2024年以降のベントレーはエシカルに 日本限定10台のベンテイガ アズール ニンバス コレクション


日本専用10台の限定車「BENTAYGA Azure Nimbus collectionベンテイガ アズール ニンバス コレクション」が展示された。ブランドダイレクターに就任した遠藤克之輔氏にインタビューを行った。

日本専用10台の限定車「BENTAYGA Azure Nimbus collectionベンテイガ アズール ニンバス コレクション」が2月23日(金・祝)-24日(土)の2日間、東京・六本木ヒルズカフェ/スペースに展示される。一般公開に先立ち、プレスへのお披露目が行われた。

これは、ベントレーモーターズジャパンが、ベントレー正規輸入開始60周年を祝して、マリナー部門がその最高のクラフツマンシップを特別に日本に提供して制作した、10台限定の「ベンテイガ アズール ニンバス コレクション」である。

「雨雲」を意味するニンバス(NIMBUS)は、エクステリアカラーに雨雲をインスピレーションした特別カラー「クラウドグレー」を採用し、インテリアにはオデッシアンスタイルの刺繍を施すなど、ベントレーの他のどのモデルとも異なる、スポーティでコンテンポラリーなラグジュアリーを体現した新しいプレミアムモデルだ。この限定モデルのムービーには、2022年にフリースタイルフットボールの世界チャンピオンに輝いた「Leon」と同じくフリースタイルフットボーラーの「Kazane」が出演しており、イベント内で初公開される。また会場では、ペイントアーティスト「はくいきしろい」がニンバスをイメージして制作したアートや、そのアートを施したベントレーのラグジュアリーSUV「ベンテイガ オデッシアン エディション」モデルも見ることができる。発表会は、Kazaneの鮮やかなパフォーマンスから始まり、新しくブランドダイレクターに就任した遠藤克之輔氏がプレゼンテーションを行った。

「この素晴らしいベントレーのブランドに加わることに非常にワクワクしています。ベントレーはすでに100年を超える素晴らしい歴史を持つ、本当にユニークなブランドです。日本にはプレミアムやラグジュアリーのオートモティブブランドがたくさんありますが、ベントレーはそのパワートレインとラグジュアリーの要素が究極に融合したユニークなブランドです。特に、サステナブルやエシカルが今叫ばれている中、我々はラグジュアリーオートモティブのブランドとして、ビヨンド100の戦略としてそれを発表しています。このような我々のユニークな魅力を、今後はラグジュアリーのライフスタイルブランドとしてたくさんの方々に楽しんでいただきたいと思っています。今日のニンバスコレクションの発表は、その先駆けとなるものですので、ぜひこの車とこの世界観を存分に楽しんでいただければと思います」

「ベントレーのマーケティングおよびビジネスの戦略の方向性について触れさせていただきます。クライアントとの接点となる4つの要素があります。ウェルビーイング、リアルエステート、トラベル、フードと食、さらにアートや音楽などです。我々は、ベントレーというブランドを様々なクライアントとコミュニケーションする際に、プロダクトの素晴らしい性能だけでなく、お客様が持つ特別なライフスタイルも考慮しています。お客様はベントレーとの人生をとても楽しんでいます。これからは、いろんな戦略を推し進めていくにあたって、お客様とのライフスタイルの接点を中心にコミュニケーションしていきます。すでにツーリングのイベントや、今日のNIMBUSのアートとのコラボレーションなど、様々な取り組みが行われています。これからも、ベントレーはファッション、食、トラベルなど、様々なライフスタイルのブランドとして、立ち上がっていくことが増えていくと思いますので、ぜひ楽しみにしていただければと思っています」

「ベンテイガ アズール ニンバス コレクションについてです。ベントレーのビスポーク部門のマリナーという部門がありますが、こちらは日本正規販売の60周年を記念して製作した特別な限定10台のコレクションになります。NIMBUSというのは雨雲の意味ですね。このグレーの特別なカラーリングをインスピレーションにして、マリナー部門がエクステラカラーのベルガーピンストライプを入れ、とてもアーティスティックな雰囲気の仕上がりになっています。車両のスペックについてお話を進めてまいりましょう。特筆すべき点がいくつかございます。まずはエンジンですね。こちらはV8のツインターボで、最高出力は550馬力、トルクはなんと770Nmです。これはすでに大変好評を博している我々のパワートレインとなります」

「そして、カラーリングについてですね。このインテリアは、ビスポーク部門であるマリナーが特別なあしらいを加えたスペシャルなモデルで、アートとクリエイティブが融合した、若干スポーティな雰囲気を感じさせるデザインとなっています。そして、今回一番のトピックとして、マリナーが挙げられます。マリナーとは、数百年もの歴史を持つベントレーの特別なコーチビルダーです。我々のクライアントは様々なご要望を持っていらっしゃいますが、その特別なカスタマイズを実現するのがマリナーの部門です。例えば、国家元首の方の特別なリムジンなど、限界を知ることのないようなカスタマイズも手掛けています。亡くなられたエリザベス女王が愛用されていたリムジンも、マリナー部門が手掛けた車の一つです。今回のマリナー部門は、その技術、経験、歴史を最高のクラスマンシップという形で、このニンバスに注いでくれました」

「車内のインテリアについてです。このインテリアは、チャコールをハンドメイドとした特注のインテリアです。そして、モードライトです。車の中に入っていただくと、クライアントを迎えてくれます。そして、ベントレーのお客様が全員口を揃えておっしゃっていた「1000キロ以上走っても全く疲れない」というまさに走るコンパートメントというようなインテリアです。こちらの内装も今回のニンバスコレクションのために特別に作られたものになっています。中にはレザーステッチがあります。これは外に展示してありますオデッシアンをベースにしながら、幾何学的なオーバーレイ、何重にも組み合わせた手仕上げのグランドブラックウッドというインパネのパネルです。今回のニンバスコレクションは、この中でドライビングする方も含め、パッセンジャーの方も心ゆくまで楽しんでいただけるような室内です。足回りについても少しだけ触れておきます。今回のホイールは専用デザインで、22インチの10本のホイールとなっています。このホイールは、ドライバーとパッセンジャーに最高の快適性をもたらすだけでなく、そのスタイリングや足回りも含めて、街行く人たちが必ず振り返るようなスポーティな印象を街に提供してくれると思います」

車のご紹介をここまでしてまいりましたが、今回のこのアートの展示イベントにコラボレーションをいただいているアーティストの方についてもご紹介させていただきます。「はくいきしろい」という名前のアーティストの方々は、非常にユニークな美術作品を手掛けられており、同じものは二度と一つとして作れないという特徴があります。彼らの作品は、形状をステッカーとして落とし込んでおり、それを様々なものに貼って楽しんでいただけます。彼らはアートの活動にこだわり、今回はそのアーティストとコラボレーションしています。また、金曜日と土曜日には一般にこちらの会場を開放し、ワークショップを行い、お客様にもこのアート作品をステッカーで手軽に持ち帰って楽しんでいただく取り組みも予定しています」

「外に展示されているオデッシアン エディションはハイブリッドのV6モデルであり、特に我々がエシカルなラグジュアリーブランドとして、フォーカスしているサステナビリティの面に注目をいただいています。例えば、英国の天然ウールを素材としてインテリアに利用し、また、塗料のランカーの使用量を90%以上削減するなど、環境に配慮したモデルとして開発されました。このオデッシアンに限らず、ベントレーは本社工場で、太陽光の電力を利用して多くのエネルギーを賄っています。また、水の使用についても、すべての排水を再利用し、工場内での車両移動においても、CO2排出量やエンジン排気ガスを極力削減する取り組みを行っています。当社は2030年までに、完全に電動化したラグジュアリーオートモービルを提供することを目指しており、そのために2025年から1台ずつ電動車を導入するという「5in5」という戦略を展開しています。すでにプラグインハイブリッドのベンテーガーやフライングスパーなどのモデルを提供していますが、来年もさらにサステナブルな環境への取り組みを加速し、Nimbusコレクションを通じて、ベントレーというブランドをライフスタイルとして楽しんでいただけるよう努めて参ります」

遠藤氏へお話を伺った。
―ベントレーモーターズ ジャパンの現職に就かれましたが、これまでのご経験や高級車ブランドでのご活躍から、ご自身の強みをベントレーではどのように活かしていこうと考えておられますか?
この車の魅力やブランドについて、深く知るにつれてますます魅力を感じますね。中に入ってからは、たくさんのことを学ばせていただいて、本当にワクワクしています。私自身としては、ラグジュアリーブランドが持つ特別な要素、特に持続可能性や社会への貢献、そして顧客への配慮などについて、そうした魅力を感じていただけるかどうか、非常に重要だと思っています。ブランドがただ存在するだけでなく、楽しんでいただいている顧客の皆様に、何が好きで、何を期待されているのかを対話しながら理解し、その期待を超えることが大切だと考えています。そして、同時に、ブランドがそうした存在であることが重要だと思います。そのためには、今日お話した4つのポイントや、ライフスタイルブランドが、今後のベントレーにおいて重要になると考えています。

―過去3年連続で日本で記録的な販売実績を達成しましたが、その成功に寄与した要因はなんでしょうか?
ベントレーというブランドには、伝統的なフライングスパー、コンチネンタルといったモデルがありますが、やはりベンテイガというSUVは新しいお客様に非常に受け入れられている要因です。

―ラグジュアリーSUV市場の中で、ベンテイガの優位性はどこにあるとお考えでしょうか?
他のモデルと共通している点もありますが、まずはパワートレインの優秀さが挙げられます。エンジンや足回り、動力性能などが、通常の街乗りに必要な能力をはるかに上回っています。そのため、普段お使いになる際の安心感や、この車の懐の深さが大きく異なるポイントです。もう一つは、インテリアの雰囲気ですね。ベントレーが持つ洗練されたエクセレンスや、エレガントな部分は、他のブランドの車にはない要素です。そこが皆さんがお買い求めになる理由だと思います。SUVは他の車と比べて、趣味性よりも日常の様々なドライブに使用される傾向があります。そのため、パワートレインやエレガントな室内空間などが非常に好評を得ているのだと思います。

ー今回発表された日本専用10台の限定車、ベントレー ベンテイガ アズール ニンバス コレクションは、日本の好成績の中で、どのような意義を持っているでしょうか?
まず、新しいお客様に対しては、新規性を重視する意味で、ベントレーは非常に注目される存在だと思います。ですので、ずっとご愛顧いただいているクライアントだけでなく、若干年齢層が若い方や女性の方、またはアートやスポーツフィンなど、ベントレーと少し距離があるように感じられる要素に興味を持つ方々にも、そういった車のリミテッドエディションを通じて、興味を持っていただける役割を果たしています。
既存のクライアントの中には、限定車が発売されるとすぐに連絡をくれて、まだ実車は見ていないけれど、発注を入れてくださる方がいらっしゃいます。また、今回のような新しい形での取り組みを通じて、ラグジュアリーなショッピングエリアで、そういった新しいアプローチに取り組むことで、その情報を知った顧客が注文をすることもあります。

ー残念ながらだんだん12気筒が終了し、V8と6気筒が中心になっていく流れだと思いますが、パワートレインによってユーザーのライフスタイルは変わっていますか?
12気筒、8気筒、6気筒というエンジンの違いによって、車両の重量やドライビングフィールが変わりますので、日常使いや軽快な運転を好まれる若い方や、趣味としてだけでなく日常的にお使いになる方には、8気筒や6気筒がよりご愛顧いただける傾向があります。一方、12気筒には伝統的な歴史があり、エンジンのサウンドやフィーリングが全く異なりますので、これまでのベントレーを好きになってくださった方々にとっては、ベンテイガ スピードなどの12気筒も魅力的ですね。

ープレゼンテーションでエシカル(ethical)*というキーワードが新鮮だったのですが、ベントレーにおいては、どんな意味合いなのでしょうか?

*「エシカル」という言葉は、「倫理的な」「道徳的な」「善意のある」といった意味を持ち、特に環境や社会への配慮や責任を意味する場合に使用される。例えば、エシカルな消費とは、環境にやさしい製品や社会的に責任のある企業を選択することを指す。エシカルという言葉は、ビジネスや個人の行動において、利益だけでなく環境や社会的な影響を考慮する姿勢を表現するためにも使われる。企業がエシカルなビジネス実践を行うことは、CSR(企業の社会的責任)やサステナビリティ(持続可能性)の一環として重要視される。

エシカルなブランドや車が存在する意味は、この世の中において、地球環境や社会と共同して様々なドライブを楽しむことが前提条件となっているからだと思います。ラグジュアリーなブランドであるからこそ、地球環境や社会課題に対する取り組みが求められる時代ですし、ベントレーはかなり前からそれに取り組んできました。そのため、非常にユニークな存在であると言えますね。
本社のクルーにもミツバチの箱が5箱あり、約30万匹以上のミツバチを飼育しています。また、工場が全てカーボンフリーになり、認定を受けています。これらの取り組みは、お客様自身も期待している部分であり、私たちがリーディングブランドであるべきだと考えています。日本の方々にエシカルと言った時には、単に豪華で華やかなだけでなく、社会との共生を考えるラグジュアリーブランドであることを打ち出したいと思います。

―ベントレーモーターズ ジャパンがどのような将来戦略と目標を持っているかを共有していただけますか?
必要なのは、やはりライフスタイルというブランドを多面的にアプローチして、分かっていただくことですね。単に自動車という製品だけではなく、例えば旅や食、そしてアートとの絡みなど、多岐にわたる要素が重要です。2024年から2025年にかけて、電動化やエシカル、サステナブルな取り組みが密接にリンクしていますので、その取り組みをプロダクトと一緒に、より分かりやすい形で広く知っていただく必要があります。今回のような一般の方が訪れられる場所での取り組みを行ったも、その一環です。これからも、様々な方法で当社のブランドを広く知っていただけるよう努めてまいります。

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