今年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにおいて、「コンチネンタルGT3パイクスピーク」は再生可能燃料で走る最速のレースカーであることを証明し、タイムアタック1で2位、総合で4位という素晴らしい成績を収めた。元「キング・オブ・ザ・マウンテン」のリース・ミレン(ニュージーランド)がドライバーとなり、パイクスピーク山頂の凍結により短縮されたコースを走り、終盤にエンジントラブルに見舞われながらも、6分36秒281でゴールした。このタイムは、フルバッテリーEV車を含む、持続可能性を重視した他のすべての参加者を凌ぐものだった。
山頂付近の雪と氷のために、ゴール地点が標高12,780フィートのデビルズ・プレイグラウンドに変更され、通常のコースの最後の3分の1がカットされたため、残念ながらベントレーのタイムアタック記録達成の野望は叶わなかった。しかし、ベントレー、FASTR、ロジャー・クラーク・モータースポーツ、M-スポーツ、リース・ミレン・レーシングの共同チームが開発した「コンチネンタルGT3パイクスピーク」は、最初の2区間で驚異的なペースを記録し、2位に12秒の差をつけて最終の第3区間に突入した。しかし、ゴールまでのあと数コーナーのところでブースト圧に問題が発生したために16秒のタイムロスを余儀なくされ、クラス2位に後退した。
ベントレーのモータースポーツ・ディレクターであるポール・ウィリアムズは、次のようにコメントしている。
「本日のレースにおいて、途中までは、クラス優勝とタイムアタック1の記録更新の両方を狙えるペースでした。しかし、残念ながら天候に恵まれず、コースが短縮されたことで記録への挑戦は不可能となってしまいました。苦い経験ではありますが、このイベントで最速となる再生可能燃料で走るレーシングカーを投入できたことと、このプロジェクトを遂行したチームを誇りに思っています。これはベントレーの再生可能燃料の旅の第一歩であり、これからも多くの機会があるでしょう。もしかしたら、来年のパイクスピークに戻ってくるかもしれません」
2021年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにベントレーが参加するのは、特別に準備されたベンテイガ(市販SUV部門レコード)とコンチネンタルGT(市販車部門レコード)での記録達成に続いて、近年では3回目となる。また、今回の参加は、ベントレーのお客様に真に持続可能な燃料を提供できるようにすることを最終目標とした、長期的な再生可能燃料プログラムの始まりでもある。
ベントレーは現在、世界をリードする持続可能なラグジュアリーモビリティー企業へと変身するという「ビヨンド100」戦略の実現に向けて邁進しており、2021年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムプロジェクトは、モータースポーツ部門が持続可能性に新たに焦点を当て始めたことを意味している。750馬力を超える「コンチネンタルGT3パイクスピーク」は、ベントレー初の再生可能燃料で走るレースカーだが、これが最後の機会ではないだろう。