さて、BAC(Briggs Automotive Company)から発表された文書をめちゃくちゃ誤解していなければ、我々の大好きなニッチ・スーパーカーのひとつに水素パワートレインが搭載されることになる。それか、BACがあなたの声をキーキーと高くさせる優れた装置を開発中か、どちらかだ。まあ、商売のバランス的には、おそらく前者だろう。
そう、みなさん、BACがモノのための新しい水素パワートレインを開発するためにヴィリテック(Viritech)と手を組んだというニュースが届いた。まあ、「ニッチな車両用途」の水素を評価するための「フィージビリティ(可能性) スタディ」なのだが、ルーフもフロントガラスもない一人乗りのスーパーカーほどニッチなものはないだろう。
BACの「妥協のないパフォーマンスとドライバーエクスペリエンスの原則」を受け継いだMono「FCEV」は、これまで同様、運転するのが楽しくなるような素晴らしいクルマになると約束されている。BACは、グラフェンやニオブのような軽量素材の実験と並行して、水素FCEVは「車両の走行ダイナミクスにおいて重量が果たす微妙なバランスを維持する」ものだと述べている。
BACの創業者で製品開発ディレクターのニール ブリッグズ(Neill Briggs)氏は、次のように述べている。「代替燃料は、軽量化された構造方法とともに、ドライバーのエンゲージメントを損なうことなく、車両の排出物の量を大幅に削減します。これは、BACで守るべきことを約束するものです」
水素バージョンには乗れていないが、2.5リッターのBAC Monoなら経験済みだ。スーパーカーのパワー トゥ ウェイトレシオと完璧に近い状態を考えると、BACはすでに鳴り物入りの装置を作ったと言えるかもしれない。
=海外の反応=
「自動車人口の0.0%しか占めてない週末の情緒的なおもちゃのために、より持続可能で静かなものがついに登場したってわけね」
「この記事を最後まで読まれた方に真面目な質問。水素パワーセルは、バッテリーセルよりも軽くなりそう?水素は、航続距離が160km以下でも、EVより早く補給できるという理屈だろうか?」
↑「燃料電池の効率が上がり、燃料タンクがもっともっと軽くなれば、そうなるだろうね。タンクの重量は大きな問題だが、FCの効率を60%から90%に上げれば、同じ航続距離であれば燃料タンクを減らすことができるようになる。理論上はね。非常に高価だが、HGVには絶対に最適である。そして、もっとニッチな使い方を研究する価値は常にあるんだ」
↑「現在販売されているHEVは非常に少ないので、なんとも言えない。しかし、販売されているHEVは、少なくともBEVと同程度の重さだ。問題はその複雑さだ。BEVはバッテリーを充電するために外部プラグが必要で、次に電気モーターを動かすためにバッテリーが必要となる。HEVの場合、事実上、車に発電所を組み込んでいるようなもの。それでもバッテリーを充電する必要があるけれど、外部プラグではなく、内部の水素燃料電池を使用している。そのため、車内に余分な部品(専門用語)がたくさんあるのだ。ですから、バッテリーを小さくすることで軽量化しても(常に充電されているので、大きなバッテリーは必要ない)、燃料電池や水素タンクなど、複雑な部品によってほとんど相殺されてしまうのだ。しかし、水素は比較的うまくスケールアップできる。水素タンク自体の重さは約100kgしかないので、たった100kgで航続距離を2倍にすることができる。BEVが夢見るようなことを。ですから、基本的に、小型軽量車に搭載するのは、水素の用途としては最悪だと思う。むしろトラックに搭載してほしい」
↑「今は水素電池よりもバッテリーセルの方がエネルギー密度が高いと思うが、水素の技術は多くの人が導入することで向上している」
「面白いですね。水素燃料電池車は常に航続距離と効率を重視して作られているようなので、その両方を無視して、代わりに出力と軽さを最大化したらどうなるのか、興味深い。ググってみると、FCEVの記録を出すのはかなり簡単なようで、ニュルブルクリンクの記録は、2015年に学生たちが出した「11分以下」という非常に曖昧なものらしい(もっと速い水素駆動のアストンのラピードレーサーもあったが、あれは水素燃焼に切り替えられる内燃機関を持っていて、燃料電池車ではないのだ)。
もしこれを読んでいるTGのスタッフがいたら、トヨタのミライを借りて、この2015年の記録を破ることにチャレンジしてみてはいかがだろうか。同時にミライの既存のFCEVの距離記録である満タンでの845マイル(1,360km)にも挑戦してくれたら、ボーナスマークを差し上げたい。ダンズフォールドからニュルブルクリンクを往復し、さらに数周するのがちょうどいい距離だろう」