航続距離は1,000km以上で煩型も沈黙 メルセデス・ベンツ ビジョン EQXX

「EQXX」。これは、イギリスのエリザベス女王がメールの署名をするときに使う言葉じゃない。

EQXXは、メルセデスの新しい電気自動車のコンセプトカーで、航続距離への不安を、ドイツ語のアクセントで笑い飛ばすようなものだ。

メルセデスは、ビジョン EQXXが「実際の航続距離は1,000km以上」を誇ると発表した。マジですごい。これなら、航続距離の煩型も沈黙しそうだ。

ヨーロッパの人向けに説明すると、1回の充電でパリからモンテカルロまで走れる距離になる。あるいは、シャンパンやキャビアよりもネオンやキャバレーが好きなアメリカ人なら、サンフランシスコからラスベガスまで、「充電してください」という警告を一度も点滅させることなく走行できることになる。

メルセデスは以前、北京から上海までの1,200kmを充電なしで移動できるEVの開発を示唆していた。最終的な航続距離はまだ検討中のようだ。

ビジョン EQXXでは、このような長距離走行を可能にするために、非常に高い効率性が求められる。メルセデスによれば、目標は「100kmあたりのkWhを1桁にすること」だそう。これは、「通常のハイウェイ走行速度で」1kWhあたり平均6マイル(9.7km)以上の走行が可能であることを意味する。

参考までに、アウディ e-tronの1kWhあたりの走行距離は約2マイル(3.2km)。テスラモデル3の1kWhあたりの走行距離は約4マイル(6.4km)で、我々がこれまでにテストした中でも最高レベルだ。

EQXXの開発には、F1のノウハウが活用されている。メルセデスは、「メルセデス・ベンツのF1ハイパフォーマンスパワートレイン部門の専門家を含む学際的なチーム」を採用して数値を計算しており、このスカンクワークスは「プロジェクトの野心的な目標に向かって急速に前進している」という。

ビジョン EQXXが公開されるのは2022年だが、メルセデスによれば、このワンオフコンセプトの開発で得られた教訓は、2025年に登場するメルセデスの新型EVアーキテクチャーの性能向上に活かされ、通常のメルセデスカー、メルセデスバン、AMGのオールエレクトリックフリートをサポートすることになる。

トップギアからのアドバイス。次にトイレに行きたくなるのを長くする練習をしておこう。未来のメルセデスは、これまでのように停車する頻度が少なくなるだろうから、ご自身のタンクの耐久時間も長くしておく必要がある。

=海外の反応=
「"100キロあたりのkWhが一桁になる "ということ。つまり、通常の高速道路走行時には、1kWhあたり平均6マイル(9.7km)以上の走行が可能ということだ。"実際のテストミュールで、時速130km(このあたりの制限速度)で走行しながらそれを証明してほしい。航続距離1000kmのEVをぜひ作るべきだ。経験上、多くの化石燃料よりも航続距離が長い」
「アプテラ(Aptera)は現在、航続距離1600kmのEVで、デポジットを取っているところ。メルセデスにとっての課題は、このようなことをすることではなく、アプテラのような異質なものにならないようにすることだ」
↑「同意。快適な長距離クルージングができるものでなければならず、それには非常に長い航続距離が必要だ」

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