70年代から90年代に活躍した、スバルのレオーネベースのピックアップトラック、ブラットを覚えてる?見た目がちょっと近い、新しいEVのピックアップトラック「アルファ ウルフ(Alpha WOLF)」の実物モデルが完成した。もしあなたがこの会社のことや車のことを聞いたことがないとしても、それは十分に理解できること。カリフォルニアのEVベンチャー企業である同社は、昨年、AMGブラックシリーズが顔を赤らめるほどのホイールアーチを持つ、これまでとはまったく異なるレトロなクーペ「ACE」のレンダリング画像を公開して話題になった。その後、ACEを頑丈にジャッキアップしたJAXを公開し、さらにこのWOLFを公開して、注目を集めている。
この話が現実化するのだということを信じたかったし、アルファ社がウェブサイトでデポジット無しで予約を受け付けていることに勇気づけられたのだが、問題は、私たちがこれまで見てきたのはすべてレンダリング画像だったということ。知識としてあったのは、才能のあるデジタルデザイナーが洗練されたウェブサイトを持ち、寝室で空想の車をスケッチしていたということだったのだ。しかし、今回は初めて、実際に手に取り、感じ、歩き回ることができるモデルだ。そこで、私たちはカリフォルニアに行き、実際に体験してきた。
まず、スペックについて簡単におさらいしとこう。WOLFとエクステンデッドキャブのWOLF+(後者は小さなバックドアと2+2シーター)があり、0-97km/hのタイムは約6秒、牽引力はWOLF+で最大3トン以上、WOLFではその半分以下になる。どちらもシングルモーターFRとデュアルモーター4WDの選択が可能で、75kWhのバッテリーを搭載し、約400kmの航続距離を実現している。WOLFの全長は4.7m、全幅は2m弱で、シングルキャブのトヨタ ハイラックスよりも短くて広い。
しかし、CEO兼チーフデザイナーのエドワード リーは、アルファ社がWOLFの最初の「テストプロトタイプ」を2022年の第2四半期までに製造する予定であることを確認している。 この詳細なモデルで興味深いのは、CADから直接このような形になっていることだ。デジタルツールを最大限に活用して自動車の設計・製造プロセスを効率化することが、アルファ社の重要な柱のひとつであることを考えると、クレイ(粘土)を使わず、手間をかけずに完成させたことは意義深い。
実際に見てみると、そのプロポーションは素晴らしく、クラシカルでマンガのようでもあるが、どこか未来的な雰囲気を醸し出している。これは主に、LEDヘッドライトとテールライト、そして編集スタッフのトム フォードが誇りに思うであろうフォグとスポットライトの配列による効果だ。オプションのオフロードタイヤは生産時には少し縮む。バッテリートレイはサイドステップバーの下に見えているが、ドロップダウン式のテールゲートと6フィートのベッドはすべて伝統的なものだ。そして、そこがポイントでもある。
リーは再びこう語る。「私たちの会社の使命は、目的にかなった機能的なクルマをつくることです。このクルマは、EVが必需品であることは理解していますが、平均的なサルーンやSUVのドライバーがどのようにしてトラックに乗り換えるのか、という疑問から設計しました。その答えは、快適で、機能的な目的を提供してくれると感じてもらうことです」
リーは、EVをより身近なものにするためのもうひとつの方法として、価格を下げることを計画している。アルファのWOLFの目標エントリーポイントは36,000ドル(395万円)だ(このモデルは宣伝効果を見込んでトップスペックで装備されており、42,000ドル/460万円に近い)。これはとんでもなく良いことだが、イーロンが35,000ドル(385万円)のモデル3を作り上げることができなかったこと、テスラが年間50万台のモデル 3を製造していることを考えると、簡単ではないだろう。アルファは、興味のある人の意見を参考に、2023年のWOLF発売時には年間25,000台、2024年以降にはWOLF+が加わることで5万台を目指している。
技術的な詳細は非常に限られているが、分かっていることは、適切なトラックのようにボディ・オン・フレーム構造を採用するということだ。バッテリーやモーターの供給元については明らかにされていないが、当初は米国内での外注生産を予定しており、本格的に普及するようであれば、その先に自社工場を建設することも考えられている。まだまだ道のりは長いですが、アルファ社の野心には変わりないようだ…。
=海外の反応=
「その通りです。まさに21世紀の『俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ』のコルト シーバースや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティ マクフライが乗っていそうなクルマだね」
「正面から見ると、もしこれが市場に出れば、最高のトラックになると思うけど、外野の人たちは滑稽なほどうるさくなっているね」
「ボディデザインは1990年代風。でも、僕はとても気に入っているよ」
↑「僕も好き。スバルのレオーネベースのピックアップトラック、ブラットを思い出した」
「握れる本物のドアハンドルがいい。この引っ込んでるヤツ、嫌」
「社名の『アルファ』っつー、名前がなぁ…。ダイジョブそ?」