本格SUVはランドローバーしか勝たん!新型レンジローバー スポーツ


第3世代の新型レンジローバー スポーツ(RANGE ROVER SPORT)が、日本でお披露目された。日本では2種類のエンジンがあり、2つとも直6のエンジンだ。1つは300馬力のディーゼルのエンジンで、もう1つは400馬力のガソリンのエンジン。2つともMHEVのマイルドハイブリッドのエンジンになる。RANGE ROVER SPORT S 10,680,000円、RANGE ROVER SPORT DYNAMIC S 11,190,000円、RANGE ROVER SPORT DYNAMIC SE 11,920,000円、RANGE ROVER SPORT DYNAMIC HSE 12,960,000円、RANGE ROVER SPORT AUTOBIOGRAPHY 14,570,000円というラインナップだ。そして、会場の別室には、超ラグジュアリーなレンジローバー SVも展示されていた。

ジャガー・ランドローバー・ジャパンの代表取締役社長、マグナス ハンソン氏が冒頭の挨拶を行った。
「多くの自動車メーカーが、SUVを発売していますが、1947年にモーリス ウィルクスが、英国アングルシー島の砂浜にスケッチを描いた時から、ランドローバーはオフロードのパイオニアかつリーダーであり、世界で唯一のプレミアムSUVに特化した存在となっております。1970年にフラッグシップモデルでもあるレンジローバーが登場しました。レンジローバーは、世界初のラグジュアリーSUVとして、また、プレミアムオフロードSUVとして革新的な存在でした。それ以来、レンジローバーは自動車業界のリーダーとして君臨しています。レンジローバーはラグジュアリーSUVというジャンルを、世界で最初に築いただけではなく、50年以上にわたってこのセグメントを進化させ続け新型モデルが出る際にはラグジュアリーSUVを再定義して参りました。フラッグシップモデルであるレンジローバーの成功に伴い、レンジローバーファミリーは2005年に発売されたレンジローバー スポーツを始め、ヴェラールやイヴォークといった派生モデルを登場させ、ファミリーを拡大させてまいりました。本日ご紹介する第3世代となるレンジローバー スポーツはランドローバー史上最も先進的なシャシーテクノロジーを採用しており、人目を惹く存在感と直感的なドライビングレスポンスを兼ね備えた先進技術と走破性に長けた、もっとも魅力的なモデルです。デザインはモダニスト的なアプローチを全面に取り入れながら非の打ち所のないスポーティーさと確立したキャラクターを表現しています。ハリのあるサーフェスやダイナミックなスタンス、筋肉質なプロファイルなど、世代を超えて一目でレンジローバー スポーツだとわかるDNAを受け継ぎながら、レンジローバーファミリーの特徴である洗練性とラグジュアリーでもさらに進化させています。新型レンジローバー スポーツはモダンラグジュアリーパフォーマンスSUVの限界を押し広げ、間違いなく先代モデル同様、大きな成功を収めることでしょう。
日本におけるランドローバーブランドは成長を続けており、ラグジュアリーSUVの需要も増え、過去10年間で受注台数が10倍以上に拡大しています。近年、日本におけるランドローバーの販売を強化し市場の関心を引き続けることができたいくつかの新型車を発売しました。2019年に発売した新型ディフェンダーは年々受注が拡大しております。最新の8人乗りの130サイズのディフェンダーを発売したところ、初年度の生産枠が瞬く間に埋まり、限定モデルは約10倍の倍率での抽選販売となりました。今年1月から日本で発売された第5世代目のレンジローバーは先代のピーク時と比較して、3倍から4倍に達しています。日本においてはこれまで駐車場のサイズによって購入をあきらめるケースもありましたが、最近ではランドローバーのSUVを購入するために駐車場を確保するといったような逆転現象さえ見られるのです。これはランドローバーが日本のお客様にとって興味のある魅力的な製品を投入していることの証です。
残念ながらグローバルなサプライチェーンの問題もあり、購買欲と需要の高まりにより本当に長い間お待ち頂いてるお客様もいらっしゃいます。この問題を解決するために最善の努力をしていますが、お客様には大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ランドローバー市場最も先進的でダイナミックな走破性を兼ね備えた新型レンジローバースポーツですラグジュアリーパフォーマンスSUVの新たなベンチマークを打ち立てます」

続いて、マーケティング・広報部・本部長/ディレクターのマシュー スリース氏から、車両についての説明があった。レンジローバーファミリーの52年間の歴史の中にこのレンジローバー スポーツというモデルが初めて登場したのは2005年。レンジローバーのラグジュアリーさに、筋肉質なフォームとよりスポーティーな走りを加えたのが、レンジローバー スポーツである。初代は成功を収めたが、第2世代目の車が2013年に登場して、その記録を大幅に上回った。そして、第3世代目のデビューだ。

このクルマはレンジローバー スポーツの特徴を全面的に磨き上げて、スポーティーなモデルの走りを再定義している。エクステリアのデザインでは、レンジローバーと同じように基本的な横のフォームは、ルーフライン、ショルダーライン、そしてシールラインの3本の線で説明できる。レンジローバー スポーツでは、よりスポーティーなスタンスを作る、車がよりワイドに見える、より低く見えるようにその線を細かく調整している。

新型レンジローバー スポーツは、ランドローバーの還元主義というデザインの哲学を生かしている。その哲学は余分な装飾、余分な線を最低限に減らして、非常にシンプルで非常にクリーンなデザインにしようとしているものだ。シンプルなデザインは決して簡単な仕事ではない。ランドローバーのデザインチームは様々な工夫をしながらそのシンプルなデザインを実現している。例えばこのデプロイアブルのドアハンドルだが、使っていないときにボディの方に入り込むようにしている。ゴム製のモールは、ドアの中に隠しているなどという工夫だ。ルーフもレーザー溶接を使って線が入らないようにできるだけスムーズでクリーンなデザインにしようとしている。それから、レンジローバーの存在感をさらに強調するために、初めて23インチのホイールを使っている。

フロントでは、オーバーハングをできるだけ短くし、スポーティさを強調。LEDのヘッドライトは今までのヘッドライトよりさらに細くなっているが、実はこのヘッドライトの中に約130万個の非常に小さいマイクロミラー、小さい鏡が入っている。その鏡を細かく調整することで、最大16個の対象物のシャドウィングができる。光も細かく調整することができる。

ロアーグリルにはセンサーやカメラなど安全装備が全部隠されており、端から端までフルワイドになっているので、ワイド感をできるだけ強調しようとしている。リアも同じようにテールライトがフルワイドに配されている。

あとはインテリアのデザインもできるだけシンプルで直線的なデザインだが、レンジローバーならではのラグジュアリーと快適性を妥協せずに、もう少しドライバーを重視する室内空間になっている。センターコンソールは高めかつ斜めになっていて、運転席がそのセンターコンソールに囲まれているように見える。より飛行機のコックピットのような空間だ。真ん中には13.1インチの曲面のタッチスクリーンがある。このタッチスクリーンで車のほとんどの機能を管理することができる。…と聞いたところで、不安になる人もいるかも知れない。だが、大丈夫。インフォテインメントシステムがだんだん複雑になっているが、基本的には90%の機能以上は2回のタッチだけでアクセスすることができるので、直感的だそうだ。

さらに、サステナビリティを重視し、さまざまな新しい素材を使っている。レザーではないリサイクル素材などだ。スポーティな性格を全面に出すために、今回は初めてフォージドカーボンを選ぶことも可能だ。パナソニックのナノイーエックスの技術を使う空気清浄機は2つあり、花粉やウイルスを取り除いてくれるという、現在に必要な装備もついている。レンジローバーと同じように、アクティブノイズキャンセリングの機能が付いている。各ホイールアーチには4つのマイクが入っており、ロードノイズとか雑音を測りながら、それらを反対の音を作って取り消すのだ。それをオーディオシステムのスピーカーやヘッドレスに内蔵されているスピーカーで流して、室内をできるだけ静かにしようとしている。

レンジローバー スポーツは一番ダイナミックでスポーティーなレンジローバーにならなければならないので、オンロードでもオフロードでも優れたパフォーマンスを発揮しなければならない。そこで、ダイナミックなエアサスペンションが導入された。エアサスペンションの中に2つの空気室があり、空気の容量を調整することができる。パフォーマンスを重視したいときには、空気の容量を減らして、よりスポーティーな走りを提供することができるというわけだ。快適性を重視したい場合は、空気の容量を増やして、より柔らかい乗り心地となる。

テレインレスポンス2®というシステムが入っているが、オン/オフロードに対応できるためのさまざまなモードがある。中でも、オンロード用のダイナミックモードが、パフォーマンスを向上させるために、レンジローバー スポーツのために大幅に改善された。それから、オプションでストーマーハンドリングパックを新設定。最もダイナミックで俊敏なハンドリングのためのシャシー技術の究極の組み合わせで、ダイナミックレスポンプロ、AWS、トルクベクタリングバイブレーキング付き電子制御アクティブディファレンシャル、コンフィギュアラブルプログラムを装備している。

もちろん、オフロードの性能も非常に優れている。レインジオーバーと同様、最大渡河性能は900mm。そして、レンジローバー スポーツに初めて、新しいオフロードのクルーズコントロールも導入している。今までのオフロードクルーズコントロールは、基本的にはスピードを設定して、ずっとその速度を維持している。だが、今回の新しい機能は、その道のコンディション、スリップの状況をセンサーとかカメラで監視しながら、速度とサスペンションを自動的に調整している。

そして、電動化の動きに向けて、来年はPHEVのプラグインハイブリッドのバージョンが登場し、電気自動車としては100キロぐらい走ることができるという。再来年の2024年に完全な電気自動車のレンジローバー スポーツが、レンジローバーの電気自動車と一緒に登場する予定だ。

プロダクトマネージャーの生野逸臣氏は次のように語ってくれた。「ラグジュアリーとスポーツを掛け合わせて、今できるベストな回答は何かというのを具現化したのが、このレンジローバー スポーツだと思っています。レンジローバーはラグジュアリー全面で、こちらはスポーツの要素が入っています。特にやっぱりシャシーコントロールでは、今ある技術をふんだんに盛り込んだものになっています。車体の姿勢とか、アクセルワークとか、ステアリング角度とか、そういうのを全部パラメータとして拾って、それに合わせてダンパーの硬さを調整していくんです。それから、迫力の23インチのホイールです。クルマが大きいから23インチを履いているんですが、それでもレンジローバーよりは一回り小さいです。全長が4,960mmで5m切りますから。取り回しもよくスポーティなので、アクティブな方に乗っていただきたいですね」

また、マグナス ハンソン氏にも、話を伺った。
-UKのランドローバーと日本のファンの違いはどんなところにありますか?
「日本のお客様は一般的にヨーロッパのお客様に比べますと、クルマについてよく調べてきていると思います。知識がとても豊富です。イギリスのファンだと、あまり細かいことは気にせずに、ただオフロードが好きだったり、キャンプが好きだったりするようです。チューニングが好きという人もいますね。日本の人にもいますけれど、概して日本の人はテクノロジーについてとても詳しい印象があります。日本のお客様も情熱を持ってランドローバーを愛してくださって、さらに詳細なテクノロジーやスペックを読んだり勉強したりするのが好きなようです。そして知識を得て、色んな質問をしてくださるんです。もちろんとても良いことですし、実際に勉強してくるのは、とてもありがたく思っています。ヨーロッパの消費者の人達はそこまでではないです。ただ乗るのが好き、そしてカーライフを愛しているという感じです」

―アメリカとの違いはありますか?
「アメリカのお客様は流行を追いかけるところがありますヨーロッパのお客様ですと、ランドローバーが好きな人はずっとランドローバーで、他のブランドを買うことはあまりないのです。例えばイギリスのお客様がメルセデスに乗っていたとしましょう。次にもしBMWに乗り換えるとすれば、5年から10年程度はかかります。ですがアメリカのお客様は、メルセデスの後BMW、そして次はレクサスという風に、すぐに車種を変えていきます。2-3年で他のブランドに買い替えてしまう人が多いです。イギリスが日本は、好きなクルマのブランドにずっと乗っているという人が多いですね。日本ではお客様とディーラーとの結びつきがとても強いのも特徴の一つです。日本ではディーラーが一つのブランドを扱うことが多いことも理由だと思いますけれど。日本では一度営業マンがクルマを売ると、納車した後も定期的に連絡を取っています。クルマの状態であったり、はたまた家族の事を聞くなど、お客様から連絡を送るのを待つのではなく、営業マンが自ら電話をかけています。それに対してアメリカは売ってしまったらもう終わりといった傾向がありますね。私どももディーラーとの関係を強くしてお客様の満足度を上げていただく、またお客様との結びつきにも貢献しないとならないので常に課題はありますけれど。まとめますと、ヨーロッパは日本とアメリカの真ん中ぐらいといったところですかね。アメリカはビジネスライクです」

-ジャガーとランドローバーのお客様はどのように違いますか?
「ランドローバーはSUVなので家族向きです。お子様がいらしたり大きな犬を飼っていたり。ジャガーの場合には、既に子供が巣立って年配のご夫婦だけという印象です。ランドローバーの方がお客様の年齢層が5から11歳程度若いですね。また、ジャガーは、男性のお客様が多くランドローバーには女性のお客様もたくさんおられます。それに、紙の上でのオーナーは男性が多いのですが、実は決定権が女性にあることも多いので、女性が何パーセントかというのは分かりにくいです。ランドローバーではこのところ、女性のオーナーが増えてきています。女性も会社の中で昇進、そして役職付きになるなど成功している方も多くなってきていて、そういう方がランドローバーをお求めになっています。いくつかのモデルは女性にとても人気があります。例えばイヴォーク。サイズ感もちょうど良いし、見た目も素敵だからです。ディフェンダーもショートホイールベースの90が女性に人気があります。ランドローバーは現在とても成功しております。ディーラーとの関係性もとても良好なのでお客様の満足度も上がってきていますランドローバーがうまくいっている理由として、かつては年配のお金持ちの男性がお客様だったのですが今はファミリーや家族連れや女性の方までターゲットになっていますのでということが挙げられます。ジャガーの方もカスタマーの層を広げるべく頑張っているんですが、現状ではまだ難しいです。ただし、これからジャガーも電動化に入りますので、また新たなチャンスがあるのではないかと思っています。ジャガーは昔からのファンからの拡大を、これからうまくやっていきたいと思います」

―ランドローバーはSUV専業ですが、現在ではアストンマーティン、ロールス・ロイスやフェラーリまで後発でSUVを出していますが、そのことについてどう思いますか?
「そういった会社がどうしてSUVをやりたかったのでしょうか。ロールス・ロイスやアストンマーティンは最初からSUVは展開していませんでした。やはりビジネス上の収益を上げるためにSUVを出したのでしょう。ランドローバーは全く違って、最初からSUVのみでした。1947年からSUVのDNAが脈々と流れながら、SUVを作ってきましたが、これはビジネス上の目的だけではありません。信念のようなものです。ランドローバーはSUVに特化していますから、専門のノウハウがあります。オフロードもオンロードとも万全です。デパーチャーアングル、トラクションコントロール、渡河水深などどれをとっても秀でています。アストンマーティン DBXはクルマとしては素晴らしいですが、私どものSUVに比べるとオフロード性能は比較になりません。今日の新型のレンジローバー スポーツがとてもよく売れているのですが、お客様の方でオリジナル性とか本物らしさを求める傾向があるからだと分析しています。ランドローバーのDNAが詰まっているということですね。ラグジュアリー、贅沢さ、高級感というものはロジックで話せるわけではなくて、例えば自分達のストーリー性だったり、フィーリングであったり、ロジカルではない部分がラグジュアリーの判断になります。ランドローバーはロジカルなDNAを貫いているので売れているのだと思います」
―ランドローバーはこの先もSUVだけを作り続けていくのでしょうか?
「はい、絶対に。タイプが違うSUVは出てくるかもしれませんが、これからもランドローバーはSUVだけを作り続けます」

さて、新型レンジローバー スポーツが、アイスランドにあるカウランユーカルダムを舞台に、火山地帯、岩場、浸水したトンネルを走破するチャレンジを決行したスペシャルムービーをぜひご覧いただきたい。ステアリングを握るのは、ジェームズ・ボンド映画のスタントドライバー、ジェシカ・ホーキンス氏だ。これを見れば、本格SUVはランドローバーしか勝たん!の理由がわかるだろう。



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