左ハンドルのみの設定が日本のAMGオーナーの意向を感じさせる、新型メルセデスAMG GT クーペ

日本はAMGの重要市場となっているが、新型メルセデスAMG GT クーペが発売された。ステアリングは左のみと、AMGオーナーの意向を感じさせる設定だ。

SLS AMG、初代GT 2ドアクーペ、GT 4ドアクーペ、SLに続く、5番目のAMG独自開発モデルとなる新型メルセデスAMG GT クーペが発売され、発表会が行われた。プレゼンテーションはメルセデス・ベンツ日本合同会社の社長兼最高経営役員の上野金太郎氏、営業企画部 専任部長の林 征志氏だ。27,500,000円でステアリングは左のみ。

1967年に誕生したAMGは、モータースポーツこそが技術力の優秀性を何よりも安定的に示すという、確固たる信念に基づき、創業からずっとモータースポーツに携わってきた。長きにわたるモータースポーツとの関わりにおいて、近年ではF1と並ぶ重要な活動として、AMG GTによる活動を行っている。 カスタマーレーシングにも大変力を入れておる。カスタマーレーシングはAMG GT3やGT4をユーザーが購入して、レース活動をサポートするものだが、現在グローバルで300を超えるレースに参戦している。日本では、国内でも最も人気の高いスーパーGT、スーパー耐久シリーズにGT3が参戦。年初のデイトナ24時間、3月中旬に行われたセブリング12時間レースでもAMG GT3がクラス優勝をしており、世界の第一戦で勝てるマシンを供給しサポートすることでそこで培った技術を実際に市販車にも取り入れている。

今ではサーキットのノウハウを取り入れているAMGだが以前は、メルセデス・ベンツの市販車をパワートレインの高出力化やスポーティなエステリア、ラグジャリなインテリアに仕立てて販売をしてきた。転機となったのは、2010年に発表した、AMGが初めて独自で開発いたしたスポーツカー、SLS-AMGである。ガルウィング、ドア、そしてロングノーズ、ショートデッキが特徴のSLS-AMGは、美しく圧倒的な存在感がある。スポーツカーのスタイリングの中にスポーツカーのパフォーマンスを備えるモデルでクーペとロードスターの2モデルをラインナップに揃え後にさらにパフォーマンスを向上したSLS、MG、GTを加えていった。2015年には、SLS AMGの後継モデルとして、初代のメルセデスAMG GTを発表。メルセデスAMGのスピリットと技術を余すところなく備えたスパルタンなスポーツカーとして認知されている。どちらのモデルも、スーパーGTやスーパー耐久、全世界のモータースポーツで、また世界最高峰のモータースポーツである。F1のセーフティーカーとしても活躍をしている。

AMGの販売に目を向けると、日本は大変AMGの人気が高い国だ。年々販売台数が上がっている。2017年にはメルセデス・ベンツ車に対するAMG車の比率は6%程度だったが、昨年には、18%まで上昇した。モデル数の増加、例えばコンパクトな3号モデル、2リッター最強エンジンを搭載する45モデル、日常での使用もワインディングでのスポーティな走りもこなす、43モデルや53モデルの追加により、新たなファンを獲得していることが大きな要因となっている。全世界で見ても日本市場は常に世界で5番以内に入る大きなマーケットであり、メルセデスAMG本社でも重要なマーケットの一つとして位置付けされている。

新型メルセデスAMG GT クーペは、新たなサイズコンセプトを採用し、ダイナミックな走行性能を備えるのと同時に、デイリーユースの快適性を高めたスポーツカーとなった。 センシュアルピュリティのデザインとメルセデスAMGのDNAを高次元で融合させた彫刻的なエクステリアとなり、パフォーマンスラグジュアリーを体現した現代のスポーツカーを代表するスタイリングになっている。エクステリアの特徴として、フロントは長いボンネットに力強く隆起するパワードーム、低く構えたボンネットから奥行きが深く幅広のAMG専用フロントグリルを低い位置にレイアウトしている。またワイドな視覚効果と空力性能に優れたフロントバンパーを採用することでダイナミックなフォルムを強調した。ヘッドライトは片側100万画素以上の高解像度となる、ウルトラハイビームを備えたデジタルライトを採用。

エンジン前方のアンダーボディには、走行安定性を高めるアクティブエロダイナミクスシステムを装備。一定の条件で走行した際、この超軽量カーボンファイバーパーツが約40mm加工し、ベンチュリ効果によって車体下部への空気の流れを加速させることで、フロントアクスル部のリフトを抑制する。サイドは長いボンネットに続き、大きく傾斜したAピラーと、後方へオフセットしたコンパクトなキャビンだ。大きなテールゲートを備え、リアを低く構えた丸みのあるファストバックのシルエットが、メルセデスAMG GT クーペ独自のダイナミックなプロポーションを形成している。際立つショルダーライン、エッジのない面の抑揚による美しいパネル、力強く張り出した前後フェンダーが、エレガンスとスポーティネスを融合した。また、足元には21インチの単像アルミホイールを採用し、パワーとダイナミズムを強調している。

低く構えたパワフルなリアエンドには、薄型で水平に伸びるLEDリアコンビネーションランプを採用し、明確で精密なグラフィックスが特徴だ。ダークレンズのLEDリアコンビネーションランプは、3つの立体的な光のドットデザインを採用している。また、電動格納式のリトラクタブルリアスポイラーは、大型のテールゲートに一体化された。このリアスポイラーは、走行状態によって5つのポジションに切り替わり、操縦安定性の向上や空気抵抗の軽減に貢献する。続いて、インテリアだ。ステアリングホイールは各機能の操作を手元で行えるAMGドライビングコントロールスイッチを備えた最新世代のAMGパフォーマンスステアリングホイールを採用している。もちろん、対話型インフォテイメントシステムのMBUXを採用しており、センターのメディアディスプレイには、ナビ、オーディオ、電話など複数のメニューをまとめて表示できるゼロレイヤーデザインを採用し、操作性、利便性を高めることができるようになっている。またAMG専用のAMGパフォーマンスメニューが用意されており、ボタン一つで様々なデータを呼び出すことができる。例えば、エンジンの出力やトルク、横方向加速度、タイヤ空気圧、オイル温度、それに加え前後の走打角も確認できる。また、AMGトラックスペースを備えており、レーシングコースのタイムを計測でき、ドライビングパフォーマンスの向上に役立つ。ナッパレザーのAMGスポーツシートは、優れた快適性に加え、ホールド性を高めた。オプションのAMGパフォーマンスパッケージ選択時に装着される、ヘッドレスト一体のAMGパフォーマンスシートは、さらにホールド性を高めており、激しいコーナーでもステアリング操作をスムーズに行うことができる。さらにシングルオプション設定の可動式リアシートを選択すると、2プラス2のシートレイアウトとなり、150cm以下という身長の制限はあるものの、最大4名までの乗車が可能となる。

荷室容量は、2シーター仕様では321リッター、オプションの可動式リアシート仕様では、後席を倒すことで最大675リッターのラゲッジスペースを確保した。スポーツカーでありながら、日常仕様の利便性を確保することで、これまで以上に利用シーンが広がる。

パワートレインは、ツインスクロールターボチャージャーを2機搭載したAMG 4リッターV8ツインターボエンジンを搭載。最大出力585ps、最大トルク800Nmという圧倒的なパフォーマンスを発揮する。このエンジンはアファルターバッハのエンジン工場で、ワンマン、ワンエンジンの原則にのっとり、すべて手作業で組み立てられておる。なお、このエンジンを搭載するにあたり、新たなオイルパンの設計やインタークーラーの搭載位置、フランクケースに対するベンチレーションなど、先代モデルから数多くの変更が施されている。トランスミッションはAMG SpeedShift NCT 9速を採用。一般的なトップコンバーターに変えて、湿式クラッチを採用したことで、軽量化が可能となり、加速時や負荷変動時のアクセル操作に対するレスポンスが向上し、マニュアルトランスミッションのようなダイレクト感を味わえる。前後のトルク配分が変更可能な4輪駆動、AMG 4MATIC PLUSを採用。前後の配分比を50対50の4輪駆動から後輪のみの駆動へシームレスに切り替えることで、ドライ、ウェットなど、いかなる路面状態でも走行安定性を高めている。また、リアアクセルに電子制御リミテッドスリップデフを標準装備することで、あらゆる走行状況において、卓越したトラクションと最大限の走行安全性を約束する。

車体にはアルミニウム、スチール、マグネシウム及びファイバー製のコンポーネントを使い、 高剛性と軽量化を同時に実現している。ボディシェルのねじり剛性は、旧型比で18%向上、横軸の剛性は50%、縦軸の剛性は40%高くなった。ドライビングパフォーマンスとメルセデスの高度な快適性・安全性を両立した。全てのアームやオイルキャリアを単像アルミニウム製とすることで、バネ下重量を抑えている。フロントアクセルには5リンク式を採用し、運動性能が大幅に向上した。ホイールをコントロールする部分とサスペンション機能を受け持つ部分を相互に独立させることで、高い横方向加速度への対応を可能としつつ、ステアリングシステムに対する駆動力の影響を最小限に抑えている。サスペンションはAMGアクティブライドコントロールを採用し、電子制御式ダンパーの伸び側と縮み側、それぞれ無段階に独立させるようができる。ドライビングシーンに応じて、4輪それぞれが常に最適なダンピング特性を発揮することで、スポーツ走行時のダイレクトなハンドリングとデイリーユースの快適な乗り心地を両立している。また、リアアクセルステアリングも標準装備。車速に応じて後輪打角を与えることで、アジリティと安全性、安定性という2つの特性を同時に備えたハンドリングが可能となっている。

AMG Dynamic Selectには6つのモードがあり、これを切り替えることで、車の特性を快適性重視からダイナミックな設定まで広い範囲にわたって変化させることができる。様々な走行状況やドライバーのニーズにぴったり合った走りをお届けすることが可能となっている。メルセデスならではの先進機能を備ええたレーダーセーフティパッケージを標準装備しておる。高精度な運転支援によって安全性を大幅に高め、ドライバーの疲労を軽減する。以上のように、新型メルセデスAMG GT クーペは、メルセデスAMG社のトップパフォーマンスモデルの一つとして、極めてダイナミックな走行性能と卓越したスポーツ性を備えると同時に、新しいサイズコンセプトや2+2シートを設定するなど、デイリーユースとしても快適に使えるモデルとして、ユーザーのニーズにより一層応えられる車となった。

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