今まで私はスポーツカーしか所有したことがない。正直言って、少なくともスポーツカーの見た目をしていないクルマは買わない主義だ。だからこそ、断じてスポーツカーじゃないクルマと6か月も過ごすのは、私にとって非常に魅力的なことなのだ。
まあ、このクルマのひどい遅さについての私なりの丁寧な皮肉としては、こんな感じだ。イギリスの速度制限より20mph(32km/h)上の、90mph(145km/h)が最高速度であるというその遅さ自体は、表面的には問題ではない。むしろ、そのシフトの軽さのおかげで、スズキジムニーの馬力とトルクの数値は、見た目ほど貧相ではない。
最高速度が非常に遅いことの問題点とは、法定内の速度であっても限界に近づいてしまう1.5リッターエンジンが、酷使されてうなる時のひどい騒音だ。高速道路上でのジムニーはおよそ3,500rpmで安定しているが、通常、エンジンがこれほどお粗末な(そして防音装置が存在しないことで逆に目立ってしまうような)場合、それほどひどい騒音は発生しない。騒音の大きさは、クルマの小ささに対して燃費が悪いという問題に直結する。そしてその問題は間違いなく、家のレンガみたいな空気力学キャラクターによって悪化してしまうのだ。
なので、私は考えを改めつつある。渋滞の最後尾、外側の車線で騒音を出し続けるよりも、内側の車線で95-105km/hくらいの速度でゆっくり進んだ方が良い。すると燃費は良くなり、騒音のレベルも落ち、私の心拍数はSクラスの背もたれにもたれてくつろいでいる時のように落ち着く。ゆっくり走行する楽しみというのは、我々クルマ好きが良いドライブをするための基本事項のようなものだ。特に混雑するイギリスの道路事情においては。
また、あなたはWazeのETAの立ち上がりの速さに驚くだろう。そしてもしポッドキャストにお気に入りのチャンネルが少しでもあれば、それだけで運転中の時間が有意義なものになる。7分間の最新エピソードが一つ残っている状態で家に着いてしまったら、クルマを家の駐車場に止めて、そのエピソードを聞いてから降りるもの良いだろう…。
もしこれを幸福への悪あがきだと思うなら、それは正しい。かっこいいホットハッチを私の前にちらつかせたら、私は恥ずかしげもなくジムニーの誇り高きドライビングポジションから降り、大慌てでそっちのクルマに乗り始めるだろう。ジリジリするほど遅いクルマで落ち着いた生活を送るのも悪くないが、もたつくことなくスマートに高速道路のセンサーを通過できるのは、はるかに幸せだ。
同僚のオーリー キューは、同じように遅いフォード フォーカスでの生活を、緩衝材で覆われた運転免許証で運転するようなものだと言っていた。その時BMW Z4を使っていた私は彼のそんな姿を笑っていたが、この小さなスズキ ジムニーと過ごした数か月で、私は彼の言わんとしている事を理解できた。
走行距離: 13,805km 燃費: 12.2km/L
グレード:
SZ5
エンジン:
1462cc 4気筒 全輪駆動 100hp, 129Nm
燃費:
12.5km/L,178g/km CO2
パフォーマンス:
0-100km/h 12.0秒 (推定), 145km/h
重量:
1135kg
価格:
18,499ポンド (250万円)/£20,797ポンド(280万円) テスト車両/月額3.4万円