【トップギア試乗】氷上だと実力わかりスギィ!日産 ノート 4WDとオーラ ニスモ

最近トンとご無沙汰だった日産の(ほぼ)オールラインナップ女神湖試乗会が、今年(2022年)は開催されるというので長野県の山の上へ。近くには白樺湖や蓼科もあるリゾート地だらけだ。で、女神湖はというと水の上を走れるわけもなく、当然走るのはカチンコチンの氷の上。だから試乗会といっても、氷上試乗会なのね。

氷の上ならスタッドレスタイヤの試乗会みたいにスケートリンクでやればいいんじゃんと思ったりもするけど、570馬力もあるGT-Rも乗れるから、滑る滑らない以前にリンクじゃどう走っても激突確実。遊園地に昔あったぶつけて遊ぶカートみたいなもんだ。ちなみにあれ、知らない者同士でもガチンゴチンやってたけど、キレやすい人多数、「あおり運転ダメ、ゼッタイ!」な今、あれあったらどうなるのだろうか?ガチャンとやった途端、「ああん?」ってオラついて降りてきたりしてね。

話しは戻って、シーズン的にはドカ雪降ったり、暖かかったりして、よくわかんない気候だったけど、当日はけっこう寒かったらしい。らしいというのは、気温は低いかもしれないけど、日差しはけっこう強くて暖かったから。ご存知のように、氷って少し解けて水が出てくると滑る。試しに地面、正確には氷面を触ってみるとちょい濡れな感じで、走るんかいなと正直思ったほど。ときたま、ビシッビシッと音がして、よく見る温暖化でバラバラになる北極の氷みたいに亀裂が入ってチンボツかと思いきや、寒さで氷が締まる音というから、マジわかんなーい、っす。

で、まぁ氷上試乗会というのはお楽しみ的なところもあって、GT-Rの高性能を堪能したり(うまい下手がめちゃくちゃ出るけど)、スカイラインではやっぱりFRは厳しいとシミジミ思ったり。それにしても昔はみんなFRばっかりだったけど、大丈夫だったのかと今になって心配に。まあ、昔はみんなうまかったのかね。スパイクもあったし。

FFもキックスやノートがあって、4WDじゃなくてもまあまあ走るからこれでいいじゃん。後ろのタイヤはただ付いてくるだけなので、ケツが滑ることもなく、気を使えば走れるといえば走れる。最近のスタッドレスの性能もいいしね。

なんて思っていたら、ノートの4WDに乗ってみろという(ホントは「乗ってくださいね」って丁寧よ、念のため)。じつは前の代でノート e-POWERの4WDが追加されたときも女神湖で乗ったことを思い出し。周りの雪がつもりまくった道路でもうまく発進して加速。止まるときもeペダルのおかげで普通に止まったのに感動したものである。モーターならではのスムーズさと回生ブレーキを利用しているんだから当たり前なんだろうけど、この当たり前が当たり前じゃなくて、当たり前になったこと自体、凄いことだったのはたしか。

ならば今回も新型ノートに4WDがあってバンザーイ。よかったでーす、で終わりがちだけど、そんなことはなし。日々是精進、テクノロジーの進化は素晴らしいものでして、前の4WDに付いていた後ろのモーターはたった4.8馬力&15Nm。つまりオマケみたいな感じで、4輪一体制御というより、後ろからも押して上げるね、的な程度なわけだ。ちなみに作動するのは30km/hまでっていう…。

それでも安心感は倍増なわけで、じゃあ新型はどうなっているのよ、と見てみたらナント!68馬力&100Nmと軽自動車のターボな感じで驚き。スペックだけ見ると凄いし、フツーの路面ならグイグイと押してくれという感じだろう。てか、いい感じだ。でも、今回はヒョウジョウにゃのよね?空回りしておしまいな気がするんですけどー。

しかーし!そんなだったら、天下の日産様も市販するわけはあるまい。で、真面目なことを言うと、カギは全車速での制御になったこと。つまり、すべての車輪をモーターで動かしているし、後輪はどんなときも作動可能。モーターのいいところは電気の流れひとつでち密に制御できることで、前後輪の滑りに対して駆動力を適切に配分して安定性を増したり、アクセルを戻すと効く回生ブレーキを後輪にも採用することで、後ろから引っ張るようになって車体が安定する効果もあったりする。ちなみにモーターの場合、制御スピードは1/10,000秒の単位とのことで、まったくもって異次元レベル。

真面目に語るのも疲れるけど、これ、日産が密かに開発中のe-4ORCEというEV向けの4WDシステムに似ているというか、発想は同じなんだろう。さすがEVの日産。だから、曲がるときも運転している人が曲がりたいんだなと、判断すると後輪の駆動を強くして、FR的にな曲げてくれたりもする。左右のトルクベクタリングはしないので、グイグイと曲がらないけど、思った以上に曲がる。氷の上での思ったよりも、ってのはフツーの路面ならすごく曲がるなのかもしれないけど。

そしてさらに良かったのが、ノート オーラ ニスモ。前のノートからニスモのは好きだったんだけど、今回は曲がったときのしっかり感というかしっかり曲がる感がベースのオーラよりも格段によくてビックリ。氷の上で格段だから、フツーの路面なら、これまた劇的にいいのかもしれぬ。一般道だと滑らないから、わかりにくいかもしれない。結局、イロイロなことがわかって、イヤー、ヒョウジョウ試乗っていいですね。というのが最大の結論かな。
(近藤暁史)

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2022/04/47205/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ