書評コーナーは、プリンス自動車の光芒 名車スカイラインを生み出した自動車メーカー、プリンスを知るにふさわしい1冊。
いま様々な意味で話題の日産自動車。その起源をたどるとあるメーカーが浮かび上がる。それがプリンス自動車だ。いまもなお歴史を刻むスカイラインをはじめ、過去にはグロリアや御料車のプリンスロイヤルを開発したメーカーでもある。また、モータースポーツ界においてはR380などで日本グランプリに優勝するなどの名門といえる。
そもそもプリンス自動車は、立川飛行機と中島飛行機の航空技術者が中心となって設立された。その独自の技術力を生かし、たま電気自動車をはじめ数々の先駆的な自動車を開発。前述の通りレース舞台でも大活躍した。
本書は、著者の長年の取材をふまえ、プリンス自動車の誕生から終焉まで、その栄光と苦難に満ちた足跡を、多数の図版とともに解説。またプリンスという名はもともと車名からとられたことなどにも触れられ、このメーカーの歴史を把握するにふさわしい1冊といえる。
なお本書は2021年刊行の『プリンス自動車の光芒 増補二訂版』をベースに、日産自動車が昨年、創立90周年を迎えたのを機に、本文の内容はそのままに、カバーを一新した新装版である。(内田俊一)
題名:プリンス自動車の光芒 <増補二訂版 新装版>
副名:1945-1969
著者:桂木 洋二
発行:グランプリ出版
定価:3,080円
ISBN978-4-87687-417-0
フェラーリ 12チリンドリ/Mini, モーク, イセッタ:レトロなEVバブルカー/ハイパーカーメーカーのボス対談:トップギア・ジャパン 064