【トップギア試乗】ホンダ シビック タイプ R

既に十分グッドで素晴らしいホットハッチが、さらなるフォーカスポイントを手に入れた

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かつてないほど、シャープで正確。

イマイチ↓

気にする人には、そのルックスかな。

概要

どんなクルマ??

2017年にシリーズ5代目が登場したホンダ シビック タイプ R。他のどのFF車をも寄せ付けない異次元の走りを実現している、真にとびぬけた存在のホットハッチバックだ。頑丈な甲冑を身にまとい、裂け目など見つけられるはずもない。今の時点でデビューからわずかに3年しか経っていないにもかかわらず、ホンダはその車を深く深~く研究し、さらなる改良点を見つけたという。マジか。

要はこの記事は、 2017年モデルのシビック タイプ R(型番にこだわるオタクさんのために言うと、「FK8」ね)のマイルドアップグレード版についてだ。記事の中では「フェイスリフト」って言葉をあえて使っていない。だってあれって、まわりから相当ヘンテコだって言われながらそのスタイルに固執してきたけど、いつか「やっぱ、なんか違うかも?」って自分で気づいた時にやるもんだからさ。 今回の改良点の一つに、開口面積が13%増えたおかげでクーラント温度を10℃下げることに成功したって言う、新型グリルがある。マニアは、きっとそこに食いつくだろう。

でも、それは法医学レベルのホンダの改良点の氷山の一角に過ぎない。赤い縁取りのアロイホイールの後ろには、ブレーキを踏んだ後の15㎜の「反応の鈍さ」を消滅させるために、2ピースブレーキディスク(1枚じゃなくて、2枚)が使われている。もっとも、そのことについての不満なんて、これまで一切聞いたことがないですけど…。アダプティブダンパーは、コーナーでの挙動をより正確なものにするため、再チューニングされた。この点についても、FK8で既に完璧だと思う。

それに、なんといっても、このシフトノブだ。いかなる環境でも見事にシフト動作を遂行してみせる、太く短いどっしりとしたメタルスティック。そもそもタイプ Rのシフトは、ここ何年で最高の傑作だ。それでも、シビックのエンジニア連中に言わせれば「まだまだ改良できる!」だって。

今回の改良では、かつての「速いホンダ」を想起させるように、ノブの形がボール型からティアドロップ型に変わり、シフトチェンジの際にかかる重さをカバーしている。マニュアルを切り捨てていくメーカーが大多数の中、ホンダのエンジニア陣は未だに昔のやり方をつらぬいている。押し寄せる時代の大きな波を確かに感じつつも、遊び心だけでなくパフォーマンス性も兼ね備えたクルマをつくる。その姿勢に、敬意を表さずにはいられない。

実際のところ、タイプ R自体の特性はそのまま残されている。1.4トンの図体をもろともしない320psの直列4気筒2.0リッターターボ のエンジンも、6速MTでFFのみなところも変わっていない。トップスピードは272km/hで、0-100km/h加速は5.8秒。なかなかの数字だよね。

以前に比べ、ラインナップが増えた。写真にある「通常モデル」に加え、イギリスではリアウィングが大幅に小さくなり、赤いディテール部分が減り、静粛性が増して音も抑えめな「タイプ R スポーツライン」と、攻め気味なカップ2タイヤを装着し、エアコンとカーステを取っ払い、鍛造BBSホイールを履いたことで47kgの軽量化を実現した、結構いかつ目の「タイプ R リミテッドエディション」の2つが仲間入り。リミテッドエディションは5,500,000万円で、イギリスの割り当て分20台は一時間以内に完売し、日本での限定200台も完売した。この先、中古でも、ほとんど価値を下げることがないだろう。

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