世界限定18台のベントレー バトゥール、開発プログラムの全過程を終了

2台の開発車も顧客向けと同じレベルのクラフツマンシップで製作

ベントレーの究極のグランドツアラーであるコーチビルドカー、バトゥールは、性能と耐久性の最高水準を満たすことを保証し、車両開発プログラムの全過程を完了した。バトゥールの顧客向け車両は18台のみ生産される。価格は1台165万ポンド(2.75億円)で、完売している。日本でも少し前に、バトゥールのショーカーが披露された。

バトゥールの顧客向け車両は、マリナーのワークショップで18台のみ手作業で生産されるのだが、ベントレーの厳しいテスト体制にも妥協はない。アリゾナ州の砂漠では5年間過ごすのに相当する600時間の太陽熱負荷テストも実施し、バトゥールの構造に使用されている持続可能な素材が、生涯の使用に耐えうる堅牢性を備えていることを確認した。

オリジナル開発車である0号車は、通常の開発プロセスで製造されたわけではない。今後発売される18台の顧客向け車両と同じレベルのクラフツマンシップで作られた。特注のエクステリア仕上げであるパープルセクターに加え、フロントスプリッター、サイドスカート、リアディフューザーは高光沢のナチュラルファイバー仕上げだ。グロス・ダークチタニウムのメインマトリックスグリルは、中央のパープルセクターから徐々に暗くなり、周辺部ではブラッククリスタルへと流れる水平オンブレパターンのコントラストシェブロンがアクセントとなっている。エンドレスボンネットのラインはサテンチタニウムで仕上げられ、22インチホイールはグロスブラックとサテンブラッククリスタルのスポークを備えている。2台目の開発車両であるエンジニアリングカー#00は、同じく印象的なマリーナティール仕上げだ。これらの特注仕上げや、ワンオフのLEDヘッドランプユニットなどの新しい部品は、2,500kmのヨーロッパツアー、クローズドサーキットでの高速テスト、過酷な環境での長時間使用など、一連の厳しい耐久性テストに臨みた。160週間に及ぶ集中的な開発作業の中で、合計800以上のユニークなワンオフコンポーネントがテストされ、その耐久性が証明されたのだ。

バトゥールを駆動するW12気筒エンジンの起源は、2003年のコンチネンタルGTまで遡る。W12気筒エンジンは、ベントレーが自動車のラグジュアリーブランドの頂点に立つために、文字どおり、そして比喩的に力を発揮してくる。W12は進化を続け、世代を重ねるごとに、よりパワフルで洗練された効率的なものとなっている。ベントレーが完全電動化への道を歩み始めた今、バトゥールのW12は、この驚くべきエンジンを祝うと同時に、その別れを惜しむものでもある。750PSの最高出力は、W12エンジンとして最もパワフルであり、つまり、ベントレー史上最もパワフルなパワートレインと言える。新しいエアインテークシステム、改良型ターボチャージャー、改良型インタークーラー、エンジン、トランスミッション、電子安定制御の新しいキャリブレーションは、100週間以上にわたるパワートレイン開発で限界までテストされた。エンジンの息を呑むようなパフォーマンスは、これまでで最も先進的なベントレーのシャシー仕様にマッチしている。スピードチューンドエアサスペンション、電動アクティブアンチロールコントロール、eLSD、オールホイールステアリング、トルクベクタリングなどがそのハイライトだ。

バトゥールの製作に使用された高度な技術により、マリナーは現代では考えられないほど個性的な製品を提供することが可能になった。天然繊維などの持続可能な新素材やアディティブ・マニュファクチャード・ゴールドなどの技術により、マリナーのデザイナーは無限に近い選択肢を得ることができ、究極のグランドツアラーという独自のビジョンを実現することができるのだ。

あらゆるテストを見事にクリアしたバトゥールは、次のステージに進む準備が整った。18台のバトゥールはすでに予約済みで、各顧客はマリナーの社内デザインチームの指導のもと、共同創造のプロセスを続けることができる。なお、18台の中に、日本の顧客は入っていないという。バトゥールのほぼすべての表面の色や仕上げを指定できるほか、キャビンのために特別に設計され、20個の新しいFocalスピーカーを搭載したマリナー・バイ・ネイム(Mulliner by Naim)オーディオシステムなどのオプションも提供される予定だ。バトゥールは今後数ヶ月の間に、イギリスのクルーにあるベントレーのカーボンニュートラルな工場内にあるマリナーのワークショップで、それぞれ手作業で作られる予定だ。

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2023/06/60702/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ