエンジン・リアドライブ(FR)車なら何でもそうだが、それらの面影を感じさせるプロポーションだ。かなり大きく、低く、ワイドでもある。全長4,820mm、全幅は約2メートル、全高は1,195mm。スタンスと存在感を兼ね備えており、横に立つと想像以上に低い。

構造に関しては、アルミニウム構造に多くのCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製パーツを追加している。ボンネット、ルーフ、ドアスキン、トランクはすべて軽量化されており、主要部分はコスト効率の良い合金製だ。トヨタがこの種のアーキテクチャを手掛けるのは今回が初めてとなる。そしてそう、トヨタはこの車が60年代の2000GTやLFAの足跡を辿るものであると明言している。もっとも、より具体的かつ関連性のあるLFAスタイルのレクサスが後に控えているのだが(それについてはまた別の機会に)。

実際、トヨタによれば、LFAを担当した古い世代のエンジニアに対し、GTのエンジニアと関わり、「車作りの秘伝のタレ」を新しい世代に伝授するよう特に指示したという。これは、神社の社殿を定期的に造り替える伝統「式年遷宮」の路線を踏襲している。我々が心から愛する、いかにも日本的な姿勢だ。

標準の公道用GTには、ツインターボ(エンジンのVバンク間に配置される「ホットV」レイアウト)を備えた専用の4.0リッター ガソリンV8エンジンが搭載される。これに、新開発の8速オートマチック(パドル付き)の前にボルトオンされたトランスアクスル内蔵のシングル電気モーターによる、マイルドハイブリッドシステムが組み合わされる。従来のトルクコンバーターの代わりに発進用の湿式クラッチと機械式LSDを備え、加速や変速時の一瞬のトルク抜けを小さな電気モーターが補う仕組みだ。

システムの最大出力は650馬力、最大トルクは850Nmと言われているが、興味深いことにトヨタはこれらの数字の後に「(またはそれ以上)」と付け加えており、すでに伸びしろが組み込まれていることを示唆している。同様に重量も1,750kg…「(またはそれ以下)」とされている。1,750kgというのは決してフェザー級とは言えないため、これが憶測の炎に油を注ぐことになるのは間違いない。

性能数値は未発表だが、0-100km/h加速は4秒切り、最高速度は320km/hと予想される。もっとも、ここでもトヨタは最高速度が320km/hを超える可能性があると言及しているので、市販仕様では322km/hの大台を突破すると期待していいだろう。少なくとも、カードゲームの「トップ・トランプス(イギリスで人気のあるカードゲーム。車やキャラクターなどのスペックが書かれており、数値の大小で勝負する。トップギアでは「スペックだけの比較」を揶揄する際によく使われる表現)」でスペック自慢をするためだけでも。サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンとコイル、ブレーキはお馴染みのディナー皿のようなブレンボ製カーボンセラミックが標準装備され、軽量ホイールにミシュラン カップ2タイヤを履く。まあ、このクラスなら標準的な装備だ。

だが、トヨタはここで遊びをしているわけではない。エンジンは、膝が暖かくなるほど後方にマウントされており、リアマウントのギアボックスとフラットなドライ部ラインにより、驚異的に低い重心を実現している。重量配分はフロント45%、リア55%。ドライバーの関与、楽しさ、そして対話が、この車に対するトヨタの優先リストの上位にあるようだ。V8の重低音と同様、トップギアにとっては音楽のような響きである。

スタイリングについては、空力エンジニアを無視するのではなく、彼らと協力して作り上げられた。サイドビューとフロント斜めからの眺めは目を見張るものがある。フロントには巨大な冷却グリルがあり、ボンネット表面には巨大なエアインレットと、フロントガラスに向かう三角形のNACAダクトが備わる。これらには少しLFAの雰囲気がある。

フロントホイールの後ろには、ブレーキ冷却とホイールアーチ内の乱流を抑えるための大きなアウトレットがあり、超ショートなリアオーバーハング、可動式のダックテールスポイラー、そして独立したポッドに収められた4本出しマフラーが特徴だ。攻撃的で、流麗で、非常に日本的だ(これは素晴らしいことだ)。もっとも、最初に公開された時は、他に何に似ているかを探りたくなるが。好きなものを選べばいい。これは「スポーツカーの形状 Ver.1」なのだから、このドライブトレインレイアウトを持つ他のあらゆる車と比較できる。実車は素晴らしく、強烈に印象的で、メルセデスGTのような少し滑らかすぎる形状に対する解毒剤となっている。

インテリアは驚くほど控えめだが、落ち着いていて効果的に見える。快適なスポーツシートと、サッカー場のように広大なボンネットを見渡す圧倒的な視界がある。目立つシフトライトとギアポジションインジケーターを備えたデジタルダッシュボード、底が平らなステアリングホイール、そしてステアリングの近くにポンと置かれたスイッチ類。トランスミッショントンネルは太くて高く、ギアセレクターパドルで終わっており、その上には比較的控えめなタッチスクリーンがある。これは豪華なフラッグシップカーではない。TGR(トヨタ ガズー レーシング)は、この車に関しては「運転すること」の方に興味があるようだ。

しかし、エキサイティングなのは、これが50万ポンド(約9750万円)以上もする限定スペシャルモデルとは見なされていないことだ。これは、1,200馬力の絵空事のユニコーン(実在しない幻の車)ではなく、速く、日常的に使え、サーキットでも遊べる楽しい車なのだ。完全に新しい一台である。V8を見限ったかのような世界で、我々はますます希少になりつつある「新型ガソリンスポーツカー」を手に入れることになる。噂によると、この車はメルセデスAMG GT(ひいては様々なポルシェ製品)を真っ向から睨みつけているという。つまり、ベースのGTで約10万5000ポンド(約2050万円)、GT63クラスで約18万ポンド(約3500万円)あたりになるだろう。依然として高価だが、何とかなる範囲だ。

もし、もっとお金が余っているなら…その一部をレースに費やすのはどうだろう? なぜなら、GR GTは完全なFIAスペックのGT3カーとしても同時に発表されるからだ(下記参照)。カラーリングのないそれは、怪物のように見える。裸の怪物だ。GT3の常として、基本的なロードカーの進化版であり、除雪車のようなフロントスプリッター、より攻撃的なインレットとベント、カナード、ボンネットの隙間を備えている。サイドスカートは工業製品のようで、床下は平らで、リアの大部分を覆うほど広いベンチュリー(ディフューザー)がある。

そして、ピクニックに便利そうなスワンネックのリアスポイラーがある。内部にはフルロールケージ、ヨーク型ステアリング、そしてモータースポーツ用の一般的なコンピューターと安全装備がある。しかし、一度これを見てしまうと、「GR GT-R ロードカー」のようなものが将来発売されるかもしれないという考えを振り払うのは難しい…。

公道F1カー頂上決戦 AMG ONE vs ヴァルキリー/ディアブロ/日本のガレージ:トップギア・ジャパン 070

このクルマが気になった方へ
中古車相場をチェックする
ガリバーの中古車探しのエージェント

今の愛車の買取価格を調べる カーセンサーで最大30社から一括査定

大手を含む100社以上の車買取業者から、最大10社に無料一括査定依頼

新車にリースで乗る 【KINTO】
安心、おトクなマイカーリース「マイカー賃貸カルモ」
年間保険料を見積もる 自動車保険一括見積もり





=海外の反応=
「ツインターボV8ハイブリッドで1750kgってのは、軽量化においてトヨタにしてはかなりまともな努力だよ。ハイブリッドなしのAMG GTが1900kg超えだし、BMW M4でさえ1700kg以上、フェラーリ ローマは1650kgだ。文字通り、現在生産されているどのランボルギーニよりも軽いし、それも結構な差をつけて軽いぞ」
「気に入った。ホンダ S2000が大人になったらなりたかった姿に見える。少しバットモービルっぽい雰囲気もあるな。GRの車はいつだって最高に美しいわけじゃないけど、エンジニアリングやパワーに関してはふざけたことはしない。
『グランツーリスモ7』では最高に楽しいだろうな。俺がこいつを運転できる場所なんて、そこくらいしかないだろうけど」
「変に聞こえるかもしれないけど、これって「もうすぐモデルチェンジする車のファイナルエディション」っぽく見えないか? ほら、最後の在庫を処分するために、あらゆるオプションやらベントやらスポイラーやらを全部乗せして着飾って、少しでもエキサイティングに見せようとしたヤツみたいな。
要素が多すぎるんだよ。もう少し減らしてほしかった。全高1.2mなんだから、どうやっても狂った見た目になるんだし、もっと自信を持って、形の純粋さを信じてもよかったんじゃないか。
まあともかく、大手メーカーから新型V8のFR車が出るってことには万歳だ 」
↑「まさにそれ。エキサイティングなんだけど、スタイリングはあえて言えば…古臭い。すごく保守的なスタイリングにしてしまったけど、それってトヨタあるあるだよな? 新車なのに10年前の車に見えたカローラクロスとか。新型RAV4を日産やホンダの新型と比べた時とか。
奇妙なのは、日本に行くと、道路上で一番目を引く宇宙船みたいな車はトヨタ(クラウンスポーツとか)だったりするんだよ。多分、国内市場ではもっと奇抜になれる余地があるけど、グローバル向けには委員会でデザインされた「安全パイ」なデザインになっちゃうんだろうな。
時間が経てば、もっと好きになれると思うけど」
↑「俺は全くそんな風には感じないけどな。GT3バージョンは別として(あれはああいう見た目になるもんだ)、2026年に来るWECのGR010改良型と並んだ時、どう見えるのかすごく興味がある」
「メルセデスよりこっちを選ぶわ」
↑「その通り。(PHEVのAMG GTを除けば)よりパワフルで、300kgも軽くて、トヨタの信頼性があるんだからな」
「見た目が気に入らないって連中は、マンソリーがこいつを手掛けるまで待ってろよ」
「恐ろしく醜いけど、可愛く見せようとすらしてない潔さがあるから、まあ許せる。それに、サイド出しマフラーが嫌いなヤツなんていないだろ」
↑「文句、文句、文句ばっかりだな。10年経てば、これはまだクリーンで良く見えるはずだ。現行のBMW M4なんかはひどい年の取り方をするだろうけどな。ロングノーズ/フロントミッドシップのおかげで、RX-7やダッジ バイパーに少し似て見える。さあ、眼鏡市場に行ってこい」
「デザインの大ファンってわけじゃないけど、トヨタがこれをやってくれたのは素直に嬉しいよ。もし価格も手頃に抑えられたら、腎臓を担保に入れてでも買いたくなるかもな。
このGTのおかげで、トヨタは突然、現役で最もスポーティーな自動車メーカーの一つになった(スーパーカーメーカーは除く、当然)。10年前に誰がそんなことを予想できただろう?」
「現行のAMG GTよりこっちを選ぶね。1.7トンなら300kgは軽いし、PHEV版を選ばない限りAMG GTの方がパワーが低い。AMGがいかに失態を演じたかってことだな。
比較対象としては、アストンマーティン ヴァンテージや911 ターボ Sあたりだろう。アストンほど美しくはないかもしれないが、見た目に関してはポルシェよりマシだ」
「妙に葛藤してる。存在自体は嬉しいんだけど、デザインは完全に失敗作のごった煮に見える。フロント斜めからはまあ見られるけど、それ以外のアングルは最悪だ。でもまあ、少なくとも女装したBMW(スープラのこと)じゃないだけマシか」
「GT86とゴジラ(GT-R)の隠し子に見えるのは俺だけか?
悪い意味じゃないぞ!
唯一の問題は、買えるようになるまで11年も待たされるのかってことだ」
「すぐにS2000を思い出したよ。GR86からドライバーとの繋がりを、GRヤリスから攻撃性を、RC Fからサウンドを取り入れて、ステロイド漬けにしたS2000の形のミキサーに放り込んだ感じだ。かなり有望だよ。あとはMR2/セリカ的なやつが完成するのを待つだけだ。そうすればトヨタは、これまでで最も完全なスポーツカーのレパートリーを持つことになる…史上初か? 安くて楽しいエントリーレベルの86から、ラリー育ちのホットハッチ ヤリス、小型スポーティツアラーのスープラを経て、うるさくて美しく、美しくてうるさいLC500に立ち寄り、最後にちゃんとしたGT3レベルのハローカーに到達する。足りないのは、W2RCへの取り組みやダカールでの成功と結びついた、ちゃんとしたGRハイラックスくらいだ。
個人的に本当に興味があるのは、GT3バージョンがWEC(たぶん)でどう戦うかだな」
「史上最高に美しい車ではないが、あのエンジンが見事にその差を埋め合わせている」
「嘘だろ! テールランプが! なんで両端であんな奇妙な折れ曲がり方をしてるんだ? レースカーのテールランプをそのままロードカーにつければ、タイムレスなデザインになったのに。今のままだと、新しいアイデアが尽きた中国車みたいに見えるぞ!
それ以外は、なんて車だ! 最高だ! 見た目もスタンスもいい。他の色で見るのが楽しみだ…」
「あれはGRヤリスを暗示してるんだと解釈してる。形はすごく似てて、全く違うフォルムに合わせて作られてるだけだ。個人的には大好きだけど、それはすぐにヤリスの影響を見て取れたし、あの車が死ぬほど好きだからだろうな。仕立ての良いトレンチコートを着た2台のGRヤリスって感じだ」
「俺が歳をとったのかもな(45歳だ)。自動車業界にかつてほど魅了されなくなってる。特にこいつは、フェラーリ F80と同じくらい美しくない。たとえどちらかを買える金があっても、間違いなく別の車を買うよ(価格帯が同じだと言ってるわけじゃない、どちらもモダンなデザインだが美しくないと言いたいだけだ)」
「実は興味津々」
「デザインについてどう感じるか、自分でもよく分からない。実車を見てみないと本当の意見は言えないな」
「GRとM部門の台頭が、AMGを刺激して再びまともになってくれるといいんだが」
「すでに10年前の車に見える。期待外れの製品を開発するのに時間をかけすぎるトヨタの伝統芸だな。目新しいものは何もないが、少なくともバカみたいに重い。すごいね。よくやったよ、トヨタ」
↑「BMWとかがやってるデザインに比べれば、かなりクリーンで良いデザインだろ。サイズと重量は現行アストンマーティン ヴァンテージに近くて、AMG GTより300kg軽くてパワーもある。いつものように、ただ文句を言うために文句を言ってるだけに聞こえるぞ」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2025/12/82853/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 070

アーカイブ